レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/05/17
- 登録日時
- 2011/08/03 02:00
- 更新日時
- 2011/09/27 19:17
- 管理番号
- 埼熊-2011-052
- 質問
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解決
心理学研究における「補助仮説」についての説明資料がほしい。
「心理学研究法」(高野陽太郎他編 有斐閣アルマ 2004)
p34-35によると、補助仮説とは、「心理学研究において、研究の結果から仮設の当否について判断を下すときに必要となる前提」のことである。
- 回答
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『講座社会言語科学 6 方法』(ひつじ書房 2006)
岡隆著「仮説検証的研究 言語的集団間バイアスを実際例として」の中に、以下の記述があり紹介する。
p76-79「3.補助仮説」「3.1.諸事象の代表としての概念」「3.2.仮説的構成概念」の節に、「ある概念がどの具体的事象によって適切に表されるのかという問題であり、その対応づけ自体が1つの仮説を構成することになる.この仮説は、補助仮説ないしは補助仮定と呼ばれ・・・」との記述あり。
p83-84に「5.1.補助仮説-Maass et al(1989)の研究」として、実際例の紹介あり。
- 回答プロセス
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事典類で〈仮説〉を調べる。
『世界大百科事典 2005年改訂版 5(カウ-カヘチ)』(平凡社 2005)
p329〈仮説〉の項「事象や法則を説明するためには、当の仮説以外に、幾つかのそれとは別の仮説が補助的に用いられねばならない。そのような仮説は〈補助仮説〉といわれる。」とあり。他にアド・ホック(ad hoc)な仮説の説明あり。
心理学研究法から調査する。
『臨床心理学研究の技法 シリーズ・心理学の技法』(下山晴彦編著 福村出版 2000)
p91「図4-1 事例研究によるモデル構成の過程」があるが、〈補助仮説〉はなし。
『臨床心理学研究の理論と実際 スチューデント・アパシー研究を例として』(下山晴彦著 東京大学出版会 1997)
仮説の生成について詳しい記述があるが、〈補助仮説〉はない。
『心理学マニュアル要因計画法』(後藤宗理編著 大野木裕明編著 北大路書房 2000)
研究仮説の設定など詳しい記述があるが、〈補助仮説〉はない。
《Google》を〈補助仮説 & 心理学研究〉で検索する。
《学級で研究しようとする人のための心理学研究法入門 :研究デザインの視点とデータ収集上の注意》
(http://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/44505/1/naka-164.pdf 2011/06/24最終確認)
「概念的な変数と具体的手続きの対応づけが明確に述べられたものを、補助仮説という。」とあり。
《Wikipedia》
〈反証可能性〉の項に、「検証することが目的であるところの仮説を主要仮説と呼び、その前提や条件となる諸命題を補助仮説と呼ぶ。」とあり。
〈アドホックな仮説〉の項に、「反証を否定するためにその理論に後から付け加えられる補助仮説のこと」とあり。
その他調査済み資料
『岩波 心理学小辞典』(宮城音弥編 岩波書店 1979)
『実例心理学事典』(フランク・J.ブルノー著 安田一郎訳 青土社 1996)
『心理学辞典 多項目』(金子隆芳〔ほか〕編著 教育出版 1991)
『心理技術事典』(伊藤祐時〔ほか〕編 朝倉書店 1977)
『心理学事典』(平凡社 1981)
『心理学辞典』(ミネルヴァ書房 1971)
『心理学辞典』(外林大作〔ほか〕編 誠信書房 1971)
『心理学辞典』(中島義明〔ほか〕編集 有斐閣 1999)
『誠信心理学辞典』(外林大作〔ほか〕編 誠信書房 1981)
『心理学辞典』(Andrew M.Colman〔著〕 岡ノ谷一夫〔ほか〕編 丸善 2004)
『心理学総合事典』(佐藤達哉〔ほか〕編 海保博之監修 朝倉書店 2006)
『アイゼンク教授の心理学ハンドブック』(マイケル W.アイゼンク著 白樫三四郎監訳 ナカニシヤ出版 2008)
『心理学研究法』(北村晴朗〔ほか〕編 誠信書房 1971)
『心理学研究法入門 不安研究を実例として』(デーヴィッド・S.ダスティン著 大村政男〔ほか〕共訳 東京教学社 1976)
『心理学研究法 1 方法論』(東京大学出版会 1975)
『心理学の研究法入門』(辰野千寿〔ほか〕編 日本文化科学社 1980)
『認知心理学キーワード』(森敏昭編 中條和光編 有斐閣 2005)
『認知研究の技法 シリーズ・心理学の技法』(海保博之編著 加藤隆編著 福村出版 1999)
『新・心理学の基礎知識』(中島義明編 繁桝算男編 有斐閣 2005)
『シリーズ心理学のなかの論争 1 認知心理学における論争』(丸野俊一編著 ナカニシヤ出版 1998)
『発想のための論理思考術』(野内良三著 日本放送出版協会 2010)
『アブダクション 仮説と発見の論理』(米盛裕二著 勁草書房 2007)
『「集団主義」という錯覚 日本人論の思い違いとその由来』(高野陽太郎著 新曜社 2008)
- 事前調査事項
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「心理学研究法」(高野陽太郎他編 有斐閣アルマ 2004)
- NDC
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- 心理学 (140 9版)
- 参考資料
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- 『講座*社会言語科学 6 方法』(ひつじ書房 2006)
- キーワード
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- 心理学-研究・指導
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000089481