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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000045336
提供館
(Library)
国立国会図書館(National Diet Library) (1110001)管理番号
(Control number)
B2007M0797-1
事例作成日
(Creation date)
登録日時
(Registration date)
2008年06月27日 02時10分更新日時
(Last update)
2008年06月27日 02時10分
質問
(Question)
長時間の学習に最適な室温(冷房の設定温度)について書かれている資料を探しています。また、大学図書館の学習しやすい空調について検討しています。資料の利用以外に学習を目的として利用する学生にも身体が冷えすぎない温度管理について実践されている事例などが具体的に書かれている資料があれば教えてください。
回答
(Answer)
温熱環境が学習効果に与える影響と最適室温に言及した文献として、当館東京本館が所蔵している資料に以下がありました。【 】内は請求記号です。
1) 図書

・『建築・室内・人間工学』 小原二郎,内田祥哉,宇野英隆編 鹿島出版会 1969(第20刷:1997) 【NA137-H62】
 「III. かんかく・せいり-もの」-「e. 気温、湿度、気流に対する快適値」-「表A 各種作業に対する至適温度」(p.96)に‘知的作業 15.5~18.3’(単位は摂氏度)とありました。

・『建築人間工学事典』日本建築学会編 彰国社 1999 【NA137-G21】
 「温熱の整理」の項(p.146)に以下の記述があります。
‘温熱感覚を指標として快適範囲を検討したものにヤグローの有効温度(ET)がある。これは、気温、湿度、気流の3要素をもとに、着衣状態や生体の活動の違いから温熱感覚をグラフに表したものである。この有効温度を日本人に対応させた場合、夏と冬では違いがあり、その快適な範囲は、通常の着衣で軽作業時、夏でET20~24℃(湿度45~65%)、冬でET17~21℃(湿度40~60%)程度といわれる。  これに重労働などの作業が加われば、その快適範囲は低くなる。’
 上述のように、温度以外に湿度、気流、着衣状態なども作業効率に影響を与える要因であるようです。

 以下の文献は最適室温を対象にしたものではなく、温熱環境が学習効率に与える影響について書かれた資料です。

・金子隆昌ほか 「学習環境におけるプロダクティビティ向上に関する研究(その11) 温熱・空気環境の質が学習効率に及ぼす影響に関する実験室実験」 『平成18年度大会(長野)学術講演論文集. 3(9月29日) 』 空気調和・衛生工学会 2006 p.2201-2204 【NA266-H66】

・亀田健一ほか 「学習環境におけるプロダクティビティ向上に関する研究(その13) 学習意欲、学習効率に対する温熱環境の影響に関する現地実測」 『平成18年度大会(長野)学術講演論文集. 3(9月29日) 』 空気調和・衛生工学会 2006 p.2209-2212 【NA266-H66】

 上記2件は温熱環境が学習効率に影響を与えることを実証する研究です。

・植木雅典ほか 「室内環境における知的生産性評価 (その4) 温熱環境を対象とした実オフィスにおける長期間実例」 『平成18年度大会(長野)学術講演論文集. 3(9月29日) 』 空気調和・衛生工学会 2006 p.2213-2216 【NA266-H66】
 期間:平成17年7月4日-平成18年1月18日
 対象:オフィスにおけるプログラミング作業
 方法:期間中冷房温度設定を21℃~28℃として、申告(アンケート)による調査とパフォーマンス評価テスト
 結果のまとめは、
 ‘1) 熱的中立より温度が低いとき退勤時室内環境に関する不満の数が多くなる相関が見られた。特に22℃から23℃程度のときに不満が多く、「温度が低い」「気流がある」「明るい」に対する不満足者率が高い傾向が見られた。
2) 熱的中立より温度が低いとき退勤時活力度が低くなる相関が見られた。
3) 熱的中立より温度が低いとき1日あたりの平均タイプ数が少なくなる相関が見られた。回帰式から、28.6℃より温度が1℃低下すると1日あたりの平均タイプ数が6.3%低下する結果となった。また、ATMT作業において1秒あたりの反応回数が少なくなり、作業効率が低下する相関が見られた。
4) 過剰に冷房を行ったオフィスにおいて室内温度が熱的中立温度よりも低下すると知的生産性が低下する可能性が示唆された。’
注:熱的中立とは被験者による温冷感の申告値が0である温度(すなわち暑くも寒くも感じない温度)で、この実験の場合は28.6℃でした。

2) 雑誌論文

・庄子喜章ほか 「温熱環境と知的作業」 『高砂熱学工業総合研究所報』 (8) 1994 p.45-57 【Z16-1631】
 「まとめ」に
‘オフィスワーカーの作業成績に対する温熱環境の影響を調べるため、個人差、学習効果などの時系列的効果、作業直前の活動などの二次的変数を統制する方向で一連の実験を進めてきた。しかし、今回設定された室温の範囲内では、作業成績の指標としての作業意欲、作業の速さ、作業の正確さに対する室温の影響はほとんど見出せなかった。’
とあります。

・三宅晋司 「室内空気質の知的生産性に及ぼす影響」 『日本生理人類学会誌』 9(特別号) 2004.6 p.92-93 【Z19-B706】
 「考察」に
‘PMVがゼロとなる温度条件(24.5℃)と、ある程度現実性のある不快温度域(20℃と31℃)の3温度条件間の比較において知的作業(乱数発生テスト)の作業成績に有意差が認められた。’
とあります。

・岩下剛ほか 「室温の違いが作業効率に及ぼす影響 -ビデオ内容の記憶の度合いを作業パフォーマンスと捉えた研究-」 『日本建築学会環境系論文集』 585 2004.11 p.55-60 【Z74-D484】
 「まとめ」には以下のように記載されています。
‘1) 29℃の室温である条件Aでは、22℃の室温である条件Bよりも、空気の許容度、空気の新鮮度、集中のしやすさ、疲労感、覚醒感、精神的な気分、眠気に関するアンケート項目において、ネガティブ(不快)側の申告をしていた。
2) ビデオ視聴後の内容把握に関するテストにおいて、正解率の高い容易な問いについては、室温条件の違いによる正解率への有意な影響はみられなかった。
3) 数値や語句の組み合わせを問うような、難易度の中程度の問いでは、22℃の条件Bの方が29℃の条件Aよりも高い正解率が得られた。これは、室温が高いことによる覚醒の低下が、被験者のビデオ視聴時の注意力を低下させ、正解率に影響を及ぼしたものと考えられる。
4) ホーソン効果に代表される被験者の内的様相の変化が作業効率へ及ぼす効果を避けるために、本研究で用いた作業は有効と考えられる。また、学校環境における作業効率の評価にも有用と思われる。’

 なお、教室等の空気環境については「学校環境衛生の基準」として基準が定められているようです。これによると、温度の判定基準として、「最も望ましい温度は、冬期では一八~二〇℃、夏期では二五~二八℃である。」とされています。同基準は『「学校環境衛生の基準」解説 2004』(新訂日本学校薬剤師会編 薬事日報社 2004.4 【AZ-613-H111】)などに収録されているほか、文部科学省のウェブサイトでも、改訂時の通知から基準本文を見ることができます。
 
( http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/t20020205001/t20020205001.html 文部科学省:「学校環境衛生の基準」の一部改訂について(平成14年2月5日))


インターネットの最終アクセス日は、2007年6月26日です。 
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
鳥取大学附属図書館『図書館の窓』
九州大学附属図書館『よくある質問と答え』
NDC
建築設備.設備工学  (528 9版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
空気調節
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
NDC副出:525
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
大学図書館
登録番号
(Registration number)
1000045336解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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