レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/07/30
- 登録日時
- 2021/09/03 00:30
- 更新日時
- 2021/09/03 00:30
- 管理番号
- 6001050631
- 質問
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解決
『大般涅槃経』に、「陸生華中婆梨師迦を最上となすごとく」と出てくる「婆梨師迦」とはどのような花か知りたい。
- 回答
-
以下の資料に、「婆梨師迦」についての解説、写真、イラストの掲載がありました。
<図書>
〇『仏典の植物事典』(満久崇麿/著 八坂書房 2013.5)
巻末の「植物漢名索引」で検索したところ、「ばりしか(ばしか)」「マツリカ」として、以下に掲載されていました。
p.59「(3)マツリカ 漢名:末利迦、婆梨師迦、那婆摩梨迦 学名:jasminum sambac(モクセイ科)
この花も仏典に最もよく引用されている香花の一つで、それだけに漢訳名も多彩である」等の記述と、花の白黒写真が掲載されています。
<WEB>
〇京都大学学術情報リポジトリ「紅」に、上記『仏典の植物事典』の著者、満久崇麿氏の論文が公表されており、WEBページより無料で閲覧が可能です。(2021/7/30現在)
満久崇麿「仏典の中の樹木:その性質と意義(2)」(『木材研究資料』7巻 京都大学木材研究所 1973) 『京都大学学術情報リポジトリ「紅」』https://core.ac.uk/download/pdf/39185689.pdfp.18-63
p.50-51に、マツリカの解説と花の白黒写真が掲載されています。
「マツリカ」でも調べてみると、以下の資料にも掲載が確認されました。
<図書>
〇『APG原色牧野植物大図鑑 2 グミ科~セリ科』([牧野富太郎/著] 北隆館 2013.3)
p.509 シソ目〔モクセイ科〕[ソケイ属]「1525.マツリカ」に、次のような解説とカラーのイラストが掲載されています。
「jasminum sambac(L.)Ait インドの原産の熱帯性常緑低木で、日本には17世紀初めに伝わり香料や観賞用に栽培。樹高1.5~3m。枝に稜と軟毛がある。葉は派生し、長さ4.5~8cmの広卵型で全緑。先はややとがる。初夏から秋に枝端に芳香のある白色花3個ほどをまばらな集散花序につける。花は(原文ママ)日干しにしたマツリカ(モリカ)は香料として著名で、マツリカ茶(ジャスミンティー)として広く愛飲されている。」
〇『世界大百科事典 27 マク-ムン』(平凡社 2007.9)
p.121「マツリカ 茉莉花 Arabian jasmine jasminum sambac アラビアからインドにかけての地域原産のモクセイ科の常緑小木。(中略)乾燥した花を中国や台湾でウーロン茶の添香に用い、またジャスミン油が採取される」などの記述があります。
[事例作成日:2021年7月30日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 経典 (183 10版)
- 植物学 (470 10版)
- 参考資料
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- 仏典の植物事典 満久/崇麿∥著 八坂書房 2013.5 (59)
- APG原色牧野植物大図鑑 2 [牧野/富太郎∥著] 北隆館 2013.3 (509)
- 世界大百科事典 27 改訂新版 平凡社 2007.9 (121)
- https://core.ac.uk/download/pdf/39185689.pdf (京都大学学術情報リポジトリ「紅」(2021/7/30現在))
- キーワード
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- 仏典(ブッテン)
- 婆梨師迦(バリシカ)
- マツリカ(マツリカ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000304174