レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年07月01日
- 登録日時
- 2021/03/16 14:33
- 更新日時
- 2021/10/04 16:16
- 管理番号
- 埼久-2020-081
- 質問
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解決
太宰治の作品『女賊』に流れている仏教観について書かれた論文を見たい。
- 回答
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以下の資料と情報を紹介した。
渡辺義雄著「「女賊」の位相」(『太宰治研究 11号(2003年6月)』p61-73 和泉書院 2003.6)
p63「原話は(中略)煩悩即菩提、迷妄即救済であり、三人は改心することによって救済された。だが、創作では「父子二代の積悪はたして如来の許し給ふや否や。」と懐疑的な結末に改められている。」とあり。
『太宰治 制度・自由・悲劇』(浦田義和著 法政大学出版局 1986)
p174-175「『女賊』」の節に、「「西鶴」の姉妹の対立は、どちらも欲心ということで、どうやら仏教の範囲を出ていないが、太宰において、性格の相違という近代性は、仏教からはみ出している。」とあり。
《J-STAGE》(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/ 科学技術振興機構)
安田義明著「太宰治『新釈諸国噺』論 : 〈わたくしのさいかく〉への変容を視点に」(『國學院短期大学紀要 25』p107-164 國學院短期大学 2008.7 https://www.jstage.jst.go.jp/article/kokutanb/25/0/25_KJ00005217563/_article/-char/ja)
p131-132「西鶴の方は、典拠と言われる『宝物』集や『今昔物語集』の仏教説話の影響が確かに顕著である。西鶴作品の筋立てをそのまま使うという方法を崩さない太宰も、これには同意できなかったものらしい。」とあり。
- 回答プロセス
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1 参考図書を調べる。
『太宰治 (人物書誌大系7)』(山内祥史編 日外アソシエーツ 紀伊国屋書店 1983)
P47『新釈諸国噺』の項に「女賊」収載とあり。
2 自館目録を〈フルテキスト:新釈諸国噺〉で検索する。
3 太宰治研究関係の資料を調べる。
4 《CiNii Articles》(http://ci.nii.ac.jp/ 国立情報学研究所)を〈太宰 & 新釈諸国噺〉で検索する。
渡辺義雄著「「女賊」の位相」(『太宰治研究 11号(2003年6月)』p61-73 和泉書院 2003.6)
p63「この意外な展開について、佐古純一郎氏は「『新釈諸国噺』をめぐって」(『国文学解釈と鑑賞』昭和四二年二月)で、「走れ、メロス」と同じく「太宰文学の本質をあらわす人間への信頼」が根底に流れている、と説いている。
5 4の資料『国文学解釈と鑑賞』を確認する。
6 《J-STAGE》(https://www.jstage.jst.go.jp/browse/-char/ja/ 科学技術振興機構)を〈女賊〉〈新釈諸国噺〉で検索する。
7 《Web OYA-bunko》(大宅壮一文庫)を〈女賊〉〈新釈諸国噺〉で検索する。
8 《国会図書館オンライン》(https://ndlonline.ndl.go.jp/ 国会図書館)を〈新釈諸国噺〉で検索する。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2020年6月30日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本文学 (910 9版)
- 参考資料
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- 『太宰治 制度・自由・悲劇』(浦田義和著 法政大学出版局 1986) , ISBN 4-588-45012-3
- 『太宰治研究 11号(2003年6月)』(和泉書院 2003.6)
- キーワード
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- 太宰 治(ダザイ オサム)
- 日本文学ー研究
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 文学
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000295277