レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年12月20日
- 登録日時
- 2021/02/11 13:14
- 更新日時
- 2021/02/11 13:16
- 管理番号
- 0000001913
- 質問
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解決
福井県坂井市春江町江留上にある「地守神社」の祭神「九頭比能命」について知りたい。
- 回答
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以下資料より、「クスヒノミコト」と読み、「クマヌクスヒノミコト」を指すと思われる。
『大日本神名辞書』(明治神社誌料編纂所編・発行 1912年)
・・・p131の「クスヒノミコト」項には”クスヒノミコト 橡杵日命 「クマヌクスヒノミコト」を見よ”とある。(「クマヌクスヒノミコト」項は無し。)p136の「クマヌクスビノミコト」項には”クマヌクスビノミコト 熊野久須毘命(記) 熊野櫲樟日命(紀) 古事記伝に熊野は地名にして出雲国意宇郡熊野なるべし久須毘は久志須毘を約めたるなりシスを約むればスなり其クシとは奇霊なりスビは産巣日(ムスビ)の巣日なりと説かれ神名考には熊野は隈之なるべしといへり天照大御神、須佐之男命と誓約の時須佐之男大御神の右の餝環の玉を請ひ取りて噛み砕きて吹き出し給ふ時生りませる神なり御事蹟明ならず(古事記、日本書紀)”とあり。
本資料は、国立国会図書館デジタルコレクションインターネット公開資料。
https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/951174
『日本の神様読み解き事典』(川口謙二∥編著 柏書房 1999年)
・・・p325の「熊野那智神社」項に、主祭神の熊野夫須美大神(ふすみのおおかみ)は久須毘であって素戔嗚尊の御子・熊野久須毘命であるという説もある旨記載されている。
『日本神名辞典』(神社新報社 1994年)p164にも記載あり。
- 回答プロセス
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(1)祭神名が正確かどうかを確認するため、以下の文献を調査する。
『福井県神社誌』(福井県神社庁∥編・発行 1994年)
・・・p584、江留上には「八幡神社」しか載らず、境内神社に地守神社(外)と記されるが、祭神名はなし。
『福井県神社誌』(福井県神職会∥編・発行 1936年)
・・・p379に”地守神社(字江留上) 九頭比能命を祀る。境内六坪”と記載あり、祭神名は正しい。
『春江町史』(斎藤与次兵衛∥編 春江町 1969年)
・・・p1131に”元無格社地守神社は九頭比能命を祀る。その由緒や勧請年月は不詳である”と記載あり。
(2)よみが「くずひのみこと」あるいは「くすひのみこと」と思われたので、漢字ではなく平仮名・カタカナでGoogle Booksで検索する。
『大日本神名辞書』に「クスヒノミコト」の項目あり、国立国会図書館デジタルコレクションで当該資料を確認。
- 事前調査事項
- NDC
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- 神社.神職 (175 8版)
- 参考資料
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000293733