レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年11月10日
- 登録日時
- 2020/03/28 11:44
- 更新日時
- 2020/03/29 13:00
- 管理番号
- 千県中児童-2019-08
- 質問
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未解決
21世紀になり、地域の「手作り紙芝居」が各地で盛んに作られています。
県内公共図書館で地域の昔話、伝説、歴史、伝記などを「手作り紙芝居」にしたもの(現物、電子媒体、カラーコピーなど)を図書館資料として所蔵、活用している館はありますか? その資料は横断検索できますか?
- 回答
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当館でどんな手作り紙芝居があるのか情報を把握できておらず、千葉県内図書館横断検索でも紙芝居を抽出して調査することができません。
最近の新聞記事から、手作り紙芝居を作っている団体が活動している市町村を探し、地域の図書館に所蔵を問い合わせました。
(A)所蔵している館
浦安市立中央図書館
・『久助稲荷』(中津攸子文 出版事項不明 12枚)
※中央図書館の大規模改修工事の期間中(2020年3月末まで)はOPACに表示されません。(横断検索も不可)
・(参考)『生きていた青い目の人形』…青い目の人形が戦争中にどのように扱われていたか、様々な土地での事例が載っていて、その中に南房総市富浦小学校と香取小学校の事例もあります。
松戸市立図書館
・『江戸川アユものがたり』(利根川・江戸川流域ネットワーク制作 2012)
・『坂川物語』(新松戸郷土資料館編集 2004)
※松戸市立図書館のOPACで、一般件名「松戸 紙芝居」でヒットします。
(活用事例)利用者への通常貸出のほか学校貸出の中で、市内小中学校より要望があった際に貸出を行っているとのことです。
(B)作成している団体はあるが所蔵はしていないという回答の館
酒々井町立図書館
町内サークル「酒々井紙芝居の会」が手作りし、町内小中学校、公共図書館などで開催しています。紙芝居はサークルの所蔵です。
袖ケ浦市立図書館
ボランティアグループ「ピノキオの部屋」が地域のお年寄りから聞いた民話を紙芝居にして上演しています。
南房総市図書館
千倉町郷土研究同好会で手作りの紙芝居を作成、サロン等に出向いて活用したことがあったものの、現在は活動しておらず、所持者も不明とのことです。
睦沢町中央公民館
グループ「睦沢のむかしばなし」が紙芝居を作成しました。紙芝居の現物は団体が所有していますが、公民館では関連資料『睦沢のむかしばなし』第1集・第2集を所蔵しています。
(C)手作り紙芝居は所蔵していないという回答の館
銚子市公正図書館
参考までに、郷土に関連する紙芝居『津波だ!いなむらの火をけすな』(都市防災研究所 2005)、『いなむらの火』(童心社 2011)は所蔵あり。
このほかに、「オフィス坂井」(http://home-town-stories.com/)で「~郷土の歴史シリーズ 千葉県のむかしを感じてほしい~」を作成しています。ウェブサイトで内容を確認できます。
横断検索では出版者「オフィス坂井」または各タイトルで検索すると、所蔵が確認できます。
・『たすけとヒコ』(南﨑晶子作 藤原あずみ画 オフィス坂井 2013)※県立図書館所蔵あり。
・『大波百人』(南﨑晶子作 山口加奈子絵 オフィス坂井 2017)
・『塩じいさん』(南﨑晶子作 茜ノ介絵 市立市川歴史博物館協力 2019)
(インターネット最終アクセス:2019年11月10日)
- 回答プロセス
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1 紙芝居についての千葉県関係の新聞記事を検索しました。
・当館の「菜の花ライブラリー(http://www.library.pref.chiba.lg.jp/nanohana/index.html)内「千葉県関係新聞・雑誌記事索引」で「紙芝居」に関連する記事を検索し、縮刷版等で内容を確認しました。
・南房総安房地域の日刊紙「房日新聞」(http://www.bonichi.com/)は、ウェブ公開されている記事がサイト内検索で検索でき、記事本文も閲覧できます。「紙芝居」で検索し、記事を確認しました。
・新聞記事データベース「聞蔵」「毎索」「ヨミダス」等で、千葉版を「紙芝居」でキーワード検索しました。
2 新聞記事から紙芝居のタイトル、作者、団体名等を調べて、横断検索または当該自治体のOPACで検索しました。
