レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2019/09/22 19:09
- 更新日時
- 2019/11/29 18:15
- 管理番号
- 2019080101
- 質問
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解決
2枚の古銭を持ってこられ、これが何か知りたいとのこと。おしゅうとめさんからもらったということの他は情報なし。
- 回答
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絵銭(えせん、えぜに)と呼ばれるものである。
江戸初期から民間で作った円形方孔の銭貨型のおもちゃの金。
通貨ではない。
得財招福の信仰対象として発生したものが、のちにめんこなどの子どもの遊び用具になった。
- 回答プロセス
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片方の銅貨に「福泉」と書いてあったので、インターネット検索で「古銭 福泉」で検索をかけると、
同じ形状の銅貨がヤフーオークションに出品されており、それが「絵銭 恵比寿」と呼ばれるものとわかる。
もう一方の銅貨は文字が読み取れず。
自館所蔵の資料『通貨の日本史』(337.21)『日本貨幣カタログ2019』(337.21)
『古銭語事典』(R202.7)で調べるが該当なし。
『日本国語大辞典』『古銭語事典』で「絵銭」の項目を参照し、利用者に説明。(ここで終了)
銅貨の写真を撮りgoogle画像検索で検索するが、同様の写真はヒットせず。
日本銀行金融研究所貨幣博物館の調査研究データーベース「藤井コレクション」の中に絵銭が何十種類か載っているが、該当の銅貨はなし。
『国史大辞典』2巻P266-267には、「厭勝銭・吉語銭・楽銭などの別称がある。大黒・えびすなどの絵柄に加え、念仏の文字を鋳込んだものなど数百種におよぶ。」
「遠征足利義政が京都六条河原にて、人々の好みに応じて種々の銭を鋳させ、子どもに与えたのが最初であるという。しかし、真偽のほどはわかっていない。」
等の記載あり。
岡山県立図書館に『古銭大観 (乾・坤・附録)』を相互貸借依頼。→附録に絵銭が載っていたが、上記以上のことは分からず。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210)
- 風俗習慣.民俗学.民族学 (38)
- 参考資料
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大鎌淳正 著 , 大鎌, 淳正, 1914-. 古銭語事典 改訂増補. 国書刊行会, 1997.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002580856-00 , ISBN 4336039070 -
高木久史 著 , 高木, 久史. 通貨の日本史 : 無文銀銭、富本銭から電子マネーまで. 中央公論新社, 2016. (中公新書 ; 2389)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027521909-00 , ISBN 9784121023896 -
日本貨幣商協同組合 [編集] , 日本貨幣商協同組合. 日本貨幣カタログ 2019. 日本貨幣商協同組合, 2018.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I086381029-00 , ISBN 493081023X -
日本国語大辞典 第3巻 うは−おのん. 1993.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I025157045-00 , ISBN 4095220031 -
国史大辞典編集委員会 編. 国史大辞典 2. 吉川弘文館, 1980-07.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000103118-00 , ISBN 4642005021
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大鎌淳正 著 , 大鎌, 淳正, 1914-. 古銭語事典 改訂増補. 国書刊行会, 1997.
- キーワード
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- 古銭、絵銭
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000261715