レファレンス事例詳細(Detail of reference example)
提供館 (Library) | 名古屋市鶴舞中央図書館 (2210001) | 管理番号 (Control number) | 名古屋市鶴-2013-006 | |||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
事例作成日 (Creation date) | 2013年04月03日 | 登録日時 (Registration date) | 2013年08月03日 14時57分 | 更新日時 (Last update) | 2013年11月18日 21時45分 | |||||||||||||||
質問 (Question) | 名古屋に隕石が落ちたことはありますか | |||||||||||||||||||
回答 (Answer) | 名古屋にも隕石が落下したことがあります。 落下した隕石を囲む人々の様子が『尾張名所図会』の付録である『小治田之真清水』に描かれています。寛永9(1632)年8月14日に落下した隕石は「星石」と呼ばれ、文政12(1829)年に南区星崎にある喚続(よびつぎ)神社に寄進されました。昭和51(1976)年8月15日の国立科学博物館の鑑定により、落下年代の明白な隕石としては日本最古となり、「南野隕石」と命名されました。 しかし、わずか3年後には、貞観3(861)年4月7日に福岡県直方市に隕石が落下していたことが分かり、現在は日本で2番目に古い隕石となっています。 また、南野隕石以外にも落下した記録が残っており、星崎の地名の由来となっているそうです。 | |||||||||||||||||||
回答プロセス (Answering process) | 1.『理科年表 平成25年(第86冊)』を確認しましたが、該当する記述はありませんでした。 2.『天文年鑑 2013』を確認したところ、p.225に「日本に落下した隕石リスト」が掲載されており、落下地が名古屋市南区のものがあり、名称が南野、落下年月日が1632年9月27日などが分かりました。また、国立科学博物館のサイトでも日本の隕石リストが掲載されていました。 3.郷土の棚で南区の資料を探しました。『南区の歴史』のp.176-177に「喚続神社」と「星石」の項目がありました。喚続神社の社宝として星石が紹介されており、寛永9(1632)年8月14日夜に落下した隕石が寄進された経緯が分かります。国立科学博物館の鑑定によると、落下年代の明白な隕石としては日本最古であると記述されており、写真も掲載されています。また、『南区郷土文化写真集』のp.51に「星石」が写真付きで掲載されており、喚続神社への寄進の経緯が『南区の歴史』とほぼ同じ内容で記載されていました。写真については、こちらの資料の方が大きく見やすいため、保存の為の箱の蓋の裏に書かれている由緒書きも比較的はっきりと確認することができます。 4.喚続神社について調べました。『呼続神社とその周辺』のp.6-7に「星石」「箱書」「添書」「一説に」「星石書添書寫」項目がありました。また、p.28に写真が掲載されています。 5.郷土の新聞クリッピングを調べました。「南区の喚続神社 社宝はイン石だった」という見出しで、『中日新聞』の1976年9月29日朝刊18面の記事を採取していました。国立科学博物館の鑑定の経緯などが記載されています。 6.新聞記事により鑑定の年が1976年と推察されるため、過去の天文年鑑を確認しました。『天文年鑑 1978年版』のp.90-91に南野隕石についての記述を見つけました。また、『天文年鑑 1981年版』のp.87に1979年11月に確認された直方隕石についての記述があり、落下が目撃された隕石では世界最古となる可能性があるとありました。 7.1976年の『天文月報』を調べようとしましたが、当館の所蔵は1984年以降の所蔵しかありませんでした。そこで、インターネット上でバックナンバーを閲覧できる「天文月報オンライン」により確認したところ、『天文月報』のVol.69、No.10のp.315がヒットし、雑報として、「本邦最古の隕石を確認」という記事を見つけました。この記事により、8月15日に隕石であることが確認され、南野隕石と命名されたことが分かりました。 8.ロシアに隕石が落下した直後であり、他に新聞記事がないかどうか、中日新聞のデータベースで検索しました。2000年3月19日朝刊1面の「中日春秋」と、2013年2月22日夕刊1面の「隕石の聖地名古屋に」という記事がヒットしました。後者の記事によりますと、南野隕石は現在、喚続神社に門外不出のご神体としてまつられていることが分かります。また、「尾張名所図会」や「尾張徇行記」などにも記述があることが分かりました。 9.『尾張名所図会』を確認しました。『尾張名所図会』の付録である『小治田之真清水 巻3』のp.76-77に落下した隕石を囲む人々の様子が描かれています。p.84-85、88に「星乃社」の項があり、絵の説明は最初の二行が該当します。 10.『塩尻』を確認しました。p.734に『小治田之真清水 巻3』に引用された箇所を発見しました。 11.『尾張徇行記』を確認しました。p.343「星社」とp.348に記録があります。 12.当館の新聞クリッピングより、毎日新聞の「町名由来記」を確認したところ、150に「南区星崎町」があり、鳴海と星崎の由来が、元久2年5月24日に明星がおりた入江であることからであると記されていました。 | |||||||||||||||||||
事前調査事項 (Preliminary research) | ||||||||||||||||||||
NDC |
| |||||||||||||||||||
参考資料 (Reference materials) |
| |||||||||||||||||||
キーワード (Keywords) |
| |||||||||||||||||||
照会先 (Institution or person inquired for advice) | ||||||||||||||||||||
寄与者 (Contributor) | ||||||||||||||||||||
備考 (Notes) | ||||||||||||||||||||
調査種別 (Type of search) | 事実調査 | 内容種別 (Type of subject) | 郷土 | 質問者区分 (Category of questioner) | 社会人 | |||||||||||||||
登録番号 (Registration number) | 1000135055 | 解決/未解決 (Resolved / Unresolved) | 解決 |