レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年05月06日
- 登録日時
- 2019/05/01 18:43
- 更新日時
- 2019/05/01 18:43
- 管理番号
- 9000027387
- 質問
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解決
武田の家臣・小幡豊後守昌盛は地方病で死んだと『甲陽軍鑑』に載っているそうだが、その掲載箇所を知りたい。
- 回答
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『甲陽軍鑑』巻二十・品第五十七に小幡豊後守昌盛が「しやくじゆのちやうまん」(積聚の脹満=腹部が膨れ上がる病)を患い、武田勝頼に今生の暇乞いをする場面がある。これが地方病の日本住血吸虫症の最古の記録だと考えられている。
- 回答プロセス
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1.『甲陽軍鑑大成』の索引で「小幡豊後守昌盛」の掲載箇所を探す。
→「小幡」「小幡豊後」「小幡豊後守」「豊後」「豊後殿」「豊後守」の項目があった。
巻二十に集中して多くの記述があることが分かったが、地方病の記述がどこにあるのかは不明。
2.小幡豊後守昌盛について調査。
→武田二十四将の一人であるため、多くの本に略歴あり。天正十年三月に病死したことは判明したが、『甲陽軍鑑』における掲載箇所は不明。
3.日本住血吸虫病についての資料に当たる。
→『地方病とのたたかい』p.5『甲陽軍鑑』の一節が掲載。ただし、掲載箇所の記述なし。
→『死の貝』pp.6-7:上記と同じ文章が引用され、『甲陽軍鑑』品第57とある。
これらの本によると、『甲陽軍鑑』品第57に、小幡豊後守昌盛が天正9(1581)年11月より積聚の脹満(腹部が膨れ上がる病)を患い、翌10(1582)年3月3日に武田勝頼に今生の暇乞いをしたという記述があり、これが日本住血吸虫病らしき症状を記録した最古の文献と考えられているという。
4.『甲陽軍鑑大成』(汲古書院)、『甲陽軍鑑』(新人物往来社)で掲載箇所確認。
→巻二十、品第五十七に該当の文章を確認。
- 事前調査事項
- NDC
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- 中部地方 (215 9版)
- 内科学 (493 9版)
- 参考資料
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酒井憲二 編著 , 酒井, 憲二, 1928-2012. 甲陽軍鑑大成 第2巻(本文篇下). 汲古書院, 1994.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002351521-00 , ISBN 476293299X (p.176) -
磯貝 正義/校注 , 服部 治則/校注 , 磯貝‖正義 , 服部‖治則. 甲陽軍鑑 下 改訂. 新人物往来社, 1976. (史料叢書)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I005732572-00 (pp.434-435) -
山梨地方病撲滅協力会 [編] , 山梨地方病撲滅協力会. 地方病とのたたかい. 山梨地方病撲滅協力会, 1977.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001340307-00 (p.5) -
小林照幸 著 , 小林, 照幸, 1968-. 死の貝. 文藝春秋, 1998.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002696272-00 , ISBN 4163542205 (pp.6-7)
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酒井憲二 編著 , 酒井, 憲二, 1928-2012. 甲陽軍鑑大成 第2巻(本文篇下). 汲古書院, 1994.
- キーワード
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- 小幡豊後守昌盛
- 小幡昌盛
- 地方病
- 日本住血吸虫病
- 日本住血吸虫症
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000255547