レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019/08/04
- 登録日時
- 2019/11/18 00:30
- 更新日時
- 2019/11/18 00:30
- 管理番号
- 6001039809
- 質問
-
解決
日本戦没学生の手記「きけわだつみのこえ」に収められている「木村久夫」の遺書について、『新潮』に記事があると聞いた。それを読みたい。
また、木村久夫の生涯や死刑となったいきさつなども知りたいので、関連の資料を教えて欲しい。
- 回答
-
●『新潮』の記事
次の資料に掲載されていました。
・塩尻公明「或る遺書について」『新潮』45(6)(新潮社 1948.6)p.15-29
木村久夫の旧制高知高校における恩師の一人であった塩尻公明による、「木村久夫」の遺書についての紹介と解説の記事です。この遺書は、木村の愛読書である田辺元『哲学通論』(哲学全書)の余白に書かれたものということです。図書としても刊行されています。
・『或る遺書について』(塩尻公明/著 新潮社 1948)
●木村久夫の生涯について
・『真実の「わだつみ」:学徒兵木村久夫の二通の遺書』(加古陽治/編・著 東京新聞 2014.8)
2014年の東京新聞の調査によると、木村久夫の遺書は、上記『哲学通論』の余白に書かれたものと父親宛に書かれたものの二通があったとのことです。
「お読みいただくにあたって」に「『わだつみ』に掲載されている木村の遺書は、二つの遺書を合体させた上で、順番の入れ替えや削除、加筆等をしたものだったのです。」「今回見つかった父親宛の遺書と、『哲学通論』の余白に書かれた遺書のそれぞれの全文、『哲学通論』から削除された箇所の抜粋などを掲載しています。<中略>木村の人生や木村が死刑となるに至ったインド洋カーニコバル島での事件のこと、遺書が編集された背景などを紹介、分析」しているとの説明があります。
東京新聞の上記調査に関する記事です。
・「わだつみ」悲劇の学徒兵 木村久夫 無実訴え「戦犯」処刑(東京新聞/TOKYO Web 2014年4月29日)(2019/8/4現在)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/culture_news/CK2014042902000214.html
・「わだつみ」に別の遺書 恩師編集、今の形に(東京新聞/TOKYO Web 2014年4月29日)(2019/8/4現在)
https://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/culture_news/CK2014043002100010.html
塩尻公明研究の著者による以下の資料も紹介しておきます。
・『きけわだつみのこえ:木村久夫遺稿の真実 (北東アジア研究叢書)』(中谷彪/著 桜美林大学北東アジア総合研究所 2015.2)
本書にも木村久夫の生涯や遺書が編集された経緯などについて詳述されています。
上記『真実の「わだつみ」:学徒兵木村久夫の二通の遺書』では、編集の際、改編にかかわったのは塩尻とする説をとっていますが、本書では久夫の父が、遺書の改編にかかわったとの説をとっています。
p240-246に「塩尻公明・木村久夫・木村久との関係略年譜」があります。
[事例作成日:2019年8月4日]
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 個人伝記 (289 10版)
- 参考資料
-
- 新潮 新潮社 45(1,3-6,8-12)<513,515-518,520-524> (45(6):15-29)
- 或る遺書について 塩尻公明著 新潮社 1948
- 真実の「わだつみ」 加古/陽治‖編・著 東京新聞 2014.8
- きけわだつみのこえ 中谷/彪‖著 桜美林大学北東アジア総合研究所 2015.2 (240-246)
- https://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/culture_news/CK2014042902000214.html (「わだつみ」悲劇の学徒兵 木村久夫 無実訴え「戦犯」処刑(東京新聞/TOKYO Web 2014年4月29日)(2019/8/2現在))
- https://www.tokyo-np.co.jp/article/culture/culture_news/CK2014043002100010.html (「わだつみ」に別の遺書 恩師編集、今の形に(東京新聞/TOKYO Web 2014年4月29日)(2019/8/2現在))
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 大阪,人物・団体
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000265394