レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2019年09月20日
- 登録日時
- 2019/12/25 00:30
- 更新日時
- 2020/12/06 00:30
- 管理番号
- 3A19005981
- 質問
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解決
東大阪市内に「玉川市場」という市場があったらしい。その市場が現在のどこにあったのか、またどのような変遷をたどったのか知りたい。
- 回答
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以下の資料に関連する記述がありましたので、ご紹介します。
(1) 『東大阪市の昭和 -写真アルバム-』 (石上 敏/監修 樹林舎 2013.8)
p.70、「玉川市場付近の街並み」(撮影場所:岩田、撮影年代31年)が掲載されています。「河内市誕生の翌年の岩田商店街。」と記述があり、岩田商店街の中にあったことが分かります。
p.71に「玉川市場」(撮影場所:岩田、撮影年代31年頃)が掲載されています。写真の説明文には「市場には小売の商店が食料、衣料などをそれぞれ販売していた。しかしその後歯が抜けるように店舗が少なくなり、火災が起こって昭和43年頃に消滅した。」とあります。
下記資料(3)~(5)により、若江岩田駅周辺に商店街があることが分かったので、当館が所蔵する一番古い東大阪市(当時は河内市)の住宅地図で、若江岩田駅周辺の地図を確認しました。
(2) 『大阪府精密住宅地図 河内市]』 (住宅協会出版部/[編] 住宅協会出版部 1966)
p.30に若江岩田駅が掲載され、駅の北側に資料(1)の写真に写っていた「精肉てんぐ」「とらや書房」の商店の名前が記載されていましたが、「玉川市場」の名前はがありませんでした。所在地は岩田町4丁目14番辺りのようです。
(3) 『東大阪の商店街 -商店街の構造分析- 1967』 (東大阪商工会議所/共編 東大阪商工会議所 1967.11)
p.40「若江岩田駅周辺商店街」の「概況」に、玉川市場の言及はありませんが「小売市場内の商店を含めて約180店と多くを数えている」と記載されています。
巻末の地図11に「若江岩田駅周辺商店街」の地図があり、資料(2)で確認した場所に「市場」と記載されています。
(4) 『商店街の規模と構造 -東大阪市における-』 (東大阪商工会議所/編 東大阪商工会議所 1970.12)
p.14「若江岩田周辺商店街」の解説がありますが、玉川市場の言及はありません。
巻末「表8 若江岩田駅前周辺商店街」の地図があり、資料(2)で確認した場所に「市場」と記載されています。
(5) 『東大阪市小売商業の現状と主要商店街の規模・構造 [1985]』 (東大阪商工会議所 1985)
p.64「若江岩田駅周辺商店街」の解説がありますが、玉川市場の言及はありません。
巻末「若江岩田駅周辺商店街」の地図があり、資料(2)で確認した場所に「市場」という記述がなくなり、「美容」と書かれています。
商用データベース「聞蔵Ⅱビジュアル」(朝日新聞)、「ヨミダス歴史館」(読売新聞)、「毎索」(毎日新聞)で記事検索をしましたが、昭和43年の火事の記事は確認できませんでした。
下記の資料には「玉川市場」の記載はありませんでしたが、若江岩田駅周辺の商店街の写真が掲載されていましたので、参考までにご紹介させていただきます。
(6) 『河内 -市勢要覧- 1960』 (河内市役所/編集 河内市役所 1960)
p.17 「近鉄若江岩田駅前商店街」
(7) 『かわち 1961』 (河内市役所市長公室/編 河内市役所市長公室 1962)
p.17 「近鉄若江岩田駅前商店街」上記(6)と同じ写真です。
(8) 『かわち 1964』 (河内市市長公室企画係/編 河内市市長公室企画係 1964)
p.17 「近鉄若江岩田商店街」
(9) 『伸びゆく河内市』 (河内市市長公室広報課/編 河内市市長公室広報課 1965)
p.35 「若江岩田駅前通り」
(10) 『河内市のあゆみ』 (河内市総務部秘書課広報係/編 河内市総務部秘書課広報係 1967)
p.34 「上 当時の岩田商店街北部をのぞむ(30年)」「左 現在の岩田商店街北部をのぞむ(41年)」
なお、「玉川」は東大阪の旧自治体名だったようです。
(11) 『角川日本地名大辞典 27 大阪府』 (「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1983.10)
