レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年11月18日
- 登録日時
- 2020/12/19 10:50
- 更新日時
- 2021/03/18 15:30
- 管理番号
- 大分県立郷土-2020-018
- 質問
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解決
三浦梅園の『帰山録』にでてくる「水犬」「喜雀」はどちらも外国の動物のようだが、何の動物を指しているのか。
- 回答
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〇「水犬」について
『愛犬の日本史』 桐野 作人/著 吉門 裕/著 平凡社 202
”「水犬」がウォーター・スパニエルだとしたら大型種もいるが、江戸時代では水犬といえば小型犬だったのかもしれず、見聞集『譚海』には「狆は水犬を最上とす」とある。キング・チャールズ・スパニエルのような小型スパニエル犬に近かったのかもしれない。”
→ウォーター・スパニエルだとすれば『帰山録』の「水犬ありよく水に没して物をとる公儀より」や「五尺三寸八分」といった記述と合致する。キング・チャールズ・スパニエルは愛玩犬なので記述と合致しない。
よって、『帰山録』と照らし合わせると、ウォータースパニエルの類いだったことが考えられる。ただし、ウォータースパニエルは特定の一犬種をさしたものではない。
〇「喜雀」について
『江戸鳥類大図鑑』 堀田 正敦/著 鈴木 道男/編著 平凡社 2006
p411 ”喜雀は、本来中国語でカササギを指してきた”とある。
『「歯車」の迷宮 注釈と考察』 三嶋 譲/著 福岡大学日本文学専攻院生の会/著 花書院 2009
同じく”「喜雀」とは、カササギの別称”とある。
- 回答プロセス
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1 自館蔵書検索システムで「犬」「鳥」関係の資料を検索し、資料確認。
2 JapanKnowledgeやGooglebooksで検索し、内容確認。
- 事前調査事項
- NDC
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- 東洋思想 (12 10版)
- 動物学 (48 10版)
- 参考資料
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桐野作人, 吉門裕 著 , 桐野, 作人, 1954- , 吉門, 裕. 愛犬の日本史 : 柴犬はいつ狆と呼ばれなくなったか. 平凡社, 2020. (平凡社新書 ; 950)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I030498258-00 , ISBN 9784582859508 -
堀田正敦 著 , 鈴木道男 編著 , 堀田, 正敦, 1755-1832 , 鈴木, 道男. 江戸鳥類大図鑑 : よみがえる江戸鳥学の精華『観文禽譜』. 平凡社, 2006.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008155616-00 , ISBN 4582515061 -
三嶋譲, 福岡大学日本文学専攻院生の会 著 , 三嶋, 譲, 1940- , 福岡大学大学院人文科学研究科. 「歯車」の迷宮(ラビリンス) : 注釈と考察. 花書院, 2009.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000010837776-00 , ISBN 9784903554587
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桐野作人, 吉門裕 著 , 桐野, 作人, 1954- , 吉門, 裕. 愛犬の日本史 : 柴犬はいつ狆と呼ばれなくなったか. 平凡社, 2020. (平凡社新書 ; 950)
- キーワード
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- 水犬
- 喜雀
- 帰山録
- 三浦梅園
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000290998