レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/10/02
- 登録日時
- 2011/04/01 02:02
- 更新日時
- 2011/04/01 02:02
- 管理番号
- H20-48
- 質問
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解決
『無名草子』に出てくる兵衛内侍(ひょうえのないし)について知りたい。(役職についてではなく人物について知りたい。)
- 回答
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「兵衛命婦」考--『源氏物語』の音楽研究にむけて / 磯水絵 二松学舎大学論集 (46) [2003] P1-21によると、『大鏡』などの注は錯綜しており、"兵衛内侍"と"兵衛命婦"を混同したものや、別の"兵衛内侍"と混ってしまったものがある。兵衛内侍がどういった人物かは諸説あるとしか言えない。
その他、日本女性人名総索引 下 日本人名情報研究会編著 日本図書センター 2002 <当館請求記号 女02/Nih/2> P581-582の兵衛内侍について記載の各事典(和歌大事典、平安人名辞典など)を見るよう案内した。
- 回答プロセス
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※以下のWeb検索についてlast access日は2008/06/23。
・JapanKnowledge(http://na.jkn21.com/)にてキーワード"兵衛内侍"で検索→"右兵衛局"がヒットするが江戸時代の別人
・Google(http://www.google.co.jp/)にてキーワード"兵衛内侍"で検索
→順徳院兵衛内侍か?出典にある「日本女性人名辞典」 芳賀登ほか監修 日本図書センタ- 1993 <当館請求記号 R281/Hag>を確認
→P543「順徳院兵衛内侍(じゅんとくいんのひょうえのないし)」あり。"生没年不詳。鎌倉前期の歌人。父は藤原定家の異父兄で、画家で歌人の藤原隆信。徒二位参議藤原忠定の妻。順徳上皇に仕え、内裏歌壇で活躍した。建保五年(一二一七)一一月四日の歌合では定家、藤原家隆、俊成卿女らとともに召され<こぎかへるたななし小舟みちもなし難波のあしの雪の下折>と詠み、人々の絶賛をうけた。それ以後、難波内侍の異名を得る。『名所百首』に一〇〇種採られ、他の歌合にも六〇首以上出詠。『新拾遺集』以下に3首入っている。(『和歌大辞典』『俊成卿女の研究』)"とあり。
・本学蔵書検索にて、キーワード"無名草子"で検索→14件ヒット
無名草子評解 富倉徳次郎著 有精堂出版 1954 <当館請求記号 914.4/Tom>
→P292"兵衛内侍 ― 上東門院に仕えた女房。系譜未詳。その歌は後拾遺・新千載に見える。また、栄華物語 花見の巻・きるはわびしき巻にもこの人のことが見える"とあり。
無名草子(新潮日本古典集成7) 桑原博史校注 新潮社 1976 <当館請求記号 918/Shi/7>
→P118"兵衛の内侍は、伝未詳。上東門院に仕えた侍女という。"
・利用者が事前調査した「大鏡」「十訓抄」を確認
十訓抄(新編日本古典文学全集51) 浅見和彦校注・訳 小学館 1997 <当館請求記号 918/Shi/51>
→P57"平安中期の歌人。源隆信の子か。彰子などに仕える。『大鏡』下、『無名草子』によれば琵琶の名手とも"とあり
大鏡(日本古典文学全集20) 橘健二校注・訳 小学館 1974 <当館請求記号 918/Nih/20>
→兵衛内侍[藤原] "兼茂女。宮仕えにして内侍となり、兵衛内侍と呼ばれた。「人知れず 待つに 寝られぬ 有明の 月にさへこそ 欺かれけれ」(後撰集・十四)"とあり
大鏡(新編日本古典文学全集34) 橘健二、加藤静子校注・訳 小学館 1996 <当館請求記号 918/Shi/34>
→P548 上記資料と同じ記述
・「大鏡」に記載されていた「後撰集」から、本学蔵書検索にてキーワード"後撰和歌集"で検索→41件
後撰和歌集全釈 木船重昭著 笠間書院 1988 <当館請求記号 911.1352/Kif>
→P1041に"兵衛・・・・琵琶の名手"として記載あり。『琵琶血脈』が出展とされている。
・本学蔵書検索にてキーワード"琵琶血脈"で検索→0件
・NDL-OPAC(http://opac.ndl.go.jp/)にてキーワード"琵琶血脈"で検索→3件ヒット→『群書類従』にあり
・本学蔵書検索にてキーワード"群書類従"で検索→36件ヒット
群書類従 塙保己一編 続群書類従完成會 1960 <当館請求記号 081/Han/19>
→19巻に「琵琶血脈」あり。P284に"兵衛命婦"の記載あり。
・本学蔵書検索にてキーワード"兵衛命婦"で検索→0件
・Webcat Plus(http://webcatplus.nii.ac.jp/)にてキーワード"兵衛命婦"で検索→0件
・CiNii(http://ci.nii.ac.jp/)にてキーワード"兵衛命婦"で検索→回答資料発見
・日本女性人名総索引 下 日本人名情報研究会編著 日本図書センター 2002 <当館請求記号 女02/Nih/2>より兵衛内侍・兵衛命婦を見る。
兵衛内侍・・・源隆俊の娘→平安人名辞典 長保二年 槙野廣造編 高科書店 1993 P556 (所蔵なし)
→平安時代史事典 古代学協会、古代学研究所編 角川書店 1994
<当館請求記号 R210.3/Kod/2> P2003
平安中期の掌侍→平安時代② P159
藤原隆信の娘→和歌大辞典 犬養廉ほか編 明治書院 1986
<当館請求記号 R911.1/Inu> P848
兵衛命婦→平安人名辞典 長保二年 P567
・日本女性人名総索引 上 より
兵衛内侍⇒京極准后→朝日日本歴史人物事典 朝日新聞社 1994 <当館請求記号 R281/Asa>
P554 他5件
⇒平棟子(後嵯峨天皇宮人)⇒類聚伝記大日本史15 女性篇 高柳光寿編集解説 雄山閣出版
1936 <当館請求記号 女24-1/Tak> P298 他7件
- 事前調査事項
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「無名草子事典」の兵衛内侍の項目に、「十訓抄」「大鏡」「木師抄」が参考文献として載っていたので確認したが、それぞれ違うところがあり、別人ではないかと判断。
- NDC
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- 評論.エッセイ.随筆 (914 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 兵衛内侍
- 無名草子
- 大鏡
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 大学院生
- 登録番号
- 1000083915