レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2007/03/22
- 登録日時
- 2007/07/24 02:10
- 更新日時
- 2007/07/24 02:10
- 管理番号
- C2007M0307-5
- 質問
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解決
不動産取引価格情報の流通について、特にプライバシーの観点から論じている資料を紹介してほしい。
- 回答
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以下のとおり回答いたします(【】内は当館請求記号です)。
まず、取引価格情報の流通についてですが、『土地白書』(国立印刷局 年刊 【Z71-K667】)平成18年版の80~87ページには「取引価格等の情報の整備・提供」が記されており、土地の取引価格情報に関する国の取組みについて解説されています。『土地白書』には土地の取引価格情報の流通を含む国土政策がまとめられており、バックナンバーで過去の政策を調べることができます。
お尋ねの土地の取引価格情報の流通については、かねてから市場の透明性の確保等が課題とされており、国土交通省で取引価格情報の提供制度等が検討されてきました。その結果、国土交通省が作成する「土地情報システム」(http://www.land.mlit.go.jp/webland/top.html)が2006年4月に公開され、四半期ごとの地価情報、取引情報等をインターネット上で調べることが可能になりました。この「土地情報システム」(http://www.land.mlit.go.jp/webland/top.html)および土地取引価格情報の提供については、国土交通省土地・水資源局土地情報課による記事「土地取引価格情報の提供について」(『不動産鑑定』 43(8) (通号 527) 2006.8 【Z4-52】)等により解説されています。
不動産取引価格の公開制度について論じている資料は数多くありますが、プライバシーという観点から不動産の取引価格情報の流通を論じている主要な雑誌記事としては、次のようなものがありましたのでご紹介します。なお、図書でプライバシーの観点から不動産取引価格の公開制度に特化して論じた資料は、今回の調査の限りでは見つかりませんでした。
●「CLOSE UP 取引価格情報提供制度の今後の課題」(『リアルエステートマネジメントジャーナル』 (87) 2006.7 62~65ページ 【Z71-B572】)
土地の取引価格情報提供制度のあり方について論じた記事です。65ページの「4 取引価格情報の今後の課題」で「「不動産取引価格の開示が必ずしもプライバシーに触れるものではなく、市場の透明性や課税の公平性の視点から公開が優先する」との認識を望むものです」との記述があります。
●「土地取引価格情報提供制度の限界--任意の取引事例収集では実態を明らかにできない」(『金融財政事情』 57(25) (通号 2701) 2006.7.3 28~32ページ 【Z3-246】)
土地の取引価格情報提供制度のあり方について論じた記事です。現状の土地取引価格情報提供制度を批判的に検証しており、「アンケートによる取引事例収集などではなく、登記原因が売買の場合には不動産登記簿の甲乙欄に取引金額を公示するという真正面からの制度が創設されることを期待したい」と結論付けています。
●「特集1 「取引価格公開問題」とは何か」(『月刊不動産』 31(11) 2003.11 4~9ページ 【Z4-620】)
土地の取引価格公開制度の導入が検討されていた時期に書かれた記事です。価格公開問題の論点等が指摘されており、その中に「取引価格の公開がプライバシーの侵害になるか」が含まれています。
このほか、プライバシーという観点が含まれているわけではありませんが、取引価格情報の流通をテーマにした主要論文には次のようなものがありましたので、ご参考までに紹介します。
●「国交省レポート 不動産投資市場の針路を語る(2)不動産投資市場のトランスペアレンシー(透明性)向上策について--取引価格情報と不動産投資インデックス」(『リアルエステートマネジメントジャーナル』 (91) 2006.11 60~64ページ 【Z71-B572】)
取引価格情報および不動産投資インデックスの現状と課題について論じています。
●「国交省レポート 不動産投資市場の針路を語る(第3回)不動産投資市場のトランスペアレンシー(透明性)向上策について(2)不動産鑑定評価における透明性の確保と不動産情報流通環境の整備」(『リアルエステートマネジメントジャーナル』(92) 2006.12 50~57ページ 【Z71-B572】)
不動産鑑定評価における透明性の確保の重要性を説くとともに、不動産情報流通環境の整備に向けた現状の取組みについて解説しています。
●「小企画1 情報整備・公開の必要性とそのシステムや情報活用のあり方 (特集不動産と情報)」(『日本不動産学会誌』 19(4) (通号 75) 2006 9~45ページ 【Z4-786】)
●「小企画2 情報提供における法的課題--不完全情報下での消費者救済 (特集不動産と情報)」(『日本不動産学会誌』 19(4) (通号 75) 2006 46~96ページ 【Z4-786】)
上記2点は『日本不動産学会誌』(日本不動産学会 月刊 【Z4-786】)の19(4) (通号 75)に掲載されている特集であり、不動産情報の整備・提供に関する論文を「小企画1」で5本、「小企画2」で6本掲載しています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 人口.土地.資源 (334 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 不動産鑑定評価
- 土地価格
- 情報開示
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 専門図書館
- 登録番号
- 1000036131