レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2014/02/07
- 登録日時
- 2015/03/25 00:30
- 更新日時
- 2015/05/17 10:05
- 管理番号
- 6000018144
- 質問
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解決
江戸時代の刑罰や犯罪捜査について知りたい。
特に島流しはどのような刑罰でどこに流されるのかと、岡っぴきの地位や役割についてわかるとなおよい。
- 回答
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島流し等の刑罰については、下記の資料をご案内した。
『ビジュアル・ワイド江戸時代館』(小学館)に主な犯罪と刑罰の一覧表がある。島流し(遠島)については、博打の主犯・寺持僧の女犯・過失殺人等が対象とある。
どの島に流されるかについては『江戸の刑罰』(吉川弘文館)『江戸町奉行』(学研)に、どの島にとは言い渡されない、いずれかの島であると記載されている。
『日本刑罰史年表』(雄山閣出版)所収の「刑罰用語小事典」に、「佐渡送り」「八丈送り」の項目があり、その中で「御定書百箇条」(公事方御定書)につぎのような規定があると言及されていた。「江戸より流罪之者は大島、八丈島、三宅島、新島、御蔵島、右七島之内江遣す。京、大坂、西国、中国より流罪分は、薩摩、五島之島々、隠岐国、壱岐国、天草郡江遣す」(佐渡は含まない)。さらに江戸では、どの島に流されるかの決定(島割り)が船出の前夜に行われる旨の記述があり、近畿の天領では「その年の島順により配船された」とある。
遠島については近代デジタルライブラリーに収録されている「御定書百ヶ条 再版」(http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/2937120)などで確認できる。103条,御仕置仕形之事80コマ
『國史大辞典』(吉川弘文館)「遠島」の項でも、『公事方御定書』に整備され、「江戸からは、大島・八丈島・三宅島・新島・神津島・御蔵島・利島の伊豆七島に、大坂からは、薩摩・五島の諸島と隠岐・壱岐・天草島に配流する。(中略)のちには八丈島・三宅島・新島および隠岐だけに流すようになっている」と書かれている。なお「藩でも遠島の刑を行うところがあり、島をもたぬ藩は永牢(ながろう)に代えた」そうだ。
また岡っ引きの地位や役割等、江戸時代の犯罪捜査については、下記をご覧いただいた。
『考証「江戸町奉行」の世界』(新人物往来社)によると、岡っ引きの名は享保以降に見られるとのこと。岡っ引きの地位や役割等については、同書や『大江戸復元図鑑 庶民編』(遊子館)、『図説 江戸の司法警察事典』(柏書房、刑罰の記述もある)、『時代風俗考証事典』(河出書房新社)、『歴史考証事典 第6集』(新人物往来社)に記載あり。また『江戸町奉行』(三一書房)には「目明し」の写真が載っている。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 刑法.刑事法 (326 9版)
- 参考資料
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- 『ビジュアル・ワイド江戸時代館』(小学館)
- 『江戸の刑罰』石井 良助/著(吉川弘文館)
- 『江戸町奉行』(学研)
- 『大江戸復元図鑑』庶民編 笹間 良彦/著画(遊子館)
- 『図説 江戸の司法警察事典』笹間 良彦/著(柏書房)
- 『時代風俗考証事典』林 美一/著(河出書房新社)
- 『歴史考証事典』第6集 稲垣 史生/著(新人物往来社)
- 『江戸町奉行』佐藤 友之/著(三一書房)
- 『考証「江戸町奉行」の世界』稲垣 史生/著(新人物往来社)
- 『日本刑罰史年表』重松 一義/著(雄山閣出版)
- 『國史大辞典』(吉川弘文館) (p413-414)
- キーワード
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- 江戸時代(エドジダイ)
- 刑罰(ケイバツ)
- 岡っ引き(オカッピキ)
- 島流し(シマナガシ)
- 犯罪(ハンザイ)
- 歴史(レキシ)
- 遠島(エントウ)
- 流罪(ルザイ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000169793