レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年12月06日
- 登録日時
- 2012/01/20 14:50
- 更新日時
- 2012/01/24 09:53
- 管理番号
- 福井県図-20111206
- 質問
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解決
多くの図書館では、なぜCDやDVDのバーコードをデータベース化していないのか。
LibraroidというAndroidアプリで、CD・DVDが検索できない。製作者に聞いたところ、CDやDVDには図書のISBNのように一意に特定できるコードがないためとのことだった。しかし、amazonなどでは、バーコードの数字を入力して検索すると検索ができる。
- 回答
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当館では音楽CDを所蔵していないため、CDを所蔵している福井県内の図書館1館と国立国会図書館の資料データを検証しました。
1.JANコード(CD・DVDについているバーコードの番号)はどちらの図書館も入力していませんでした。
2.番号の項目には、レコード番号=レコード商品番号がデータとして入力されていました。
日本の図書館の多くは、日本図書館協会目録委員会が編集する『日本目録規則』に基づき資料の情報を登録しています。『日本目録規則』には、「資料の特定用に、また出版情報や全国書誌情報の検索用に、ISBN、ISSNなどの国際標準番号、もしくはその代替となる番号を記録する」と記載されています。記入例に挙げられている番号は、「発売番号」であり、JANコードは例示されていませんでした。
日本の多くの図書館は、民間会社から資料のデータ(MARCとよんでいます)を購入して使用しており、その最大手TRCでは、「発売コード」「商品コード」からの検索は可能のようで、「レコード商品番号」をさしているようです。[ http://www.trc.co.jp/library/support/tooli_8.html ]。日本の図書館の蔵書検索では、検索の迅速性を保つなどの理由から、登録されたすべての情報を検索キーとはせず、書名など資料の検索時に頻繁に使われる項目から検索できるようにしているのが現状です。
以上が現状の御報告です。
- 回答プロセス
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1.『日本目録規則』1987年版改訂版を見る。p.150第6章録音資料を見ると、標準番号または代替番号は入力することとなっている。(標準番号の説明は、p.50にあり、記述の意義として「資料の特定用に、また出版情報や全国書誌情報の検索用に、ISBN、ISSNなどの国際標準番号、もしくはその代替となる番号を記録する」とあり、質問者の意図どおり、規則上は記述されるべき事項と解釈できる。
2.質問者の言う「CD・DVDについているバーコード」というのは、JANコードのことと考えられる。
(ア)実際に当館所蔵のDVDを見たところ、ついていたのはJANコードだった。
(イ)JANコードを用いてamazonで検索ができた。
3.音楽CDを所蔵している、国立国会図書館および福井市立みどり図書館のデータを見る。両館とも所蔵している『フルート協奏曲集』ヴィヴァルディ[作曲]2004 コロムビアミュージックエンタテインメント の書誌を見る。
(ア)国会図書館では、発売番号(録音資料)という書誌項目の欄にCOCO-70725という表記がある。この番号からも検索可能。
(イ)みどり図書館では、レコード番号という書誌項目の欄にCOCO-70725 という表記があるが、この番号から検索しても該当資料なしとなる。
(ウ)日本コロムビアのサイトで「COCO-70725」を検索すると、『フルート協奏曲集』のデータがヒットする。
(エ)amazonで「COCO-70725」を検索すると、『フルート協奏曲集』のデータがヒットした。
4.日本の図書館の書誌データのトップシェアである、TRC MARCでは映像資料のデータに「発売コード/IS*N/ISBN/商品コード 」を入力しており、検索可能である。
http://www.trc.co.jp/library/support/tooli_8.html
5.JANコードは、NDLでも福井市立図書館でもデータとして登録されていない可能性が高く、またこのコードが検索項目になっていないことは確か。質問者が指摘したLibraroidの利用のみならず、今後誕生するさまざまなシステムに対応するためにも、今後JANコードは入力し、検索項目となっているべき、との意見を、提言事業を行っているCode4Lib JAPANに伝えた。
【備考】
JAN(Japanese Article Number)コードは、わが国の共通商品コード。
JANコードはバーコード(JANシンボル)として商品などに表示され、POSシステムをはじめ、受発注システム、棚卸、在庫管理システムなどに利用されており、さらに公共料金等の支払システムへの利用など利用分野の拡大がみられます。
JANコードは、国際的にはEANコード(European Article Number)と呼称され、アメリカ、カナダにおけるUPC(Universal Product Code)と互換性のある国際的な共通商品コードです。
なお、JANコードは日本国内のみの呼称で、海外ではEAN(イアン)コードと呼びます。JANコードには、標準タイプ(13桁)と短縮タイプ(8桁)の2つの種類があります。さらに、標準タイプには、最初の7桁がJAN企業コードとなっているものと、9桁がJAN企業コードとなっているものに分けられます。標準タイプ(13桁)は最近、GTIN-13、短縮タイプ(8桁)はGTIN-8と呼ばれることもあります。(財団法人流通システム開発センターのサイトより http://www.dsri.jp/jan/about_jan.htm )
レコード商品番号:レコードの商品上に記載され、商品識別のために使われるもので、アルファベット4桁の記号部分と5桁の番号部分とで構成されています。
商品番号は、表示が商品ごとに不統一であったり、重複する表示が出現することで起こる流通上の混乱を防止することを最大の目的とし、1989年に日本レコード協会規格「レコード商品番号体系」(RIS502)として定められたもので、日本レコード協会は、協会会員社を対象にこの共通表記を推奨しています。(一般社団法人日本レコード協会のサイトよりhttp://www.riaj.or.jp/all_info/faq/index.html)
- 事前調査事項
- NDC
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- 情報資源の収集・組織化・保存 (014 8版)
- 参考資料
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- 『日本目録規則』1987年版 改訂三版 2006.6 日本図書館協会目録委員会・編 日本図書館協会発行 ISBN:978-4-8204-0602-0 (当館資料コード:1015218207 請求記号:014/N2/14-4)
- キーワード
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- JANコード
- 日本目録規則
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000100394