レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20170217
- 登録日時
- 2017/03/01 19:12
- 更新日時
- 2018/04/02 12:45
- 管理番号
- 2016-118
- 質問
-
解決
『江戸幕府 代官履歴辞典』のp.336に記載がある『竹田喜左衛門政為(たけだ きざえもん まさため)』の生年・没年を含む人物情報を知りたい。
- 回答
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徳川幕府の職員録資料などに竹田喜左衛門政為について記載がありました。
没年は享保17年(西暦1732年)6月2日とする記述を見つけられましたが、生年について明記している資料は見つかりませんでした。
その他、竹田氏の経歴については『江戸幕府 代官履歴辞典』に記載されている竹田氏の赴任先ごとに郷土資料などを確認しましたところ、竹田氏の各地での業績が書かれてあるものが見つかりました。
詳しくはプロセスをご参照ください。
なお、資料によって「竹田喜左衛門政為」「竹田喜左衛門」「竹田政為」の3通りに、表記のゆれがありました。
- 回答プロセス
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1.幕府編纂の名簿資料
・『御家人分限帳』…江戸幕府が編纂した職員録のようなもの。
p.298 竹田喜左衛門の名前、干支、宝永2年時の年齢、石高の記載あり。
p.10-11の解題を参照したところ、竹田氏の生年は1655年(承応4年または明暦元年)と考えられる。
・『寛政重修諸家譜 第十三』…江戸幕府が編纂した武家系図集。
p.139 竹田氏(喜左衛門政為)の父「政仲」から始まる家系図と略歴の記載あり。
竹田氏(喜左衛門政為)の没年は享保17年6月2日
2.甲府藩時代の資料
・『徳川将軍政治権力の研究』
p.185-211「第二章 家宣・家継政権の主体的勢力-桜田館家臣団の幕臣化-」
竹田氏の前職「桜田館代官」について解説あり。
「桜田館代官」は甲府藩時代の徳川家宣の家臣だった者達を指すとわかった。
家宣が幕府将軍になった際に、彼らもまた幕臣へと昇格したという。
また、「桜田館代官」になる以前の竹田氏は上野(現群馬県)在住の浪人であったこともわかった。
3.京都赴任時の資料
・『京都市姓氏歴史人物大辞典』
p.425「竹田政為」の表記で記載あり。京都赴任時は、大和・河内・摂津・近江を治めていたことがわかった。
・『徳川幕府領の形成と展開』
p.215「表4 畿内筋代官支配国(正徳4)」に京都赴任時に支配していた大和・河内・摂津・近江の石高の掲載あり。
p.239に備中・備後赴任時の竹田氏の石高の記載あり。
・「近世大和国幕領における皆石代納制の展開過程」『高円史学』第21巻,1-28
p.4「表1 免状の皆石代納形式」の表中に竹田氏の名前あり。
・『近江日野町志 巻上』 →国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可
p.705-706「第三節 竹田喜左衛門の善政」に竹田氏の日野での在任期間中の経歴の説明あり。
p.716-722「第二節 竹田喜左衛門の引渡書」に竹田氏が水口城主加藤家に日野の領地を譲った際の書状の記載あり。
・『近江日野町志 巻中』 →国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可
p.364「第一節 大當番組合の特典」に竹田氏の日野商人の保護について記載あり。
・『江州商人』
p.54「日野大当番仲間」の項目に、幕府による日野商人の保護は特例であることと、竹田氏赴任(出張)前の元禄3年に制定された規約に基づく保護である旨が記述されている。
4.石見赴任時の資料
・『新石見銀山物語』 →国立国会図書館デジタルコレクションで閲覧可
p.102 竹田喜左衛門が凶作の際に年貢の減免をし、農民たちからの人望を集めたことが書かれてある。
・『新修島根県史 通史編1』
p.638 上記と同様の内容が記載されている。典拠としてp.644に『観聴随筆』の記載あり。
→『旧島根県史編纂資料 近世筆写編 47』典拠である『観聴随筆』が収録されている。
5.備中赴任時の資料
・『岡山県史 7巻』
「第二章 新田開発」内のp.263に享保15年に開発された笠岡湾の入江新田を検地したのが竹田氏であったと記述あり。
・『笠岡市史 第二巻』
p.175「笠岡代官所歴代々官」の表とp.616「江戸時代笠岡市域領主の推移」の表に「竹田 喜左衛門」の名前や笠岡在任期間等の基本情報が記載されている。
p.207-208「一三代 竹田喜左衛門」とp.314-315「代官竹田喜左衛門の死」に竹田氏が笠岡代官に赴任してから没するまでの功績が記載されている。
p.447-459「横島入江新田と西大島新田」に、笠岡の新田開発にあたって、竹田氏が資金集めに奔走したことが書かれてある。
6.江戸幕府の代官を調べる際に参考になる資料
・『江戸幕府の代官』
・「江戸幕府代官史料の性格」『法政史学』第38号,1-17
- 事前調査事項
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『江戸幕府 代官履歴辞典』
…p.336「竹田喜左衛門政為」の情報が以下のように記載されていた。
前職・前歴 : 桜田館代官
赴任歴 : ①山城(宝永1~享保1)
★近江日野に出張(宝永1~正徳2)
②石見(享保1~享保9)
③備中(享保9~享保17)
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 近畿地方 (216 9版)
- 中国地方 (217 9版)
- 参考資料
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深井雅海 著 , 深井, 雅海, 1948-. 徳川将軍政治権力の研究. 吉川弘文館, 1991.
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校訂: 岡田信子 [等] , 岡田, 信子. 京都御役所向大概覚書. 清文堂出版, 1973. (清文堂史料叢書 ; 第5-6刊)
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国立国会図書館デジタルコレクションにて公開
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日野町教育会 (滋賀県) , 滋賀県日野町教育会 編纂. 近江日野町志 巻中. 臨川書店, 1986.
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国立国会図書館デジタルコレクションにて公開
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国立国会図書館デジタルコレクション(参加館限定)にて公開
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国立国会図書館デジタルコレクション(参加館限定)にて公開
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- キーワード
-
- 竹田,喜左衛門,政為
- 江戸
- 徳川
- 幕府
- 代官
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土 人物
- 質問者区分
- 教員
- 登録番号
- 1000210934