レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年11月01日
- 登録日時
- 2016/03/29 17:43
- 更新日時
- 2016/03/29 17:49
- 管理番号
- 県立長野-15-023
- 質問
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解決
王維の漢詩「元二の安西に使いするを送る」を題材に調べ学習をすることになった。
詩の場面となっている渭城、長安、陽関の地理や気候が分かる資料を教えてほしい。
また、中国では柳に別れのイメージがあるようだがその根拠が載っている資料も知りたい。
- 回答
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この詩に出てくる地名、安西、渭城、長安、陽関(『ビジュアル漢詩 心の旅 1』山田直樹/写真世界文化社 2007年 当館請求記号【921/ヤナ/1】によると、それぞれ現在の新疆ウイグル自治区トルファン周辺、咸陽、西安、現在の敦煌から70キロ程度西の辺り)について、地理や気候を記載した資料はみつからなかった。
気象データに関しては、参考として気象庁ホームページ内の「世界の天候データツール」(ClimatView)」(http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/monitor/climatview/frame.php)を紹介。
中国での柳の別れのイメージについては、以下の資料を紹介。
【下記参考資料1】
この図書はほとんどが日本における柳の文化に関する記述だが、「送別の餞に柳枝を贈る」の項に「古代の中
国では柳の枝を折りとって、その本と末とを一つの輪にしたものを、知人の送別にあたって餞として贈るという
風習があった。それはこの輪のように一回りして、無事にもう一度帰ってくるようにと、旅の道中の平安を祈る
心を表したものである。」とある。
【参考資料2】
p123に、同様に柳の枝を曲げて輪を作り、別れを惜しむ風習について記述があり、有名な例として王維の詩を
紹介している。
【参考資料3】
p324に王維のこの詩の解説があり、「柳の発音『リュウ』と別れたくない、留めたいの留『リュウ』の語呂あ
わせである。ゆるやかな環にして結び、これをわたすこともした。環の『ホワン』と帰ってくる還『ホワン』も
語呂あわせである。旅立つことと柳は密接な関係にあった。」という記載がある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- アジア (292)
- 詩歌.韻文.詩文 (921)
- 参考資料
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- 【参考資料1】:『柳』有岡利幸/著 法政大学出版局 2013年 当館請求記号【653.7/アト】
- 【参考資料2】:『四季の花事典』麓次郎/著 八坂書房 1985年 【470/フジ】
- 【参考資料3】:『岩波漢詩紀行辞典』竹内実/編著 岩波書店 2006年 【921/タミ】
- キーワード
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- 王維
- 漢詩
- 中国-地理
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000190365