レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年01月24日
- 登録日時
- 2013/01/24 12:01
- 更新日時
- 2014/03/17 14:40
- 管理番号
- 秋田-1513
- 質問
-
解決
秋田県出身の歌人 松井如流 の次の短歌の出典はなにか。
『現代短歌分類辞典』(現代短歌分類辞典刊行所)に掲載されている、
「魚釣ると 沖に出しとき 曇り空押しのけて 富士の線 あらわれぬ」
- 回答
-
当館所蔵があった『現代短歌分類辞典』 42巻 (津端修/編纂 津端修発行 1977) を確認したところ、
該当の短歌は、134ページに掲載があり、引用した歌集番号七と記載されている。
引用した歌集名は、14巻に掲載があり、『新万葉集』 第7巻 と判明。
『新万葉集』 第7巻 (改造社、1938年)を確認したところ、329ページに当該短歌の掲載あり。
ただし、この資料が初出かどうかは不明。
- 回答プロセス
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①『新万葉集』 第7巻 巻末の 作者略歴(p.417)には、
「嘗て 「橄欖」「自然」に籍を置きたることあるも、大正14年「覇王樹」に入り今日に至る」とあり。
②「松井如流とその作品」 高貝次郎/著 『秋田短歌』 第13号 p.48~53 中の松井如流略年譜より。
大正8年19才 上京・短歌を作り始める
大正12年23才 橋田東声主催の短歌雑誌『覇王樹』に入社し、作品を発表(猿田如流)
大正15年26才 1月、「覇王樹」同人となる
③『新万葉集』 第9巻 巻末の「新万葉集の完成」(山本寛彦/著)によると、
選歌が行われたのは昭和12年。
歌の募集方法は3通りあり、選考人と著名人からの自選、知名歌人に勧誘状を出し50首までの提出を請う、一般公募。
松井如流の名が著名人一覧にないことから、知名歌人としてか一般公募によるものと推察される。
④『新万葉集」に出した該当の作品が、すでに同人誌上で発表していたものか、その際に新たに詠んだものかは
確認できず。「橄欖」「自然」「覇王樹」いずれも当館では所蔵なし。
⑤松井如流の短歌作品集としては、下記資料を所蔵しているが、当該作品の掲載はなし。
『松井如流短歌選集』(松井如流/著 、六月書房、1988年)
・・・ p.344のあとがきに、「戦後からの詠草作品を纏めあげた」と記載あり。
『風』(松井如流/著 、新星書房,1984年)
・・・ 昭和53年から58年の作品を収録したもの。
- 事前調査事項
- NDC
-
- 詩歌 (911)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 県外図書館
- 登録番号
- 1000127082