レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/01/31
- 登録日時
- 2011/04/01 02:03
- 更新日時
- 2011/04/01 02:03
- 管理番号
- H19-45
- 質問
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解決
「なんの掛も構ひもなき猫にまで渋口の、茶の間~」の渋口の注に『「渋」の縁で「茶の間」を引き出す』とあったが、どのような茶の間なのか知りたい。
- 回答
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現代語訳を読んでみると、「渋口」は「茶の間」にかかっている訳ではなく、響きとして「茶の間」を引き出しているだけであり、修飾的な意味は持っていないと思われる。(完訳日本の古典 第56巻 近松門左衛門集 森修, 鳥越文蔵校注・訳 小学館 1984<本学請求記号 918/Kan/56>)
昭和27年11月に歌舞伎座で上演された「大経師昔暦」の舞台で作られた茶の間が以下の資料にあった。近松門左衛門集 2巻 東京創元社 1973 P229 <本学請求記号 912.5/Mei/21>
- 回答プロセス
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1.当該文を確認する。
新編日本古典文学全集75 近松門左衛門集2 鳥越文蔵他校注・訳 小学館 1998<本学請求記号918/Shi/75 >P.533 6行目に「~猫にまで渋口の、茶の間、中の間すみずみ見回し~」とあり。渋口の(注)37を見る。P.534(注)37 『苦言。「渋」の縁で「茶」の間を引き出す』とあり。
2.辞典で「渋口」「茶の間」を確認する。
渋口 →『苦言。皮肉。悪口。(中略)※浄瑠璃・大経師昔暦(1715)上「なんのかけもかまひもなきねこに迄しぶ口の、茶の間の中間すみずみ見回し」』(後略) 日本国語大辞典6巻 日本国語大辞典第二版編集委員会,小学館国語辞典編集部編 第2版 小学館 2000-2002 <本学請求記号 R813.1/Nih/6>
→皮肉な口をきくこと。苦言。 浄・大経師「何の掛けも構ひもなき猫にまで-の」 広辞苑 新村出編 第4版 岩波書店 1991 <本学請求記号 R813.1/Shi>
→皮肉や苦言を言うこと。「何のかけもかまひもなき猫にまで、-」[近松・大経師・上] 新明解古語辞典 第3版 金田一春彦他編 三省堂 1995 <本学請求記号 R813.6/Kin>
3.OPAC検索 キーワード「大経師昔暦」 →9件ヒット 回答の図書2冊を発見
4.CiNii検索 キーワード「大経師昔暦」 →19件ヒット そのうち1件に「家」の記述あり
5.CiNiiの1件について詳細を確認。 小森啓助『大経師昔暦』における「家」(特集・日本の「家」の諸相) 社会科学 5(1)P170~195 1974 (同志社大学人文科学研究所)
CiNiiにて全文表示不可 同志社大学学術リポジトリより『社会科学』は全文公開。1974年は16号。該当論文を確認。(http://elib.doshisha.ac.jp/cgi-bin/retrieve/sr_bookview.cgi/U_CHARSET.utf-8/BD00008082/Body/007000160005.pdf)(アクセス2007.7.18) 残念ながら茶の間や間取りについての記載はなし。
6.NDL貴重書画像データベース検索 キーワード「大経師昔暦」 →「大阪錦絵」に「大経師昔暦」の画像はあるが茶の間はなし。
- 事前調査事項
- NDC
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- 戯曲 (912 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 大経師昔暦
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 教職員
- 登録番号
- 1000084177