p.746「たまがわ 玉川<東大阪市>」の項に「〔近代〕玉川村 明治22年~昭和18年の自治体名。(中略)岩田・西岩田・瓜生堂・稲葉・菱江の5か村が合併して成立」「〔近代〕玉川町 昭和18年~30年の中河内郡の自治体名。玉川村に町制施行して成立。役場は岩田に設置」。(中略)同30年河内市の一部となり、町制度の5大字は同市の大字に継承。」とあります。
- 回答プロセス
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1.当館所蔵検索をフリーワード“東大阪×商店街”と検索、資料(3)~(5)が見つかる。
2.おおさかポータルを“玉川”ד市場”と検索したがヒットせず。“東大阪”ד商店街”と検索、布施のみが見つかる。
3.東大阪市立図書館蔵書検索をキーワードを“玉川”ד市場”として検索したがヒットせず。“東大阪”ד商店街”と検索し、資料(4)が見つかる。当館でも所蔵があるのを確認。
4.googleを“玉川市場”ד東大阪”と検索、資料(1)が見つかる。
5.玉川市場が所在していたのは旧河内市なので、当館所蔵検索を出版者“河内市”と検索、資料(6)~(10)が見つかる。
6.当館の郷土資料コーナーにて、東大阪の歴史に関する本を確認。
7.資料(1)に、「昭和43年頃に火災があって消滅した」とあったので、朝日、毎日、読売の各新聞記事データベースを、発行年を1968年、キーワードを“大阪”ד火事”で検索するが有用記事なし。
8.大阪府立図書館蔵書検索にて、「東大阪市ー歴史」「東大阪市ー政治行政」の件名で検索。有用資料見つからず。
9.当館所蔵検索にて、タイトルを“東大阪市×住宅×地図”として検索、資料(2)が見つかる。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 9版)
- 商業史.事情 (672 9版)
- 参考資料
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- 当館書誌ID <0080249847> 東大阪の商店街 -商店街の構造分析- 1967 東大阪商工会議所/共編 東大阪商工会議所 1967.11 資料(3)
- 当館書誌ID <0080249829> 商店街の規模と構造 -東大阪市における- 東大阪商工会議所/編 東大阪商工会議所 1970.12 資料(4)
- 当館書誌ID <0000572419> 東大阪市小売商業の現状と主要商店街の規模・構造 [1985] 東大阪商工会議所 1985 資料(5)
- 当館書誌ID <0080208845> 大阪府精密住宅地図 東大阪市 -大阪府全商工住宅案内図帳- [1966〜1975] 住宅協会出版部/[編] 住宅協会出版部 1966-1975 資料(2) 「東大阪市<東部・旧枚岡市>」(1966年版)、「東大阪市<東部・旧枚岡市>」(1970年版)、「東大阪市<東部・旧枚岡市>」(1975年版)、「河内市」(1966年版)、「東大阪市<中部・旧河内市>」(1966年版)、「東大阪市<中部・旧河内市>」(1975年版)の合冊製本です
- 当館書誌ID <0080260415> 河内 -市勢要覧- 1960 河内市役所/編集 河内市役所 1960 資料(6)
- 当館書誌ID <0080260441> かわち 1961 河内市役所市長公室/編 河内市役所市長公室 1962 資料(7)
- 当館書誌ID <0080230084> 伸びゆく河内市 河内市市長公室広報課/編 河内市市長公室広報課 1965 資料(9)
- 当館書誌ID <0080260440> かわち 1964 河内市市長公室企画係/編 河内市市長公室企画係 1964 資料(8)
- 当館書誌ID <0012811336> 東大阪市の昭和 -写真アルバム- 石上 敏/監修 樹林舎 2013.8 978-4-902731-56-9 資料(1)
- 当館書誌ID <0080185876> 河内市のあゆみ 河内市総務部秘書課広報係/編 河内市総務部秘書課広報係 1967 資料(10)
- 当館書誌ID <0000184865> 角川日本地名大辞典 27 大阪府 「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 角川書店 1983.10 9784040012704 資料(11)
- キーワード
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- 玉川市場
- 若江岩田駅
- 東大阪市岩田町
- 岩田商店街
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000271416