レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2016/07/01
- 登録日時
- 2017/12/28 00:30
- 更新日時
- 2017/12/28 11:57
- 管理番号
- 所沢吾妻-2017-009
- 質問
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解決
丁子色(ちょうじいろ)とはどのような色なのか知りたい。
- 回答
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丁子色は、明るく渋い橙のような色で、香木の一種である丁子の蕾などで染めた色のことをいいます。
(参考:〇『定本和の色事典』 内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008年)
下記の資料にも記載があります。
〇『和の色手帖』 石田純子/著 グラフィック社 2004年
〇『色の名前事典』 福田邦夫/著 主婦の友社 2001年
〇『色の手帖』 永田泰弘/監修 小学館 2002年
〇『色の名前507』 福田邦夫/著 主婦の友社 2006年
〇『配色バイブル和テイスト』 早坂優子/著 視覚デザイン研究所 2005年
〇『日本史色彩事典』 丸山伸彦/編 吉川弘文館 2012年
〇『草木染染料植物図鑑 [正]』 山崎青樹/著 美術出版社 1985年
〇『日本色彩文化史』 前田千寸/著 岩波書店 1983年
- 回答プロセス
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1、所蔵資料の内容確認
〇『定本和の色事典』 内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008年
P92 「丁子色」の項目に、
「明るく渋い橙。丁子の染汁と鉄、灰汁の媒染を使うと濃いめの丁子色、媒染を使わないと薄い色みとなり、それを香色という。丁子は天然の香木のこと。蕾を乾燥させたものを丁香といい香料や染料として使われてきた。」と記載あり。
また、丁子色の色見本と乾燥させた丁子の蕾(丁香)の写真あり。
〇『和の色手帖』 石田純子/著 グラフィック社 2004年
P64 「香色・丁子色」の項目に、
「香木の一種、丁子で染めた柔らかい黄赤のこと」と記載あり。色見本あり。
〇『色の名前事典』 福田邦夫/著 主婦の友社 2001年
P122 「ちょうじいろ(丁字色)」の項目に、
「丁字のつぼみを煎じた汁で糸や布を染めると、香色となるのだが、それに鉄分や灰汁を加えて染める染色を丁字染といい、その色を丁字色といった」と記載あり。
丁子色の色見本と説明あり。
〇『色の手帖』 永田泰弘/監修 小学館 2002年
P60 「丁子色・丁字色」の項目に、
「チョウジ(丁子)の樹皮などの煮汁で染めた色。くすんだ赤みの黄」と記載あり。
色見本と、丁子色という言葉が出てくる古典の文献例の記載あり。
〇『色の名前507』 福田邦夫/著 主婦の友社 2006年
P87 「ちょうじいろ(丁字色)」の項目に、
「丁字のつぼみを煎じた汁で糸や布を染めると、香色となるのだが、それに鉄分や灰汁を加えて染める染色を丁字染といい、その色を丁字色といった」と記載あり。
丁子色の色見本あり。
〇『配色バイブル和テイスト』 早坂優子/著 視覚デザイン研究所 2005年
P125 「丁字色」の項目に、
「香木の丁字の蕾で染めた色。香色(こういろ)ともいう」とある。
丁子色の色見本あり。
△『色のふしぎ百科』 1 末永蒼生/編著 樹立社 2002年
P29 「自然の草木で色を染める」にチョウジのつぼみの写真が載っているが、丁子色についての説明と色見本なし。
△『和の色のものがたり』 早坂優子/著 視覚デザイン研究所 2014年
P23 「平安時代 雅な美意識を成熟させた貴族の時代」に、丁子色の色見本あり。丁子色についての説明はなし。
2、本館参考室による追加資料
〇『日本史色彩事典』 丸山伸彦/編 吉川弘文館 2012年
P106~107 「丁子色」の項目に、
「やや黒味のある黄茶色。丁子の花蕾で染めた色をいい、平安時代には出現して装束の色名としても使用されている。」と記載あり。
巻頭のカラーページに、丁子色の色見本あり。
〇『草木染染料植物図鑑 [正]』 山崎青樹/著 美術出版社 1985年
P154~155
丁子の学名・英名・別名・生薬名と植生の解説、染色や香として用いられることについて記載あり。
丁子の蕾のカラー写真と、丁子色の色見本あり。
〇『日本色彩文化史』 前田千寸/著 岩波書店 1983年
P263 「香染」の項目に、
「『丁子を濃く煎じたる汁にて染めたるものなり。香染ともいふなり。(源氏男女装束抄)』といい、西宮左大臣源高明が創案した色であると伝えられている。薫物(たきもの)の流行した時代の貴族の驕奢心(きょうしゃしん)から、薫物の原料なる香料で衣を染めるという一種の創案で、色相は黄褐色である。」と記載あり。
P264 「丁子染め」の項目に、色の解説あり。
P463~464 丁子の植生と染色法など記載あり。
巻頭の「復元染布」の38に、「香染」の色見本(布)あり。
△『色の百科事典』 日本色彩研究所/編 丸善 2005年
P488~489 「香色」の項目に、
「代表的な香草に丁子があり、これで染めた色が香染めの代表的な色とされている。」と記載あり。色見本はなし。
△『きもの用語大辞典』 装道きもの学院/編 主婦と生活社 1979年
P343 「丁子色」の項目に、
「鈍い黄赤。丁子は古来、香料としても珍重されてきた。」と記載あり。色見本はなし。
3、記載のなかった資料
×『色の大研究』 PHP研究所/編 PHP研究所 2007年
×『色の教科書』 桜井輝子/監修 学研パブリッシング 2015年
×『日本の色を知る』 吉岡幸雄/[著] KADOKAWA 2016年
×『世界で一番美しい色彩図鑑』 ジョアン・エクスタット/著 創元社 2015年
- 事前調査事項
- NDC
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- デザイン.装飾美術 (757 9版)
- 染織工芸 (753 9版)
- 参考資料
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- 定本和の色事典 内田広由紀/著 視覚デザイン研究所 2008.7 757.3 978-4-88108-203-4
- 和の色手帖 石田純子/著 グラフィック社 2004.12 757.3 4-7661-1552-X
- 色の名前事典 福田邦夫/著 主婦の友社 2001.5 757.3 4-07-230958-3
- 色の手帖 永田泰弘/監修 小学館 2002.5 757.3 4-09-504002-5
- 色の名前507 福田邦夫/著 主婦の友社 2006.7 757.3 4-07-248540-3
- 配色バイブル和テイスト 早坂優子/著 視覚デザイン研究所 2005.10 757.3 4-88108-187-X
- 日本史色彩事典 丸山伸彦/編 吉川弘文館 2012.5 757.3 978-4-642-01467-0
- 草木染染料植物図鑑 [正] 山崎青樹/著 美術出版社 1985.10 753.8 4-568-30038-X
- B10353194 日本色彩文化史 前田千寸/著 岩波書店 1983.10 757.3
- キーワード
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- 丁子色
- 丁子
- 色
- カラー
- 色彩
- 香色
- 丁字色
- 香木
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000227803