レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009年08月01日
- 登録日時
- 2010/12/14 09:51
- 更新日時
- 2011/01/21 15:34
- 管理番号
- 山形県-2009-0023
- 質問
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解決
湯殿山神社の朱の大鳥居の右手にある「行人塚」があります。「一世行人」の入定の場所(墓所)としての「行人塚」の文献を知りたい。
- 回答
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当館所蔵の資料から、下記の資料をご紹介します。
資料②P70~162 「湯殿山系の即身仏」と題して、上人ごとに入定地の考察がされています。
P207~229 入定伝説をもつ塚
資料③P77~89 一世行人の土中入定
P91~145 即身仏銘々伝
資料④P140~144 仙人沢と玄海
P144~154 湯殿山系即身佛(ミイラ佛) 資料②と同様、上人ごとに入定地が考察されています。また、入定墓の構造についても触れられています。
資料⑤P79~81 仙人沢の即身仏修行
P83~88 即身仏列伝 資料②④と同様、上人ごとに入定地が記されています。
資料⑥は「東北大学文学部研究年報」掲載の複写物です。上人ごとに入定地が記されています。
資料⑦は昭和49年(1974)8月発行の雑誌です。「出羽三山ミイラの旅」と題して、特集を組んでいます。
資料⑧巻頭に行人山伏の入定塚の写真が掲載されています。
資料⑨「土中入定伝説と異人殺し」と題して、全国の即身仏の入定地が記されています。山形県の即身仏に関しては、宗海塚と満海塚が記されていました。
- 回答プロセス
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山形県立図書館ホームページ(http://www.lib.pref.yamagata.jp/)より、山形県関係文献目録 項目編「ま」行「ミイラ」を検索。採録されている資料を中心に検索する。
「行人」について、調べる。(資料①②より抜粋)
行人と呼ばれるものには、2種類ある。
1.上り下りの行人
江戸時代における湯殿山信仰は東北・関東一円にひろまり、年々講を組んで登拝する道者の数はおびただしく、ことに湯殿山の縁年にあたる丑年は平年の三倍、数十万の参詣者であふれたのである。この諸国から夏に参詣する道者を「上り下りの行人」といった。
2.一世行人(いっせぎょうにん)または一世別行人(いっせべつぎょうにん)
修行専門の行者。湯殿山宝前で誓いをたて、別当四カ寺のいずれかに入門し、得度(とくど)したのち海号(かいごう)の免許を受けて一世行人を名乗るのである。一世行人は、一生の間肉食妻帯をたって苦行を続けなければならない。表口は仙人沢、裏口は玄海にある行屋に篭り、千日あるいは3千日、5千日もの長いあいだ、木食(もくじき)しながら毎日垢離(こり)をとり、一日三度の宝前参拝の苦修練行を続ける。
現在確認できる湯殿山系即身仏(資料①より抜粋)
庄内地方及び新潟県北部地域にわたる10数体である。いずれも表口別当注連寺と大日坊、その末寺の行人寺に奉安されるもので、今のところ裏口別当寺関係の即身仏は発見されていない。
注連寺系
本明海上人 天和3年61才歿、忠海上人 宝暦5年58才歿、円明海上人 文政5年55才歿、鉄門海上人 文政12年62才歿、鉄龍海上人 明治14年62才歿、仏海上人 明治36年76才歿
大日坊系
全海上人 貞享4年85才歿、真如海上人 天明3年96才歿、観海上人 明治11年53才歿
山形県関係文献目録 項目編「ま」行「ミイラ」に採録されている資料で、下記の資料には「行人塚」の記載は確認できなかった。一世行人についての記載は、多数の資料に確認できた。
1.『新版出羽三山修験道の研究』 戸川安章/著 1986
2.『庄内風土記 上巻』 石川正敏/著 1972
3.『山形県文化財調査報告書 第16集 出羽三山の修験道と神仏分離』 山形県教育委員会/編 1969
4.『荘内史夜話』 大泉散士/著 1967
5.『朝日村誌 3 神社は語る』 渡部留治/著 1965
6.『自然と文化 ’80秋季号 出羽三山』 日本ナショナルトラスト/編 1980
7.『出羽の修験道文化』 1985
8.『六十里街道への郷愁』 菅野正/著 1974
9.『北の旅学やまがた』 赤坂憲雄/責任編修 2004
- 事前調査事項
- NDC
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- 通過儀礼.冠婚葬祭 (385 9版)
- 仏教 (180 9版)
- 参考資料
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- 資料①奥州の神秘羽黒山伏と即身仏/大阪市立博物館編/1968(K188.59/オオ)
- 資料②出羽三山のミイラ仏/戸川安章/1974(YK188.59/トガ)
- 資料③湯殿山と即身仏/畠山弘/2001(YK188.59/ハタ)
- 資料④朝日村誌 1/渡部留治/1964(YK233.1/ワタ/1)
- 資料⑤出羽三山 月山・羽黒山・湯殿山/草刈三郎/1963(YK290.9/クサ)
- 資料⑥湯殿山系の即身仏(ミイラ)とその背景/堀一郎(K188.59/ホリ)
- 資料⑦出羽三山ミイラの旅/秋田書店編/1974(K188.59/デワ)
- 資料⑧出羽三山修験道の研究/戸川安章/1973(YK188.59/トガ)
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資料⑨修験道の精神宇宙 出羽三山のマンダラ思想/内藤正敏/1991(K188.59/ナイ)
※( )は当館の請求記号です。
- キーワード
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- 行人塚
- 一世行人
- 即身仏
- ミイラ
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000075154