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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

提供館
(Library)
国立国会図書館(National Diet Library) (1110001)管理番号
(Control number)
B2007FK0088-2
事例作成日
(Creation date)
登録日時
(Registration date)
2008年08月21日 02時10分更新日時
(Last update)
2008年08月21日 09時44分
質問
(Question)
第二次大戦中の日本において、日本からドイツに運搬されたタリウムとベリリウムは何の目的に使用したのでしょうか。核実験に使用されたのでしょうか。当時は仁科芳雄博士などの注文によって、潜水艦で酸化ウランなどを運搬していたようです。
回答
(Answer)
ベリリウムについては、中性子発生源として原子核実験に用いられたようです。タリウムについては、記載された資料を確認できませんでした。詳細は以下をご覧ください。
<ベリリウムについて>
 以下の資料群に対して調査しました。
・当館NDL-OPAC( http://opac.ndl.go.jp/index.html )にて、件名「原子力」と「歴史」でAND検索して得られた11件の和図書
・当館NDL-OPAC( http://opac.ndl.go.jp/index.html )の雑誌記事索引で、論題に「原子力」と「歴史」を含むものを検索して得られた87件の雑誌記事・論文から日本における黎明期の原子力研究について記載されていると思われる資料
その結果、以下のような記述がありました(【 】内は当館請求記号です)。
(1)『原子力の社会史:その日本的展開』(吉岡斉著 朝日新聞社 1999.4 325,10p 【DL213-G28】)
 「第2章 戦時研究から禁止・休眠の時代(一九三九~五三)」(p.39~62)のp.42に以下の記述がありました。
“予算の多くは大型サイクロトロンを用いた中性子ビーム照射実験などの基礎研究に投入されたものとみられる(サイクロトロンは陽子ないし重陽子を電気的に加速する装置であるが、陽子ないし重陽子ビームを、ベリリウムなどに照射することにより、中性子ビームを発生させることができる)。”
(2) 今村昌:「アメリカ軍による理化学研究所のサイクロトロンの破壊と関連したいくつかの事実 (特集 放射線・原子力の歴史的点描)」(『放射線教育 Radiation education』 9(1) [2005] p.23~30 【Z74-E312】)
 「3. サイクロトロンを用いた仁科の研究―核分裂と本邦最初の放射線生物学」(p.24~25)のp.24に以下の記述がありました。
“電荷をもたない中性子は容易に原子核のなかに入り込めるので、原子核変換を容易に起こすことができる。仁科はこの中性子をサイクロトロンで加速した重水素原子核(2H)をベリリウム金属にぶつけることによってつくった。4)”
 また、(2)の該当部分の参照文献4) にあたる資料の記述は以下のとおりでした。
(3) 「Nishina Laboratory 」
(『Scientific Papers of the Institute of Physical and Chemical Research』 34 [1938] p.1842~9 【Z53-A77】)
 「4. Biology」(p.1849)に以下の記述がありました。
“The first work carried out with our cyclotron was on biological effects on neutrons.
Experiments were made on historical changes in the organs of a mouse irradiated with radiations produced
by deuteron bombardment of beryllium.”
 重陽子を照射して中性子を発生させ生物学の実験に用いていたようです。なお、この文献のp.1848に、アンチモン、トリウムなどの原子核に中性子を照射して得られる同位体について研究を行った旨の記述があるので、原子核の実験にも用いられたと考えられます。
<タリウムについて>
 (3)の資料も含め、ベリリウムで調査対象とした資料を確認しましたが、日本の戦時下において、タリウムを用いた実験を行ったとする記述は見当たりませんでした。仁科芳雄博士が実験に用いた可能性を考慮し、仁科芳雄博士に関する以下の資料も確認しましたが、タリウムを用いた実験に関する記述は見当たりませんでした。
(4) 『原子力と私』(仁科芳雄著 学風書院 1950 233p 【420.49-N819g】)
(5) 『仁科芳雄 : 日本の原子科学の曙』(玉木英彦,江沢洋編 みすず書房 2005.10 328p 【GK97-H29】)
(6) 『コペンハーゲン時代と理化学研究所・初期:1919-1935』(仁科芳雄[著]  中根良平,仁科雄一郎,仁科浩二郎,矢崎裕二,江沢洋編 みすず書房 2006.12 410p 仁科芳雄往復書簡集:現代物理学の開拓;1 【GK97-H37】)
(7) 『宇宙線・小サイクロトロン・中間子:1936-1939』(仁科芳雄[著]  中根良平,仁科雄一郎,仁科浩二郎,矢崎裕二,江沢洋編 みすず書房 2006.12  p413-878 仁科芳雄往復書簡集:現代物理学の開拓;2 【GK97-H38】)
(8) 『大サイクロトロン・ニ号研究・戦後の再出発:1940-1951』(仁科芳雄[著]  中根良平,仁科雄一郎,仁科浩二郎,矢崎裕二,江沢洋編 みすず書房 2007.2 p881-1465,175p 仁科芳雄往復書簡集:現代物理学の開拓;3 【GK97-H42】)
 NDL-OPACの最終検索日は、2007年10月1日です。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
原子物理学  (429 9版)
参考資料
(Reference materials)
キーワード
(Keywords)
原子力
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000046758解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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