レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年06月11日
- 登録日時
- 2013/11/19 10:59
- 更新日時
- 2014/02/03 15:55
- 管理番号
- 埼熊-2013-061
- 質問
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未解決
古澤文亀(ふるさわ ぶんき)の碑文中に名のあった人物で、〈高文鳳〉という人物について知りたい。東条一堂の名と共に記されていた。
- 回答
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詳しい記述のある資料は見あたらなかったが、以下の資料に名前が見られた。
『鴎外歴史文學集 7』(森鴎外著 岩波書店 2000)
p104 作品「伊沢蘭軒(その129)」中に、〈高文鳳〉の名が見える。
「五山の詩話に高公嵩(かうこうすう)、高初暹(かうしよせん)、高凡鳥(かうぼんてう)、高俊民(かうしゆんみん)、高聖誕(かうせいたん)、高石居(かうせききよ)、高文鳳(かうぶんほう)があり…」とあり。
p375 「人名注」に「閨秀詩人。『五山堂詩話』補遺巻四に記事が見える」とあり。
『詞華集日本漢詩 2 日本詩選』(富士川英郎〔ほか〕編 汲古書院 1983)
p562「五山堂詩話」補遺巻四に、「閨秀又有篠田儀字雲鳳受業於善庵極耽経史詩筆(中略)猶未醒此外詩壇代雄者高文鳳已為女中桓文原采蘋(以下略)」とあり。
『日本漢方典籍辞典』(大修館書店 1999)
p391 「養生歌」の項、袖珍版に「自序の前に文化五(1808)年の高文鳳序がある。」との記述あり。
- 回答プロセス
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古澤文亀及び東条一堂から探索する
『熊谷ゆかりの女性先覚者たち 市内の文化財をめぐる15』(熊谷市立図書館美術・郷土係編 熊谷市立図書館 2000)
古澤文亀についての記述はあるが、碑文及び高文鳳に関する記述なし。
『東条一堂伝』(鴇田恵吉著 東条卯作 1953)
p32に駒込在住時代の一堂の弟子の名簿として「束脩名簿」を作成したと記述があるが、未所蔵。註によれば、出典は「東條一堂文藁」となっているが、未所蔵。
p277-357「東門逸材群像(1)(2)」に、著名な門下生182名の紹介があるが、高文鳳の名なし。
号名辞典・人名録で探索する
『書家画家雅号(呼称)索引 上・下』(小笠原長則編 日本地域社会研究所 2000)
下巻p693 〈文鳳〉号で「高橋」姓の人物あり。典拠は『大日本書画名家大鑑』とあり。
『日本人物情報大系 67(書画編 7) 大日本書画名家大鑑 伝記上編』(芳賀登〔ほか〕編 皓星社 2001)
p141に、〈文鳳〉こと〈高橋伊助〉の項に「近江の人、嘉永頃」とあり。
『日本人物情報大系 66(書画編 6) 近世女流書道名家史伝』(芳賀登〔ほか〕編 皓星社 2001)
p527〈高嶋文鳳〉の項あり。「江戸麹町の人、高嶋彌兵衛の女にして文鳳と號し、別に竹田と號す。(以下略)」とあり、安政4年3月没、享年66歳。
漢文関係から探索する
『漢文學者總覽』(長澤孝三編 汲古書院 2011)
p193〈高〉姓に〈文鳳〉なし。
索引を〈文鳳〉で引くと、〈高島竹雨〉の掲載あり。
p266「姓 高島、號 竹雨、名 文鳳、號 竹雨・研精堂、歿年安政4、享年66、師名竹村晦齋、林述齋、備考 江戸ノ詩人(女性)」とあり。
データベース、インターネット情報を探索する
《who plus》(日外アソシエーツ)
〈高文鳳〉で検索するが、該当なし。
《GoogleBooks》で〈高文鳳〉を検索すると、「森鴎外全集」「日本漢方典籍辞典」の情報が該当あり。(https://www.google.co.jp/#q=%E9%AB%98%E6%96%87%E9%B3%B3&tbm=bks 2013/10/22最終確認)
