レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/11/26
- 登録日時
- 2009/01/18 02:17
- 更新日時
- 2024/03/30 00:33
- 管理番号
- M08120115272545
- 質問
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倉田百三の「人生における離合について」という文章は「天の原かかれる月の輪にこめて別れし人を嘆きもぞする」という短歌で始まり、「別るるや夢一とすぢの天の河」という俳句が添えられて終わっている。それぞれ歌の作者は誰か。さらに鑑賞、評釈などがあれば知りたい。
- 回答
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『新編国歌大観』(角川書店)には「天の原かかれる~」の歌の該当はなく、『倉田百三歌集』(角川書店)のp179に収録されている。また、現代俳句協会「現代俳句データベース」から上五句「別るるや」で検索したところ、句の作者が夏目漱石であることがわかる。『漱石俳句評釈』(明治書院)pp128-129に該当句の評釈があり、「明治43年9月8日作。修善寺療養日記より。最初に記された句」として「漱石が別れてきたのは、現実のだれかれというより、むしろあの世まで行きかけて夢のような数日を送ってひき返してきた昨日の世界ととれないことはない。『一筋の天の川』は、その期間に見ていた夢の残曳であり、その別れた世界がうつつとも夢ともつかぬ思いをただよわせて、現在の自分につながっているのである」と評している。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 倉田百三.『倉田百三歌集』,東京,角川書店,1957,260p.参照はp.179. 小室善弘.『漱石俳句評釈』,東京,明治書院,1983,261p.参照はpp.128-129. 坪内稔典.『俳人漱石』,東京,岩波書店,2003,216p.参照はpp.194-195.
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- M2008120115224872545
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 全年齢, 高校生, 中学生
- 登録番号
- 1000050818