レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2015/03/05 09:29
- 更新日時
- 2015/04/03 15:54
- 提供館
- 福井県文書館 (9000002)
- 管理番号
- 2014-024
- 質問
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解決
熊川宿(福井県若狭町)の幕末の動きを調べている。
熊川宿については、県の指定文化財で元禄から明治期まで書き継がれた「御用日記」が残されていると聞いている。
福井県文書館では、この時期の「御用日記」の複写は可能か、また、概要を知ることができる資料があるかどうか知りたい。
- 回答
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(1)福井県文書館で閲覧できる熊川区有文書について
当館で閲覧できる熊川区有文書は、福井県史編さんの際に撮影したマイクロフィルムから作製した複製本である。
この中には、福井県指定文化財となっている元禄15年(1702)から明治4年(1871)までの御用日記34冊が含まれており、当館で複製を閲覧・複写可能。
(2)熊川区有文書の幕末の御用日記(複製)について
・当館で閲覧できる熊川区有文書(資料群番号P0005)の概要(資料群目録)は以下のとおり。
http://www.archives.pref.fukui.jp/archive/detail.do?id=291623&smode=1
・このうち、たとえば1850年(嘉永3)から1868年(明治元)までの御用日記をみるならば、資料番号00116、00119~00125の8点。
(3)当館資料の複写について
上記の資料は複製ですので、事前申し込みなしに来館いただいて、閲覧・複写可能。
また当館では、業務に支障のない範囲(100枚以内)でメールや手紙でも複写を受け付けているが、
上記の8点は、大部な冊子体の資料(合計すると約1800枚)であり、必ずしも読み易い崩し字で書かれているわけではない。お探しの内容が含まれていない場合もある。このため、閲覧してお探しのことがらが含まれているかどうか検索したうえ、複写されることをお勧めした。
(4)熊川宿のその他の記録
熊川宿にあった荻野八左衛門家文書(資料群番号P0045)の中に、荻野家が月番問屋などを務めた関係から、熊川宿の法度をはじめとする法令や通行手形、月番在役中に記された記録類・願書類などが含まれている。
(5)幕末の「御用日記」の概要がわかる資料
・残念ながら、この時期の日記の翻刻はみあたらないようだ。
もっとも古い1702年(元禄15)のみ、『福井県史』資料編9の「熊川区有」第25号文書として、翻刻されている。
同資料編の解題では「この御用日記は熊川の月番問屋によって書き継がれたもので、藩あるいは幕府からの通達、他国の風聞、番所通行願などの願書類等様々な事柄が記されており、時代が下るに従い記載内容も豊富になる」とされている。
また、この「御用日記」を紹介した論文としては、下記の3点をみつけることができたが、『若狭』掲載のものは江戸中期をあつかっているので、幕末は含まれていないと思われる(なお、請求記号は、福井県立図書館のもの)。
・「御用日記」にみる江戸時代中期の宿場町熊川 亀井清/著
『若狭』 昭和48年度版 若狭史学会 /編 1974.0 請求記号/ H260/ W4/ 73
・「御用日記」にみる江戸時代中期の宿場町熊川 亀井清/著
『若狭』 昭和47年度版 若狭史学会 /編 1973.0 請求記号/ H260/ W4/ 73
・「熊川宿御用日記」にみる女手形と女旅 瀬尾幸子/著
『福井県歴史の道調査報告書』 第4集 朝倉街道・鯖街道
福井県教育委員会 /[編] 2004.3 請求記号 H682/ H3/ 1-4B
【追記】2015.3.5
当日付けの福井新聞に以下の記事が掲載された。
「熊川の古文書解読へ 『御用日記』や『萩野家文書』 若狭町住民ら 研究会立ち上げ」
これによれば、熊川区有の「御用日記」(6080枚)のうち、約半分は故亀井清氏によって読解されており、その残りと荻野家文書をこれから「熊川宿古文書研究会」が解読する計画とのこと。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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福井県/編 , 福井県. 福井県史 : 中・近世 資料編/9. 福井 福井県, 1990.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I021616212-00
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福井県/編 , 福井県. 福井県史 : 中・近世 資料編/9. 福井 福井県, 1990.
- キーワード
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- 熊川宿
- 御用日記
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000168586