レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年09月17日
- 登録日時
- 2020/11/13 16:40
- 更新日時
- 2021/02/09 15:35
- 管理番号
- 広県図2020064
- 質問
-
未解決
広島県内の瀬戸内海沿岸で電気の開通が遅かった地域の事例として,御調郡向島西村と佐伯郡大野村での電気の開通時期を調べている。
「向島町史 通史編」(2000年)では,電柱建設の始まりについて,大正5年(p.588),大正4年(p.1084)と,矛盾する記述が見られる。
「広島県大野町誌」(1992年第2版)では,p.105,p.415,p.999に大正5年に電線が架設されて送電開始の旨の記述がある。
いずれも根拠資料についての記載はないが,これらの裏付けとなる資料がないか。
- 回答
-
御調郡向島西村と佐伯郡大野村での電気の開通時期について,次の資料を確認しましたが,関連の記述は見付かりませんでした。
『広島県史 近代1』広島県/編,広島県,1980【H21/H73-3/6ア】
p.886-897 電気事業
一部市町を除き,供給区域に関する記述はありません。
『広島県史 近代2』広島県/編,広島県,1981【H21/H73-3/7ア】
p.153-162 電気・ガス事業の発展
供給区域に関する記述はありません。
『広島市史 第4巻』広島市役所/編,名著出版,1972(広島市役所 大正11~14年刊の復刻)【H21.1/H73-3a/4】
p.415-417に広島電燈株式会社等の記述はありますが,供給区域に関する記述はありません。
『備後向島岩子島史』菅原守/編纂,聚海書林,1981(郷土史研究会 昭和13年刊の復刻)【H21.44/Su22aア】
p.524-526 点燈及動力
p.524 「本島は島嶼部の関係上、之が施設は頗る後れ、大正十二年八月、漸く変電所が設けられ、昭和五年五月、広電向島散宿所の設置を見て、点燈に動力に漸次需要の増加を来し、現今で電燈を設けざる家殆んど無しといふ状態となり、(略)」
『御調郡誌』御調郡教育会/編纂,臨川書店,1985(御調郡教育会 大正14年刊の復刻)【H291.44/Mi64aア】
p.108-109 電燈
p.108 「明治三十五六年の頃福山電燈會社の設立あり、明治四十四年明石電燈會社三原支店の設置尋いで因島電燈會社設立せられしが、(略)」
町村別の電燈使用戸数の表はありますが,開通時期に関する記述はありません。
『佐伯郡誌』佐伯郡教育会/編纂,臨川書店,1985(佐伯郡教育会 大正7年刊の復刻)【H291.22/Sa14b】
p.170-181 交通
p.177-178 郵便電信電話
p.500-549 町村誌
p.527-528 大野村
電気関連の記述はありません。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
-
逓信省の電気事業要覧では,
第7回電気事業要覧(大正4年1月刊)第一表 事業者別概況(大正3年5月末)
p.86 尾ノ道電燈株式会社の供給区域に向島西村の記載はありません。
p.138 広島呉電力株式会社の供給区域に大野村の記載はありません。
第8回電気事業要覧(大正5年1月刊)第一表 事業者別概況(大正4年6月末)
p.94 尾道電燈株式会社の供給区域に向島西村の記載はありません。
p.146 広島呉電力株式会社の供給区域に大野村の記載があります。
第9回電気事業要覧(大正6年3月刊)II.事業概要(大正5年8月末)
p.98 尾道電気株式会社の供給区域に未開業を示すアンダーライン付きで向島西村の記載あり。
p.150 広島呉電力株式会社の供給区域に大野村の記載があります。
第10回電気事業要覧(大正7年2月刊)II.事業概要(大正6年8月末)
p.100 広島電燈株式会社の供給区域に向島西村の記載があります。
p.154 広島呉電力株式会社の供給区域に大野村の記載があります。
「広島呉電力株式会社 大正4年上半季 第36回報告書」(J-DAC「企業史料統合データベース」より)には,p.4に
4年2月15日 大野村電澄電力供給工事落成(届)、4年2月17日使用認可
4年2月17日 電燈電力供給事業開始(届)
との旨の記載がありました。これらは「大野町誌」の記載とは合いません。
「広島電気沿革史」(1934年),「中国地方電気事業史」(1974年)には電気事業者各社の沿革の概略は記載されているものの,供給区域拡大の具体的明細は記載がありませんでした。
- NDC
-
- 電気工学 (540 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 広島
- 電気
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000289467