レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20220304
- 登録日時
- 2023/03/02 00:30
- 更新日時
- 2023/09/06 09:35
- 管理番号
- 0400002123
- 質問
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未解決
かつて新潟の寺尾にあり移転した新潟遊園の歴史と、移転先での閉園日を知りたい。
- 回答
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新潟遊園は、昭和26年4月15日に新潟市寺尾(現在の新潟市西区)で開園し、昭和56年3月(後述資料(6)には昭和56年4月と記載あり)に閉園した。その後、巻町(現在の新潟市西蒲区越前浜)に移転。
巻町移転後、昭和57年4月18日に開園し平成6年に閉園したが、閉園日は分からなかった。
新潟交通が現在の寺尾中央公園の土地に浦浜農園を設立し、その後、浦浜農園は浦浜開発となり、のち東京ニューハウスが新潟遊園を合併、長鉄工業が新潟遊園を吸収した。
1 新潟遊園について
●寺尾にあった新潟遊園について記載がある資料
(1)『新潟交通20年史』(新潟交通 1966)p143
・浦浜農園がチューリップの球根を植え、見事な花が咲いたことから砂丘地でのチューリップの栽培が広まったこと、昭和26年4月15日に行われた開園式の様子、遊具や入園料のことが記載されている。
(2)『ふるさと坂井輪百科』(坂井輪地域学著 坂井輪地域学 2021)p116
・新潟遊園は、当初戦後の物資不足を解消するためにヒマやサツマイモを植えていた。
・昭和20年、新潟交通は現在寺尾中央公園の土地に浦浜農園を設立。((3)の記述とは異なる)
当時は市民から「寺尾遊園」「寺尾農園」などの通称で呼ばれていたことなどが記載されている。
(3)『ふるさと坂井輪 自然と文化のまちづくり・活動報告 第2集』(坂井輪地域学研究会、新潟市坂井輪地区公民館 2005)p8~9
・昭和16年、新潟交通が浦浜農園を設立。((2)の記述とは異なる)
・4月~5月のシーズンには大花壇を見ようと見物客が多かったため、新潟に数少ない家族連れで楽しめる遊園地を造ろうと計画し、長岡博覧会から遊具を譲り受け開園した。
・浦浜農園が浦浜開発に社名変更したこと、急速な宅地化などの開発で浦浜開発側が新潟遊園の経営をやめる動きがあり、市は買収により緑地を確保し公園として整備することを決めたことなど移転への経緯が記載されている。
(4)『新潟市政進展史 第4巻』(新潟市政進展史編さん部 1971)p62
・昭和25年6月19日からバス路線を坂井輪中学前から新潟遊園まで延長したことなどが記載されている。
(5)『新潟市合併町村の歴史 第1巻』(新潟市 1975) p224~225
・昭和47年1月(株)浦浜農園は(株)浦浜開発と名義変更し、49年8月12日(株)新潟遊園を分割設立した。昭和50年3月現在の事業概要の記載あり。
(6)『新潟砂丘 新新潟歴史双書 6』(新潟市 2011)p127~128
・チューリップ畑のほかにバラ園、遊具があった。
・新潟遊園では、四季を通じて様々な催しがあり幼稚園・小学校の遠足や写生会、植物観察会などにも利用されたこと、昭和50年代には住宅地に囲まれ園は56年4月に閉園し、跡地は寺尾中央公園(約6.3ヘクタール)として残されたことが記載されている。
(7)「新潟日報」昭和56年4月23日「少なくなったチューリップ畑でも静かな広場たっぷり」
新潟遊園が昭和56年3月に閉園したと記されている。
(8)『チューリップ・鬱金香 歩みと育てた人たち』(木村 敬助著 チューリップ文庫 農山漁村文化協会(発売) 2002)p128~129
・「新潟遊園は、かつて新潟農園の球根主任であった池内庄治氏が、戦後に新潟交通の子会社としてゴルフ場など浦浜開発を目的に設立された浦浜農園の専務となり、浦浜地区開発の断念から生まれたものといわれている。」と記載されている。
