レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2013/04/20 11:07
- 更新日時
- 2013/04/24 16:09
- 管理番号
- 130420001
- 質問
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解決
明治時代の和紙の輸出について。特に紙ナプキンについての状況を知りたい。
- 回答
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① 『オールペーパーガイド』 の 「ナプキン原紙」の項
② 『ある町工場のメイド・イン・ジャパンー佐野熊ナプキン工場の軌跡』(百万塔 106号)
③『和紙産業を陰で支える功労者たち ジャパン ペーパーカンパニーとジャパニーズ ペーパープレイス』(和紙文化研究 17号)を提示した。
解説
・紙ナプキンは明治・大正時代にはこうぞ製の美濃紙を用いた。綿製のクレープした紙はもっぱら輸出向けだった。(オールペーパーガイド)
・紙ナプキンは明治初年に欧米から来日した貿易商が日本の和紙技術に着目して製造を依頼したことに始まる・・明治18年頃から岐阜を中心に美濃典具帖紙に木版手刷りの紙ナプキンの生産が行われ、盛んに輸出されるようになった。( 佐野熊ナプキン工場の軌跡)
・文献③の著者の実家は大正期より続く和紙輸出商。この稿では日米の和紙輸出入事情について詳しく述べられている。
追記
文献②の参考文献にある『美濃紙 その歴史と展開』 内に 「テーブルナフキン紙の始まり」という稿があった。
それによれば 岐阜の「紙兵」が明治12年に紙ナフキンの製造を手掛けたのが日本で最初とある。その数年前に岐阜市で勅使河原某が貿易商の着想による要望で創りだしたが、それはほんの内職的な製造で
あったようだとのこと。その後印刷つき紙ナフキンや、典具帖ナフキンが加工され、海外輸出も積極的に行われたとある。
- 回答プロセス
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質問者は明治時代の和紙の輸出について聞いてきた。→ 特に紙ナプキンがアメリカへ輸出されたかについて知りたいとのこと
→ 詳細を訪ねると O.Henry(オー・ヘンリー)の短編小説「最後の一葉」に「日本製の紙ナプキン」という記述があり、そのことについて知りたいということであった。
- 事前調査事項
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"The last Leaf "O.Henry の中の一節にはこうある。
”Sue went into the workroom and cried a japanese napkin to a pulp."(スーは仕事部屋に入って日本製のナプキンがぐしゃぐしゃになるまで泣きました)(結城浩訳)
- NDC
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- パルプ.製紙工業 (585 9版)
- 小説.物語 (933)
- 参考資料
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- 紙業タイムス. オールペーパーガイド. 紙業タイムス, 1983. p. 79 (当館請求記号 585.033/Sh29)
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内田昌弘. ある町工場のメイド・イン・ジャパン 佐野熊ナプキン工場の軌跡. 紙の博物館, 2000. 百万塔 106号 p. 58-69
- 森木佳代子. 和紙産業を陰で支える功労者たち ジャパン ペーパー カンパニーと ジャパニーズ ペーパー カンパニー. 和紙文化研究会, 2009. 和紙文化研究 17号 p. 16-30
- 岡田浩一. テーブルナフキン紙の始まり. 同和製紙, 1983. 美濃紙 その歴史と展開 p. 490-491 (当館請求記号 585.6253//Sa95)
- 最後の一枚の葉 オー・ヘンリー作 結城浩訳 www.hyuki.com/trans/leaf.html (2013/4/20 確認)
- The last Leaf http://www.online-literature.com/donne/1303/ (2013/4/20 確認)
- キーワード
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- 紙ナプキン
- 紙ナフキン
- ナプキン
- 和紙
- 輸出
- 典具帖紙
- Henry , O (オー ヘンリー)
- The last leaf (最後の一葉)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 人物 言葉
- 質問者区分
- 学生 社会人
- 登録番号
- 1000130642