レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年07月24日
- 登録日時
- 2014/10/31 16:34
- 更新日時
- 2015/01/14 18:16
- 管理番号
- 埼久-2014-080
- 質問
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解決
「成らぬ堪忍するが堪忍」の意味と出典を知りたい。
- 回答
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『新編故事ことわざ辞典』(鈴木棠三編 創拓社 1992)他を紹介した。
- 回答プロセス
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『新編故事ことわざ辞典』
p1020「もう堪忍できないというところを、じっとこらえるのが、本当の堪忍というものである。」とある。「出典」は「忍所不能忍、容所不能容 (読書録)」との記述があるが、巻末「文献資料一覧」に「読書録」の記載がない。
『成語大辞苑』(主婦と生活社 1995)
p873 意味はあるが出典はなし。日本の慣用句として扱われている。
『故事俗信ことわざ大辞典』(佐竹秀雄編 小学館 2012)
p1017 意味あり。出典は「譬喩尽」(1786)「やしないぐさ」(1784-89)など用例文、掲載書が複数記載されている。また「七七の音で口調が良く道歌として伝わる。」と「補説」がある。
『たとへづくし 譬喩尽』(松葉軒東井〔編〕、宗政五十緒〔校訂〕 同朋舎出版 1979)
p170「堪忍を仕るが堪忍が堪忍で不成(ならぬ)堪忍するが堪忍」の記載がある。
《CiNii Books》(http://ci.nii.ac.jp/books/ 国立情報学研究所 2013/07/24)によると「読書録」は薛■(セツセイ 1389-1464)の著である。
自館目録を《読書録》で検索する。
『中国古典新書続編 21 読書録』(細谷恵志著 明徳出版社 1995)
p20-35 「(解説)一、薛■[セイ]の生涯」に「明の洪武二十二年(一三八九)薛■[セイ]は北平真定元氏県に生れた。」「天順八年(一四六四)卒した。享年七十六歳であった。」との記述がある。
p229 「(本文)二五三 忍ぶ能はざるところを忍び、容るる能はざるところを容るる。ただ識量人に過ぐる者これを能くす。」との記述がある。
検索に該当した出典の中で「読書録」の年代がもっとも古く、原典と思われる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 辞典 (813 9版)
- 参考資料
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- 『新編故事ことわざ辞典』(鈴木棠三編 創拓社 1992) , ISBN 4-87138-144-7
- 『成語大辞苑』(主婦と生活社 1995) , ISBN 4-391-11756-8
- 『故事俗信ことわざ大辞典』(佐竹秀雄編 小学館 2012) , ISBN 978-4-09-501102-8
- 『たとへづくし 譬喩尽』(松葉軒東井〔編〕、宗政五十緒〔校訂〕 同朋舎出版 1979)
- キーワード
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- 故事熟語
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000161642