・新潟遊園の面積は約6.3ヘクタール。うち約2ヘクタールの畑には約270種類のチューリップが咲いたとの記述あり。
(9)『チューリップよもやま話』(木村 敬助著 西田書店 2017) p134~135
新潟遊園の歴史や新潟遊園開園当時(昭和27年、昭和33年)の品種展示圃の写真あり。
(10)『写真アルバム 新潟市の120年』(いき出版 北越書館 2009)
p219 開園式の様子、昭和40年代の新潟遊園の様子
p220 昭和37年、新潟遊園を訪れたライシャワー駐日大使とハル夫人の写真
(11)『新潟わが青春の街角』(桜井 進一写真、石塚 英一文 新潟日報事業社 1990)
p14 昭和30年4月29日、新潟遊園行きのバスを待つ親子連れの写真。
入場料とも大人60円、小人35円とある。
●巻町にあった新潟遊園について記載がある資料
(8)『チューリップ・鬱金香 歩みと育てた人たち』(木村 敬助著 チューリップ文庫、農山漁村文化協会(発売) 2002)p128~129
・昭和56年に寺尾から巻町越前浜へ移転ししばらくは営業を続けたが、交通の不便や観光時期が限られていることなどで経営の合理化により、平成6年には43年間続いたチューリップ観光の歴史を閉じたことなどが記載されている。
(12)「新潟日報」平成17年7月1日14面「にいがた花語り25 チューリップ4」
チューリップの球根生産や品種改良について、新潟遊園が昭和56年に巻町に移転し平成6年の閉園まで四十年の長きにわたって親しまれたことが記載されている。
2 新潟遊園の運営会社について
(3)『ふるさと坂井輪 自然と文化のまちづくり・活動報告 第2集』(坂井輪地域学研究会、新潟市坂井輪地区公民館 2005)p8~9
浦浜農園が浦浜開発に社名変更したこと、新潟遊園を分割設立したことが記載されている。
(13)『田中角栄いまだ釈明せず 田中新金脈追及』(立花 隆著 朝日新聞社 1982)
東京ニューハウスが浦浜開発を合併したこと、田中角栄の金脈と新潟遊園にまつわる話が掲載されている。
(14)「日本経済新聞」昭和61年9月26日夕刊 19面
「田中元首相系の室町産業、申告漏れ、8億追徴―関連会社との株売買。」
新潟遊園が昭和58年8月に田中元首相系の土木建築会社「長鉄工業」(本社長岡市)に吸収されていることが記載されている。
3 関係機関への問い合わせ
(1)巻郷土資料館 電話 0256-72-6757
『下越新聞』(昭和57年4月24日発行 「新新潟遊園」開園)に巻町に移った新潟遊園の開園日は昭和57年4月18日であると記載されていた。閉園日は不明。
(2)巻観光協会 電話 0256-72-8736
巻町移転後の新潟遊園の閉園日時は不明とのこと。
(3)新潟県立植物園 電話 0250-24-6465
植物園内の資料を確認したが、巻町移転後の新潟遊園の閉園日時は不明とのこと。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 花卉園芸[草花] (627 9版)
- 参考資料
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- 新潟交通20年史
- ふるさと坂井輪百科
- ふるさと坂井輪 第2集
- 新潟市合併町村の歴史 第1巻
- 新潟市政進展史 第4巻
- 新潟砂丘
- チューリップ・鬱金香 , ISBN 4-540-02208-3
- チューリップよもやま話 , ISBN 978-4-88866-613-8
- 写真アルバム 新潟市の120年 , ISBN 9784903002231
- 新潟わが青春の街角 , ISBN 4-88862-420-8
- キーワード
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- 新潟遊園
- 寺尾中央公園
- 遊園地
- チューリップ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 一般利用者
- 登録番号
- 1000329717