3 記事に関連する市町村の図書館等に所蔵を照会しました。多くの館が未所蔵でした。
以下は内容を確認した記事の記録です。
(房日新聞ウェブサイトより)
鴨川市
・「鴨川 戦争を語り伝える会のイベントに40人」(2018年8月10日付) (http://www.bonichi.com/News/item.htm?iid=12383)
※記事に登場する「鴨川市立東条小学校『青い目の人形』物語~ずっとともだち~」と同名の資料が鴨川市立図書館にありますが、紙芝居ではないそうです。
鋸南町
・「鋸南 5作目「浮島伝説」紙芝居に ドリームKが半年かけ」(2018年10月2日付) (http://www.bonichi.com/News/item.htm?iid=12477)
南房総市
・「富浦エコ研 3連休にふるさと紙芝居上演」(2018年5月10付) (http://www.bonichi.com/News/item.htm?iid=12215)
・「千倉公民館 子どもたちが紙芝居づくり」(2009年10月22日付) (http://www.bonichi.com/News/item.htm?iid=3353)
(その他の新聞)
旭市
・「助五郎の功績 紙芝居に」(『読売新聞(千葉版)』2019年2月25日朝刊)p23
※「天保水滸伝外伝 助五郎と飯岡大漁節」という紙芝居を郷土史家伊藤実さんの協力で作成。元教員で作る紙芝居劇団「ふく」。
・「「天の石笛」題材に絵本 民話でまちづくり 旭」(『千葉日報』2018年6月8日)p2
※「天の石笛(あまのいわぶえ)」の紙芝居の内容を活用し、イラストを追加するなどして冊子にした。絵本は当館にも所蔵あり。
いすみ市
・「「有機水田」題材に紙芝居 生態系、大胆下書き いすみ 夷隅小」(『千葉日報』2018年7月17日)p3
※「たんぼでもぐもぐ」 いすみ市立夷隅小学校で制作。「生物の多様性を育む農業国際会議」で発表。
市原市
・「戦争の悲劇、紙芝居で 教職員OG、命の大切さ訴え 市原」(『千葉日報』2018年7月23日)p3
※教職員OGによる団体「房総(ふさ)の会」が、地元の中学生が絵画制作で協力した紙芝居を教材に。養老国民学校川在分校で児童3人が犠牲になった悲劇。
浦安市
・「浦安の歴史、紙芝居で 浦安小 児童ら「べか船」など披露」(『千葉日報』2006年12月4日p15)
※「あいぼうのべか」「久助稲荷」「銀兄ちゃんの笛」「アッサリー君のゆめ」。若林一郎さん(芸能紙芝居きらく座)がオリジナルのシナリオを書き、絵は児童生徒らが仕上げ。
勝浦市
・「地域の民話、紙芝居で 抑揚効いた語りで学ぶ」(『千葉日報』2018年8月27日)p3
※「夷隅民話の会」が制作した「くし浜」(勝浦市内)、「もうれんやっさ」(いすみ市の漁師)、「キツネをばかした話」(大多喜町内)。
山武市
・「犠牲者42人の冥福祈る 爆破事件献花式、惨事伝える紙芝居上演も 山武・成東駅」(『千葉日報』2015年8月14日)
※パネルシアター(大型紙芝居)とあるが、「成東駅爆破 終戦2日前の出来事」という作品。県退職女性教職員の会山武支部のピーススタッフの会制作。
酒々井町
・「紙芝居で町の昔話紹介 町民サークルが児童向け講座 酒々井」(『千葉日報』2012年1月18日)p8
※酒々井紙芝居の会の紙芝居「酒の井」「カンカンムロ」。酒々井町立図書館の蔵書検索では、それぞれ同タイトルの絵本はあり。
館山市
・「紙芝居で「青い目の人形」 8、22、29日に上演会 館山市博物館 【戦後70年 ちば】」(『千葉日報』2015年8月6日)p11
※戦前に館山小に贈られた青い目の人形を題材に宮崎二美枝さんが脚本、松苗禮子さんが絵を描いた。横断検索で『生きていた青い目の人形』浦安のみ該当あり。
銚子市
・「銚子の偉人、紙芝居で 永澤さんが2話上演 開館1周年外川ミニ郷土資料館」(『千葉日報』2008年5月14日)p16
※「じょうかんさん」「いなむらの火をけすな」
・「<戦後60年 語り継ぐ“傷跡”>3 銚子大空襲 今に伝える紙芝居上演」(『千葉日報』2005年8月16日)p19
※銚子大空襲を伝える語り部サークル(県退職者女性教職員の会銚子支部)による手作りの紙芝居。
- 事前調査事項
- NDC
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- 大衆演芸 (779 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 紙芝居(カミシバイ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000279714