森鴎外から探索する
『森鴎外全集 5 筑摩全集類聚』(森鴎外著 筑摩書房 1971)
p165下段 作品「伊沢蘭軒」中に、〈高文鳳〉の名あり。文脈から菊地五山著「五山堂詩話」に書かれていたと思われる。
伊沢蘭軒は、江戸時代末期の医師、儒学者。
菊地五山は、江戸時代後期の漢詩人。「五山堂詩話」は、同時代の多くの詩人の作品を紹介・批評したもの。
『鴎外歴史文學集 7』
前掲
『日本漢方典籍辞典』を確認する
前掲
「養生歌」を確認する
『近代日本養生論・衛生論集成 別巻 近代日本健康思想の成立』(滝沢利行〔編集〕 大空社 1993)
p75-76に、多紀安元の「養生歌」についての記述があるが、高文鳳の序文については記述なし。
「五山堂詩話」から探索する
『詞華集日本漢詩 2 日本詩選』
前掲
『新日本古典文学大系 65 日本詩史』(佐竹昭広〔ほか〕編 岩波書店 1991)
p224〈林氏文鳳〉の項あり。
脚注に「1792-1857。采風集・三に「林氏。名、文鳳。号、柳州。女子。江戸人」とあり、七絶三首を収める。うち一首がこの「春晩」。のち高島氏を称した。漢学を竹村悔斎・佐藤一斎に、書を佐野東州に、茶を宇佐美黙斎に学び、終身嫁さなかった。」とあり。
〈女流文人〉から探索する
『近世女流文人伝』(会田範治、原田春乃共編 明治書院 1960)
p7-8〈高島文鳳〉の項あり。文鳳は、竹雨とも号し、東京麹町の人高島弥兵衛の娘。
『近世女流書道名家史伝 日本人物誌叢書 17』(市川青岳著 日本図書センター 1991)
p90-91 〈高嶋文鳳〉の項あり。上と同様の内容。
その他調査済み資料
『号・別名辞典 古代・中世・近世 新訂増補』(日外アソシエーツ 2003)
『号・別名辞典 近代・現代 新訂増補』(日外アソシエーツ 2003)
『国史人名大辞典 下』(東京図書出版編 東出版 1997)
『国書人名辞典 1-5』(岩波書店 1993-1999)
『中国学芸大事典』(近藤春雄著 大修館書店 1980)
『中国人名事典 古代から現代まで』(日外アソシエーツ 1993)
『中国人名辞典 上古-近世』(難波常雄〔ほか〕編 日本図書センター 1978)
『近代中国人名辞典』(山田辰雄編 霞山会 1995)
『日本人物情報大系 47 (学芸編 7) 漢学者伝記集成』(芳賀登〔ほか〕編 皓星社 2000)
『和漢詩歌作家辞典』(森忠重著 みづほ出版 1972)
『日本漢文学大事典』(近藤春雄著 明治書院 1985)
『森鴎外 歴史と文学』(明治書院 1978)
『古詩墨場必携』(明石春浦編著 雄山閣出版 1993)
- 事前調査事項
- NDC
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- 個人伝記 (289 9版)
- 作品集 (918 9版)
- 参考資料
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- 『鴎外歴史文學集 7』(森鴎外著 岩波書店 2000) , ISBN 4-00-092327-7
- 『詞華集日本漢詩 2 日本詩選』(富士川英郎〔ほか〕編 汲古書院 1983)
- 『日本漢方典籍辞典』(大修館書店 1999) , ISBN 4-469-01262-9
- キーワード
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- 高 文鳳
- 古澤 文亀(フルサワ ブンキ)
- 東条 一堂(トウジョウ イツドウ)
- 菊地 五山(キクチ ゴザン)
- 漢詩 (日本)
- 漢方医学
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 人物
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000140713