レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年02月14日
- 登録日時
- 2020/02/18 14:43
- 更新日時
- 2020/02/29 10:51
- 管理番号
- 2019-50
- 質問
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解決
藁を積み重ねて腐葉土を作る物の名称を知りたい。
伊予市では「くろとこ」と呼んでいたようだ。くろとこの当て字は畦床かと思うが、郷土の資料ではどういう表現をして、どういう字を充てていたか、またその作り方等を記した資料がほしい。
- 回答
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【資料1】p264 グロ
(名)農業 藁や薪などを積みあげたもの(応用でこの語がやや広く使える)
ワラグロ (名)農業 藁たばを積みあげたもの。1本の柱を埋め立てて、これを中心にわらたばを積み上げた円筒形のばあいと、中心柱なしに円筒形のばあいとがある。
マツバグロ (名)山仕事 松葉の束を積みあげたもの(略)
他にトンドグロ、シングロ、ハリマグロ、モバグロなどが挙げられる。
【資料2】第7編民俗 第9章方言 p719 ワラグロ わらをつんだもの (「くろとこ」は掲載されていない。)
【資料3】p308 方言語彙:ワラグロ 品詞:名 原形又は意味:藁グロ、わら塚 愛媛に広く分布している。 (「くろとこ」は掲載されていない。)
【資料4】「わらぐろ」の作り方がある。全文がwebで公開されている。
http://www.i-manabi.jp/system/regionals/regionals/ecode:1/4/view/709
エ 盆地の風物詩「わらぐろ」
(ア) わらぐろの里
**さん、「宇和盆地の冬の風物詩としてわらぐろの景観はなくてはならない存在でしたが、近年は余り見かけなくなりました。稲作農家にとってワラは貴重品でもあったのです。牛の飼料にもするし、冬場には俵(たわら)や、縄や筵(むしろ)に加工し、野村の酪農家に売ってもいました。コンバイン化の時代とともに姿を消していったのですが、当時刈り取り脱穀したワラ束を穂先を先にして、交互に中央で重ね合わせながら円筒形に積み上げていき、中高のくろができると、これに穂先をしばった一束を蓋(ふた)状にのせて縄で固定するのです。1反(10a)のワラ束(たば)を二(ふた)ぐろに巻き上げ、麦播き頃に、大きな一(ひと)ぐろに巻き上げますが、中央に棒を立てるので他の地方より背が高いのです。ワラを永く保存するには、実によく考えられた方法で、今でも巻き上げるすべ(手法)は覚えていますが、コンバインで刈り取った後束立てして乾燥し直ぐに売ってしまうので、その必要もなくなりました(写真2-1-9参照)。
宇和盆地の冬景色としてシンボル的存在でしたが、今では作る農家もほとんどなくなりました。米博物館では盆地の名物として例年作っていますが、つくづくとさみしさを感じます。」
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 【資料1】「瀬戸内海方言辞典 伊予大三島肥海方言を中心に」 藤原 与一/著 東京堂出版 1988 <当館請求記号:K860-フヨ-1988>
- 【資料2】「伊予市誌」 伊予市 2005 <当館請求記号:K293.2-イヨ-2005>
- 【資料3】「愛媛の方言 語法と語彙」 武智 正人/著 武智正人 1957 <当館請求記号:K800-タマ-1957>
- 【資料4】「河川流域の生活文化 昭和を生き抜いた人々が語る」 愛媛県生涯学習センター 1995 <当館請求記号:K382-35>
- キーワード
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- くろとこ
- わらぐろ
- 方言
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 書誌的事項調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000274135