レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年02月11日
- 登録日時
- 2010/02/11 15:12
- 更新日時
- 2010/07/07 10:02
- 管理番号
- 山形県-2008-0035
- 質問
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解決
「月山小判」という小判があったか調べてほしい。「貨幣図彙」という資料に月山小判という名称が出てくるが、本当にあったのか。
- 回答
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お探しの月山小判ですが、当館所蔵の次の資料にその記載がありました。
1.「西川町史上巻(原始・古代・近世編)」『「第5節西川近世の産業・文化の諸相』の項中、P825~の『(3)寒河江川の砂金』には、『江戸後期の探検家・書誌学者として有名な近藤重蔵の著「金銀図録」巻四の中に 出羽国月山及 赤西小判、秋田小判・・・とあり、さらに月山小判の図とその説明がつけられている。』との記載がありました。
2.「寒河江市史中巻(近世編)」P343~346に『寒河江川の砂金』の項中、『近藤重蔵の「金銀図譜」には月山小判として「羽州村山郡月山の梺、寒河江村砂金を出す」と出ていて寒河江川の砂金は有名であった』との記載があります。
※「國書總目録」等によれば、「金銀図譜」は天明4年(1784)石希聡著「本朝白黄志」の別名。「金銀図録」は文化7年(1810)近藤正斎(守重・重蔵)著とありますが、本回答では使用資料に記載あるまま掲載しました。
3.「日本経済叢書巻二十七(三貨図彙)」のP344に『出羽、月山小判、同上、赤西小判』として小判の写真と形状が載っています。月山小判について写真の下の説明については、次のとおりです。『同云、重サ四匁ニ分、厚サ一厘、徑壹寸九分、位上ノ下、按ニ、羽州村山郡月山ノ麓、寒河江村砂金ヲ出ス』
4.大蔵省刊行の「大日本貨幣史第3巻」の「巻四古金銀貨部第一」のP162に「出羽国赤西小判金」の面と背の写真と形状が載っていますが、月山小判については記載がありません。
- 回答プロセス
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Google検索で「貨幣図彙」を探すがヒットせず、「三貨図彙」「領国貨幣」というキーワードを得る。
GeNiiで「領国貨幣」を検索したところ、「近世東北地方地域史の研究」「近世領国貨幣研究序説」の資料に該当。調査の結果「月山小判」についての記載はなし。
当館所蔵資料を「領国貨幣」で探したところ、「渡辺信夫歴史論集1(近世東北地域史の研究)」「近世領国貨幣研究序説」「日本近世史の地方的展開」の3冊が該当したが、いずれにも「月山小判」の記載なし。
山形県史目録からも「領国貨幣」の記載はあるが、「月山小判」については記載なし。
山形県鉱山誌にも該当記載は見当たらない。
「三貨図彙」で当館資料を探したところ、「日本経済叢書巻27」「同28」の2冊が該当した。
「月山小判」という名称から、寒河江・西村山地方の市町村史を当たってみた。
- 事前調査事項
- NDC
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- 貨幣.通貨 (337 9版)
- 各種の金属鉱床.採掘 (562 9版)
- 非鉄金属 (565 9版)
- 参考資料
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資料①西川町史上巻/西川町史編纂委員会編/西川町/1995(K262.4/ニシ/1)
資料②寒河江市史中巻/寒河江市史編さん委員会編/寒河江市/1999(K262.1/サガ/2)
資料③日本経済叢書巻27/瀧本誠一編/日本経済叢書刊行会/1916(330.8/ニホ/27)
資料④大日本貨幣史第3巻/大蔵省編/大日本貨幣史刊行会/1969(337.21/オオ/3)
※( )は当館の請求記号です。
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資料①西川町史上巻/西川町史編纂委員会編/西川町/1995(K262.4/ニシ/1)
- キーワード
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- 月山小判
- 砂金
- 出羽国(山形)
- 西川町(山形県)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 所蔵調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000063100