レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021/07/30
- 登録日時
- 2021/09/03 00:30
- 更新日時
- 2021/09/03 00:30
- 管理番号
- 6001051251
- 質問
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解決
「杜父魚」という季語のよみや意味と、どの季節の季語か知りたい。
- 回答
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以下の資料によれば、「杜父魚」は「かくぶつ」「とふぎょ」「かじか」などと呼ばれる川魚で、冬の季語になる。
先頭の文字「杜」が七画であることから、まず、画数引きのできる以下の資料を調査した。
『俳句季語よみかた辞典』(日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 2015.8)
p.170に「杜父魚 かくぶつ」の項目あり。
「福井県九頭龍川に生息する鰍の一種で、産卵期の冬場が旬 (季)冬」との記述あり。
「父」の字を「夫」にして「杜夫魚 とふぎょ かくぶつ カクブツの別称」との記述が同ページにあり。こちらも同じく冬の季語である。
その他「杜父魚」について解説されている次の資料を紹介。
『日本国語大辞典 第3巻 おもふ-きかき』(小学館国語辞典編集部/編集 小学館 2001.3)
p.459「かくぶつ【杜父魚・杜夫魚】魚「かまきり(鎌切)」の異名。《季・冬》
*俳諧・をだまき(元祿四年本)〔1691〕四季之詞・一一月「杜夫魚(カクブツ) あられのふる時おる魚也」
*俳諧・続猿蓑〔1698〕冬「かくふつや腹をならべて降霰〈拙侯〉 杜夫魚(かくふつ)は河豚の大さにて水上に浮ぶ、越の川にのみあるうをなり」
*俳諧・蕪村句集〔1784〕冬「杜父魚のえものすくなき翁哉」」等の記述あり。
『季語季題よみかた辞典』(日外アソシエーツ株式会社/編集 日外アソシエーツ 1994.7)
p.177 「杜父魚 かくぶつ」、「杜夫魚 とふぎょ かくぶつ」の項目があり、
「福井県九頭龍川に産するカジカの一種で、小魚で色は暗灰色 (季)冬」等の記述あり。
『難解季語辞典』(関森 勝夫/著 東京堂出版東京堂出版 1982.2)
p.48「杜父魚 かくぶつ【冬】杜夫魚とも書く。別に霰魚という。硬骨魚目かじか科の川魚。(中略)【例句】杜父魚のえもの少なき翁哉 蕪村」等の記述あり。
『俳句歳時記 合本』(角川書店/編 KADOKAWA 2019.3)
p.884 動物(冬)「【杜父魚 かくぶつ】杜夫魚(かくぶつ) 霰魚(あられうを) 杜父魚(とふぎょ) あられがこ
カジカ科の淡水魚で、鎌切などともいう。(中略)棲息地は国の天然記念物に指定されていて、産卵のため川を下るころ霰がよく降ることから「あられがこ」ともいわれる。」等の記述あり。
『必携季語秀句用字用例辞典』(斎藤慎爾/編 柏書房 1997.9)
p.193「かくぶつ 杜父魚 杜夫魚(季)三冬・動物。鎌切かまきり・霰魚あられうお・霰がこ。(類)鰍かじか」との記述あり。
『新日本大歳時記 冬 カラー版』(飯田竜太/[ほか]監修 講談社 1999.12)
p.226「冬 動物」の項目に「杜父魚 かくぶつ」についての解説。
「(前略)福井でかくぶつ、あられがこ、高知でかまきりと呼ばれ、かまきりが標準和名。」等の記述あり。
[事例作成日:2021年7月30日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 10版)
- 参考資料
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- 俳句季語よみかた辞典 日外アソシエーツ株式会社‖編集 日外アソシエーツ 2015.8 (170)
- 日本国語大辞典 第3巻 第2版 小学館国語辞典編集部∥編集 小学館 2001.3 (459、581)
- 季語季題よみかた辞典 日外アソシエーツ株式会社∥編集 日外アソシエーツ 1994.7 (177)
- 難解季語辞典 関森/勝夫∥著 東京堂出版 1982.2 (48)
- 俳句歳時記 第5版 角川書店‖編 KADOKAWA 2019.3 (884)
- 必携季語秀句用字用例辞典 斎藤/慎爾∥編 柏書房 1997.9 (193)
- 新日本大歳時記 冬 飯田/竜太∥[ほか]監修 講談社 1999.12 (226)
- キーワード
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- 季語(キゴ)
- 杜父魚(かくぶつ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000304187