レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年11月03日
- 登録日時
- 2014/01/23 10:53
- 更新日時
- 2014/01/23 10:53
- 管理番号
- 9000010152
- 質問
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解決
第二次世界大戦中に、ドイツとの物資輸送を行った「遣独潜水艦作戦」について書かれている資料を紹介してほしい。
- 回答
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事前調査資料以外の当館所蔵資料では、『日本潜水艦戦史』(木俣滋郎著 図書出版社 1993年)、『消えた潜水艦イ52(NHKスペシャル・セレクション)』(新延明著 日本放送出版協会 1997年)に「遣独潜水艦作戦」に関する記述がある。また、『日本海軍の潜水艦:その系譜と戦歴全記録』(勝目純也著 大日本絵画 2010年)、『艦長たちの軍艦史』(外山操著 光人社 2005年)に、任務にあたった各潜水艦についての概要がある。
- 回答プロセス
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1.事前調査資料について確認
・『潜水艦史(戦史叢書)』(防衛庁防衛研修所戦史部著 朝雲新聞社 1979年)→p344-349「訪独及び譲渡潜水艦」の項あり。
※大本営海軍部の指示による訪独潜水艦は次の通り
第1次 伊30潜(昭和17年6月18日サントマリー岬出港)※10月8日シンガポール東方で触雷沈没
第2次 伊8潜(昭和18年6月1日呉出港)※12月21日帰還
第3次 伊34潜(昭和18年8月13日呉出港)※11月13日ペナン港外で英潜雷撃により沈没
第4次 伊29潜(昭和18年11月5日呉出港)※ロリアン郊外で消息不明
・『深海からの声:Uボート234号と友永英夫海軍技術中佐』(富永孝子著 新評論 2005年)→p269-328第7章「遣独の旅」、第8章「ドイツでの足跡」※日独軍事交流、伊29潜での遣独、Uボート2隻の寄贈について
2.自館システムで件名「太平洋戦争(1941〜1945)×「潜水艦」を検索し、該当の図書を調査。
・『日本潜水艦戦史』(木俣滋郎著 図書出版社 1993年)→第14章「ドイツとの連絡」
・『日本海軍の潜水艦:その系譜と戦歴全記録』(勝目純也著 大日本絵画 2010年)→p46-47 伊8潜※写真あり、p63-65 伊29潜※写真あり、p66-67 伊30潜※写真あり、p70 伊34潜、p93 伊52潜
・『消えた潜水艦イ52(NHKスペシャル・セレクション)』(新延明著 日本放送出版協会 1997年)
3.その他
・『艦長たちの軍艦史』(外山操著 光人社 2005年)→p397-398 伊8潜、p408 伊30潜、p407-408 伊29潜、p409-410 伊34潜、p420-421 伊52潜
・『Uボート総覧:図で見る「深淵の刺客たち」発達史』(デヴィッド・ミラー著大日本絵画 2001年)→p156-159「極東向け輸送作戦」に「ヨーロッパへ赴いた日本潜水艦」の項。
・『『検証太平洋戦争とその戦略 2 戦争と外交・同盟戦略』(三宅正樹編著 中央公論新社 2013年)→第4章「ドイツと三国軍事同盟」に、第二次世界大戦中の日独の物資輸送について記述あり。
- 事前調査事項
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『潜水艦隊』(井浦祥二郎著 朝日ソノラマ 1998年)※当館未所蔵
『伊号潜水艦訪欧記:ヨーロッパへの苦難の航海(光人社NF文庫)』伊呂波会編 潮書房光人社 2013年)※当館未所蔵
- NDC
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- 戦争.戦略.戦術 (391 9版)
- 海軍 (397 9版)
- 各種の船舶.艦艇 (556 9版)
- 参考資料
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- 『潜水艦史(戦史叢書)』(防衛庁防衛研修所戦史部著 朝雲新聞社 1979年) (p344-349)
- 『深海からの声:Uボート234号と友永英夫海軍技術中佐』(富永孝子著 新評論 2005年)→ (p269-328)
- 『日本潜水艦戦史』(木俣滋郎著 図書出版社 1993年) (p549-568)
- 『日本海軍の潜水艦:その系譜と戦歴全記録』(勝目純也著 大日本絵画 2010年) (p46-47,p63-67,p70,p93)
- 『消えた潜水艦イ52(NHKスペシャル・セレクション)』(新延明著 日本放送出版協会 1997年)
- 『艦長たちの軍艦史』(外山操著 光人社 2005年)→p397-398 (p397-398,p407-410,p420-421)
- 『Uボート総覧:図で見る「深淵の刺客たち」発達史』(デヴィッド・ミラー著大日本絵画 2001年)→p156-159 (p159)
- 『『検証太平洋戦争とその戦略 2 戦争と外交・同盟戦略』(三宅正樹編著 中央公論新社 2013年)→ (p100-107)
- キーワード
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- 遣独潜水艦作戦
- 訪独潜水艦
- 潜水艦
- 軍艦
- 第二次世界大戦
- 大本営海軍部
- 海軍
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 『潜水艦史(戦史叢書)』(防衛庁防衛研修所戦史部著 朝雲新聞社 1979年)p344によると、ドイツとイタリア、日本は、昭和15(1940)年9月に日独伊三国同盟を、昭和17(1942)年1月18日に日独伊軍事協定を締結した。不足している重要物資(生ゴム、錫、タングステン、キニーネ)などを輸送する方法として、ドイツは商船を武装した特設巡洋艦を日本の内地や南方占領地に派遣した。特設巡洋艦は「柳(やなぎ)船」と呼ばれ、ドイツからアジア向けの輸送を柳輸送、ドイツ向けの輸送を逆柳輸送といっていた。柳輸送は次第に困難になったため、飛行機による連絡を試みたが不成功に終わり、日独伊の連絡は潜水艦によるしかなく、大型の日本潜水艦がその任務に従事することとなった。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 紛争・戦争
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000143853