レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年11月06日
- 登録日時
- 2021/03/18 10:00
- 更新日時
- 2021/03/18 10:22
- 管理番号
- 横浜市中央2621
- 質問
-
解決
「都筑区」の区名を決定した経緯を知りたい。
- 回答
-
都筑区は、平成6(1994)年11月6日に港北区と緑区の再編成により、青葉区と
ともに新設されました。都筑区の区名は、旧地名の「都筑郡」から取ったものです。
1 都筑区の区名を決定した経緯がわかる資料
次の資料で、区名の公募から決定までの経緯を確認できます。
(1) 『広報よこはま 平成5年版』
横浜市市民局広報課/編 横浜市市民局広報課 1993
ア 「広報よこはま 新区(D区)準備号」平成5(1993)年8月号
新区の区名を募集しています。応募資格は市内在住・在勤・在学の人で、
応募期間は平成5(1993)年8月1日~8月31日まででした。
イ 「広報よこはま 新区(D区)準備号」平成5(1993)年12月号
「D区名への応募総数は一万六千八百六十四通、名前の種類は三千六十七種
ありました。これらの区名候補の中から、曙(あけぼの)・港京(こうきょう)
・港陽(こうよう)・都筑(つづき)・望(のぞみ)・東(ひがし)・光(ひか
り)・陽光(ようこう)・若葉(わかば)の九種類を選び、さらに、港京・都筑
・光の三候補に絞り、委員会が総合的に検討した結果、選定されたのが「都筑」
です。」とあります。
(2) 『横浜市行政区再編成の記録(庁内用)』
横浜市市民局行政区再編成担当/編 横浜市市民局行政区再編成担当 1995.3
p.144~170「区名の選定」
区名選定委員会の設置や委員会の審議経過について書かれています。
p.163~165「(10)区名選定報告書全文」
区名の選定理由に、
「1 新区の区域全体を含み、広く区民に定着している歴史的な由緒ある地名を、
将来に向け大切に継承したいから
2 奈良時代から続く歴史のある地名にちなみ、これからの街づくりが、新しい
「都を筑(きず)く」という区民の総意で進むことを願って
3 応募数上位で幅広い市民の支持があったため」とあります。
(3) 『横浜市行政区再編成の記録 港北区・緑区・青葉区・都筑区』
横浜市総務局行政部区連絡調整課/編 横浜市市民局行政区再編成担当 1995.3
p.26~40「第4章 区名・再編成期日等の決定」
1(2)の概要版です。
(4) 『図説 都筑の歴史』
都筑区ふるさとづくり委員会/編 都筑区ふるさとづくり委員会 2019.11
p.210「区名の決定」
2 「都筑郡」とは
「都筑」の地名の由来はわかっていませんが、次のような資料に「都筑郡」について
記載があります。
(1)『新しいふるさと都筑区 都筑区誕生記念』
横浜市都筑区役所総務部総務課 1994.11
p.1「地名「都筑」について」
「奈良時代の律令制度により、現在の横浜市北西部一帯(都筑・港北・緑・青葉
区、旭区、二俣川、保土ケ谷区西谷)は、「武蔵国都筑郡」となりました。この
都筑の郡名が最初にあらわれるのは、万葉集(755年)の中です。防人として九州
へ向かった兵士が妻にあてた歌の詠み手の名前に「都筑郡上丁服部於田(つづき
ぐんかみつよぼろはっとりのうえた)」と記されています。明治4年の廃藩置県
により「神奈川県都筑郡」となりましたが、昭和14年に横浜市第6次市域拡張が
行われ、このとき都筑郡は横浜市及び川崎市に編入されました。これにより約1200
年続いた「都筑」の地名はいったん幕を閉じます。」とあります。
(2) 『新編武蔵風土記稿 〔第4期〕 第4巻 (大日本地誌大系)』
蘆田伊人/校訂 根本誠二/補訂 雄山閣出版 1996.6
p.153~161「都筑郡之一総説」
「都筑郡ハ其名義ノ起ヲ詳ニセス又国史等ニモコノ郡名ノアラハルヽモノヲイマタ
ミス萬葉集ニ天平勝寶七歳乙未二月二十日武蔵国部領防人使極正六位安曇宿禰三國
カ進歌二十首ノ内ニ都筑郡上丁服部於田カ詠スル所ノ歌を載タレハ都筑ノ郡名古書
ニアラハルヽハ是等ヲ古トセンカ」とあります。
(3) 『角川日本地名大辞典 14』
「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編纂 角川書店 1984.6
p.598~599「都筑郡」
古代、中世、近世、近代と時代ごとに解説されています。『万葉集』をはじめ、『続日
本後紀』や『古今著聞集』など多数の文献をもとに「都筑郡」について説明してい
ます。
(4) 『日本歴史地名大系 第14巻 神奈川県の地名』 平凡社 1984.2
p.40「都筑郡」
2(3)より簡潔ですが、古代、中世、近世、廃藩置県以降と時代を追って解説されて
います。
(5) 『大日本地名辞書 第6巻 増補』 吉田東伍/著 冨山房 1970.6
p.175~176「都筑郡」
古代・中世まで解説されています。項目の最後に2(2)の『新編武蔵風土記稿』「都筑
郡之一総説」が引用されています。
(6) 『日本古代史地名事典 普及版』 加藤謙吉/編集委員 雄山閣 2018.11
p.216「都筑郡」
『万葉集』と『続日本後紀』をもとに解説されています。
(7) 『横浜の町名』
横浜市市民局総務部住居表示課/編 横浜市市民局総務部住居表示課 1996.12
p.193「都筑区の区名とそのあゆみ」
(8) 『田奈の郷土誌』
「田奈の郷土誌」編集委員会/編 田奈の郷土誌編集委員会 1964.12
p.6~7「資料 都筑の郡名」
2(2)の『新編武蔵風土記稿』「都筑郡之一総説」をもとに解説されており、『万葉集』
の「都筑郡上丁服部於田」の歌も紹介されています。
(9) 『港北ニュータウン今昔物語』
高齢者住宅財団住宅管理部/企画・制作
都市基盤整備公団神奈川地域支社居住環境整備・再開発部 2000
p.4「都筑区の名前はどこから?」
(10) 『広報よこはま 平成6年版』
横浜市市民局広報課/編 横浜市市民局広報課 1994
「広報よこはま 都筑区準備号」平成6(1994)年9月号
「都筑の名が初めて登場~万葉集防人の歌」
(11) 『萬葉集 5』 青木生子/校注 新潮社 2015.7
p.292~293 2(1)などの資料で紹介されている都筑郡の上丁服部於田の歌が
巻第二十 歌番号4421に、妻の服部呰女の歌が歌番号4422にあります。
口語訳・釈注・語釈付きです。
4421「我が行きの 息づくしかば 足柄の 峰延ほ雲を 見とと偲はね」
4422「我が背なを 筑紫へ遣りて 愛しみ 帯は解かなな あやにかも寝も」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 8版)
- 地方自治.地方行政 (318 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000295356