レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007年11月07日
- 登録日時
- 2008/01/19 12:52
- 更新日時
- 2014/08/28 10:59
- 提供館
- 岐阜県図書館 (2110001)
- 管理番号
- 岐県図-0901
- 質問
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解決
以下の資料の所蔵館が知りたい。
中尾霞山『侠客原田常吉』、同『常吉実歴談』
- 回答
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谷川昇『博徒と自由民権』(中央公論社,1977)によると、両者は同一書。
所蔵館は分からず、引用されている資料を紹介した。
・藤田五郎『任侠百年史』(笠倉出版,1980 7書庫:368.5/フ)
・長谷川昇『博徒と自由民権』(中央公論社,1977 7書庫:210.6/ハ)
後、近畿大学中央図書館より情報をいただいた。
水谷藤博「原田常吉の生涯-「実歴談」に見る幕末明治期博徒親分の動向-」(『東海近代史研究』第8号 1986.12)によると、大正2年、『名古屋新聞』に連載されていた記事とのこと。
当時の『名古屋新聞』は愛知県図書館などでマイクロフィルムを所蔵。
- 回答プロセス
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1 国会図書館NDL-OPAC、総合目録ネットワーク、NACSIS Webcat いずれも該当なし。
2 インターネットで検索したところ、原田常吉は愛知県豊橋の侠客・平井一家の継承者とのことなので、愛知県図書館、豊橋市立図書館の所蔵も検索したが、所蔵せず。
3 藤田五郎『任侠百年史』(笠倉出版,1980 7書庫:368.5/フ)を参照。平井一家に関する項目に原田常吉について記述があり、出典として『常吉実歴談』のほか、長谷川昇『博徒と自由民権』(中央公論社,1977 7書庫:210.6/ハ)がある。
4 『博徒と自由民権』を参照。『侠客原田常吉』と『常吉実歴談』は同一書の別名と分かる。同書で多数の引用はあるが、原典の所蔵者や参考文献等については記載されていなかった。
以上の調査結果に加えて『任侠百年史』、『博徒と自由民権』を紹介して回答とした。
5 後、近畿大学中央図書館の方から、以下の情報をいただいた。
水谷藤博「原田常吉の生涯-「実歴談」に見る幕末明治期博徒親分の動向-」
『東海近代史研究』(東海近代史研究会) 第8号 1986.12 p.49-60
p.50 に次のような記述がある。
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「原田常吉にも「侠客原田常吉」と題する一書があり、すでに長谷川昇氏が著書『博徒と自由民権』(中公新書)の中で紹介されている。
この伝記は、大正二年、中尾霞生(のち霞山と号す)という当時、名古屋新聞の記者によって、原田常吉が未だ生存中に、本人とその周辺から聞きとりを行ない、その前半生を名古屋新聞紙上に四十八回にわたり連載したもので、その内容の信憑性は非常に高く、原田常吉の「実歴談」と看做してよいであろう。
編者の中尾霞生は本名済、岡山県の出身で、はじめ、名古屋出身の小説家で大阪に在住した渡辺霞亭方に書生として住込み、のち、その紹介で名古屋新聞社に入社、最初から文筆家志望であったので記者のかたわら、新聞小説なども手掛けて好評を得ていた。「侠客原田常吉」は、実録読物として達意の文章で綴られている。
そこで、この「侠客原田常吉」(以下「常吉実歴談」と記す)を主軸にして、彼の前半生を追い求め、後半生については別史料で補足して、波瀾な彼の境涯を可能なかぎり辿ってみることとしたい。」
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該当時期の『名古屋新聞』は、全国新聞総合目録データベース http://sinbun.ndl.go.jp/ (2008/01/25確認)によると、愛知県図書館
図書館などでマイクロフィルムを所蔵している。
- 事前調査事項
- NDC
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- 社会病理 (368 9版)
- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 侠客
- 照会先
- 寄与者
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- 近畿大学中央図書館
- 備考
- 『任侠百年史』は全国の主要な一家の略歴や系譜、墓誌など、この分野について参考となる記載が多い。
- 調査種別
- 所蔵機関調査
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000041105