レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/01/31
- 登録日時
- 2011/04/01 02:03
- 更新日時
- 2011/04/01 02:03
- 管理番号
- H19-44
- 質問
-
解決
下記5冊について出版年を教えて欲しい。
①賦役令
②正倉院文書
③延喜式
④倭名類衆抄(倭名類聚抄?)
⑤大草家料理書
- 回答
-
①大宝元年(701-)頃 [国書総目録による]→養老二年(718) [日本史文献解題辞典ほか]
②奈良時代
③延長五年(927) [国書総目録による]
④承平五年以前(935以前) [国書総目録による]
⑤室町時代末期→天文19年(1550)頃力 [羣書類従 正統分類総目録・文献年表による]
- 回答プロセス
-
(日本古典籍総合目録[国文学研究資料館DB]検索も併用)
1.国書総目録 岩波書店 1989 <本学請求記号 R025/Kok>で調べる
①なし
②『正倉院文書』は『正倉院古文書』の別名。刊年不明。(4巻P.435)
③延長五年(1巻P.509 ◎印の『延喜式』)
④承平五以前(8巻P.260 ○印の1番目の『倭名類聚抄』)
⑤なし
2.国史大事典 国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1979 <本学請求記号 R210/Kok>で調べる
①フエキ→ブヤク ブヤクリョウの項に"「大宝令」と「養老令」の篇目"とあり(12巻P.336)
『大宝令』を国書総目録で確認→大宝元年
『養老令』を国書総目録で確認→なし
⑤"室町時代末期の料理書"とあり(2巻P.538)
3.東方年表 藤島達朗,野上俊静編 平楽寺書店 1996 <本学請求記号 R220/Fuj>で
元号→西暦を調べる
①大宝元年=701年
③延長五年=927年
④承平五年=935年
4.『正倉院古文書』について、国立歴史民俗博物館の館蔵資料データベースで探す
(http://www.rekihaku.ac.jp/up-cgi/login.pl?p=param/syuz/db_param) [last access 2007/07/06]
・"正倉院古文書"で検索→888件ヒット 製作年代:奈良時代とあり(参考データ別紙)
5.『大草家料理書』について、参考図書から探す
・古事類苑 神宮司廰編 吉川弘文館 1982 <本学請求記号 R031.2/Jin/43>
→飲食部P.318に大草預料理書について記されているが、刊年などは記載なし
・羣書類從 塙保己一集 續群書類従完成會 1928 <本学請求記号 R081/Han/19>
→第19輯 飲食部 巻366 P.789-796本文のところには記載なし
・群書類従 塙保己一編 訂正3版 続群書類従完成會 1992 <本学請求記号 R081/Han>
→文献年表 P.58上段に"1550 天文19 頃力"と記載あり
6.『賦役令』について調べる(2.で調べた『国史大事典』12巻P.336の参考文献をあたる)
・国史大事典には"『養老令』の第十篇三十九条"とあり、これに基づき次の資料を確認。
→律令 井上光貞[ほか]校注 (日本思想大系3) 岩波書店 1976 <本学請求記号 121.08/Nih/3>
P.249-261に"賦役令(ふやくりゃう)第十 凡三拾玖条"を確認
6-1.「養老令」について調べる
・総合国史文献解題 栗田元次著 日本図書センター 1982 <本学請求記号 R210/Kur>
→下巻 書名索引に"養老律令"あり
→上巻 P.468-469には刊年として明確な記述はなし
・日本史文献解題辞典 加藤友康, 由井正臣編 吉川弘文館 2000 <本学請求記号 R210/Kat>
→P.839に、養老令の記載あり(律令 井上光貞[ほか]校注 (日本思想大系3) 岩波書店 1976)
→P.1084-1085に養老律令あり(P.1085上段に、"定説的な養老二年成立説がある。""総合的に養老二年未成立を推測する見解がある"という記述あり)
6-2.養老二年を調べる
・日本史総合年表 第2版 加藤友康[ほか]編 吉川弘文館 2005 <本学請求記号 R210/Kat>
→P.56 養老2(718)年に"この年、藤原不比等らに律令(『養老律令』)各10巻を撰定させる(類聚三代格)"とある。
・新國史大年表 日置英剛編 国書刊行会 2007 <本学請求記号 R210/Hio/1>
→P.265 養老2(718)年に"是年 養老律令を撰する。右大臣藤原不比等、勅を奉じて、更に律・令を撰し各十巻とする。[類聚三代格]"とあり。
6-3.インターネットを使って"養老令"を調べる
・Yahoo!Japan(http://www.yahoo.co.jp/)にてキーワード"養老令"を検索 [last access 2007/07/06]
→国立国会図書館の近代デジタルライブラリーのデータがヒット
国史概説 大森金五郎述 日本歴史地理学会 明治43序 『古事記』
P.268-269"第八十八問 大寶令と養老令との區別如何"の項に
"後、元正天皇養老二年更に之を修正す。世に之を養老令と呼ぶ"とあり。
6-4.電子日本総合年表(岩波書店CD-ROM)で探す
→養老律令 養老二年 『類聚三代格』
6-5.『類聚三代格』記載事項の確認
・類聚三代格総索引 米田雄介編 高科書店 1991 <本学請求記号 322.13/Yon>
→件名索引"賦役令"
P.295L.9(類聚三代格 巻七)、P.431L.2(類聚三代格 巻十五)令集解に記されていることがわかる。
→件名索引"養老二年"
P.1-2(類聚三代格 巻一)には、下記のような記載あり。
「爰逮文武大寶元年。贈太政大臣正一位藤原朝臣不比等奉?撰律六巻。
令十一巻。養老二年。復同大臣不比等奉?更撰律令。各爲十巻。令行於世律令是也。」
(原文は返り点などあり。)
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
- キーワード
-
- 賦役令
- 正倉院文書
- 延喜式
- 倭名類衆抄
- 倭名類聚抄
- 大草家料理書
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 教職員
- 登録番号
- 1000084176