レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年07月14日
- 登録日時
- 2011/09/20 13:14
- 更新日時
- 2011/12/08 18:28
- 管理番号
- 埼熊-2011-074
- 質問
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解決
「顎を煽る」というのはどういう意味か?
『県庁おもてなし課』(有川浩 角川書店 2011)p387に出てくる。
- 回答
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「顎を煽る」の意味について記述のある資料は見つからなかった。
株式会社角川グループパブリッシングへ、「顎を煽る」の表現について問い合わせたところ、「雰囲気を重視した、著者独特の表現」との回答を得た。
- 回答プロセス
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国語辞典の調査
『日本国語大辞典 2版』(小学館 2000)
〈煽る〉の項、「顎を煽る」という用例はなし。③「ものごとを激しい勢いで動かす。ものごとに勢いをつける」とあり。
(参考)〈顎〉の項、慣用表現の中で「あご・で(=を)しゃくる」の意味が近いように思われる。
「相手を見下した態度で、または親愛の気持で、人や物事を指し示す。」
(参考)〈しゃくる〉の項、④「顎を下からすくうようにして動かす」
身振り語(ジェスチャー)に関する資料の調査(いずれも該当の記述はなし)
『記号の事典』(江川清〔ほか〕編 三省堂 1985)
p11-12「身振り・表情」の表の中に「顎を煽る」はなし。 「あご突出し:敢然と立向かう」「あごなで:得意」はある。
『しぐさの英語表現辞典』(小林祐子編著 研究社 1991)
索引のchin(あご)から該当ページを見るが、「顎を煽る」は見つからず。
『フランス人の身ぶり辞典』(大木充共著 ジャン=クロード・ロシニュ共著 ファビエンヌ・グーリー・イラスト くろしお出版 1985)
p16〈あっち〉の項が、質問の動作に近いように思われる。
「動作:位置、方向をあごを上げて(lever le menton)示す。
軍隊のハンドサイン(手信号)に関する資料
(著者が「図書館戦争」など軍隊ものを多数著わしていることから)
NDC分類〈39〉(軍事)の公開・書庫の棚を調査したが、該当する資料なし。
その他下記を含む参考資料なども確認するが該当記述のある資料はなし。
『帝国陸海軍事典 改訂版』(大浜徹也編 小沢郁郎編 同成社 1995)
『日本陸海軍総合事典 第2版』(秦郁彦編 東京大学出版会 2005)
『ミリダス 軍事・世界情勢キーワード事典』(大波篤司著 新紀元社編集部編 新紀元社 2001)
県内市町村立図書館で所蔵する、手信号の記述のある資料
「コンバット・バイブル」クリス・マクナブ著 ウィル・ファウラー著 原書房 2003)
p262 通信プロトコルの一つとして「手信号」の記述あるが、具体的な動作について記述なし。
「最新*コンバット・バイブル」(クリス・マクナブ著 マーティン・J.ドハティ著 原書房 2008)
p61-62 イギリス陸軍の分隊もしくは小隊レベルの作戦では40種類の手信号を使用する。6種類の例を挙げている。顎に関係したものはなし。
株式会社角川グループパブリッシングへ「顎を煽る」表現について問い合わせ。
「雰囲気を重視した、著者独特の表現」「著者のイメージを一番的確に、雰囲気に重きをおいた表現」との回答を得る。
その他、調査済み資料
『ボディ・コード からだの表情』(ウォレン・ラム著 エリザベス・ウォトソン著 紀伊国屋書店 1981)
『ボディ・メッセージ 態度で示そう!』(鴨下一郎著 同文書院 1992)
『しぐさの社会心理学』(P.ブル著 北大路書房 1986)
『からだであらわすことばの本(ボディ・ランゲージ 1-3)』(佐川嘉博作 井崎哲也監修 あすなろ書房 2000)
『ボディー・ランゲージ』(ジュリアス・ファスト著 読売新聞社 1971)
『しぐさの人間学』(野村雅一著 河出書房新社 2004)
『からだことば』(立川昭二著 早川書房 2000)
『からだことば辞典』(東郷吉男編 東京堂出版 2003)
『日本語の慣用表現辞典』(森田良行著 東京堂出版 2010)
- 事前調査事項
- NDC
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- 言語学 (801 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 身振語
- 照会先
- 寄与者
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- 株式会社角川グループパブリッシング
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000091152