レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2015年05月09日
- 登録日時
- 2015/10/28 16:31
- 更新日時
- 2015/10/28 16:32
- 管理番号
- tr384
- 質問
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解決
日光二荒山神社所蔵の重要文化財「山金造波文蛭巻 大太刀中身無銘」が通称の祢々切丸の号で呼ばれた初出の史料が知りたい。
- 回答
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祢々切丸(ねねきりまる)(山金造波文蛭巻 大太刀中身無銘(やまがねづくりはもんひるまき おおだちなかみむめい))について、以下のとおりお調べしましたが、呼び名の初出史料について記述のある文献は確認できませんでした。
なお、祢々切丸は栃木県教育委員会事務局文化財課の「とちぎの文化財」ウェブサイトで紹介されています。
・「とちぎの文化財」内「山金造波文蛭巻 大太刀中身無銘(号 祢々切丸太刀)」
http://www.tochigi-edu.ed.jp/center/bunkazai/1313047.htm
・「とちぎの文化財」トップぺージ
http://www.tochigi-edu.ed.jp/center/bunkazai/
■祢々切丸の記述を確認できた資料
・『栃木県大百科事典』(栃木県大百科事典刊行会/編、発行 1980)
p.879-881「二荒山神社の刀剣」の「御神刀」の項に祢々切丸の名称に関する次の記述があります(p.879)。
「号は「ネネ」なる妖怪をこの太刀が退治したという日光の説話に由来」
また、「例大祭「弥生祭」には男体山中で捕獲した雄鹿の生皮に3口をのせて神前に献備する。」とあります。
※「三口」とは祢々切丸・瀬登の太刀・柏太刀を指します。
・『日光の故実と伝説』(星野理一郎/著 栃木県連合教育会 1960)
p.146-147「祢々切丸と鳴虫山の由来」で祢々切丸についての伝説を3点紹介しており、そのうち1点が名称に関わる内容でした。
しかし、出典史料の記載は確認できませんでした。
・『日光二荒山神社宝物館』(日光二荒山神社/編、発行 1962)
「二荒山神社の名刀―その種類と特色―」(ページ付けなし)に祢々切丸の名称に関する記述がありますが、出典は確認できませんでした。
・『とちぎの文化財 上巻』(栃木県文化協会 1982)
p.288-289「山金造波文蛭巻大太刀 中身無銘(号祢々切丸太刀) 一口」に、「祢々」の由来について記述がありますが、出典史料は記載されていませんでした。
・『栃木県の刀剣』(栃木県教育委員会事務局文化課/編 栃木県文化振興事業団 1983)
p.177に「山金造波文蛭巻大太刀 中身無銘(号祢々切丸太刀) 一口」の項がありますが、名称の由来に関する記述は確認できませんでした。
・『教育月報 1967 11月号』(栃木県教育委員会事務局調査課/編、発行 1967)
p.30「新しく指定された文化財」に「山金造波文蛭巻大太刀 中身無銘(号祢々切太刀) 一口」が挙げられています。
法量、時代についての記述はありますが、名称については確認できませんでした。
・『式内社調査報告 東山道2 第十三巻』(式内社研究会/編 皇学館大学出版部
1986)
p.605-634「二荒山神社」のp.629「寶物」に號禰切丸の表記で祢々切丸の名を確認できますが、名前の由来の記述は確認できませんでした。
また、p.624「祭祀」の「彌生祭」の項には、祢々切丸の記述は確認できませんでした。
■国立国会図書館デジタルコレクション資料
・『日本文化財. (18)』(奉仕会/著 奉仕会出版部 1956)
※当館を含め、デジタル化資料送信サービスに参加している図書館で閲覧可能です。
24コマ目「禰々切丸」の項に「嘗て社前の「禰々ヶ沢」の怪獣「ねゝ」をこの太刀が社壇から躍上って斬ったと伝えられ「ねゝ切丸」の名を負っています。」とあります。
出典は確認できませんでした。
■掲載が確認できなかった資料
・『林羅山文集 上巻』(林羅山/著,京都史蹟会/編 ぺりかん社 1988)
p.411-416に「二荒山神伝」が収録されていますが、関連する記述は確認できませんでした。
(林羅山:天正11年(1583)-明暦3年(1657年))
・『那須拾遺記』(木曽武元/原著,針生宗伯/編著 針生宗伯 1970)
※「那須拾遺記解説」によると、原書は享保8年(1723)刊。
巻之九「一、貴人対面の法奇特付日光山由来の事」(p.182-201)が収録されていますが、関連する記述は確認できませんでした。
・『新編会津風土記 第1巻』(歴史春秋出版 1999)
※「解題」によると、原書は享和3年(1803)に編纂開始、文化6年(1809)完成とのこと。
p.154-160「日光山縁起」には、関連する記述は確認できませんでした。
・『日光山志』(植田孟縉/著 臨川書店 1996)
※和泉屋庄次郎ほか天保8年(1837)刊の合本複製資料です。
p.213-216に「鳴虫山」の記述がありますが、「祢々切丸」については記載が確認できませんでした。
・『下野国誌 校訂増補』(河野守弘/著,佐藤行哉/校訂 下野新聞社 1989)
※「下野国誌再版の辞」によると、嘉永3年(1850)刊。
「東照宮」~「満願大権現」(p.130-140)等を確認しましたが、関連する記述はありませんでした。
(「満願大権現」は、目次に「二荒山神社」とあります)
・『栃木縣史 第14巻(文化編)』(田代善吉/著 臨川書店 1972)
※下野史談会昭和14年刊の複製資料です。
「第三十四章 宝物」の「日光二荒山神社(日光町)」に太刀が9点挙げられていますが、ご指定の太刀は確認できませんでした。
・『栃木縣史 第3巻(神社編)』(田代善吉/著 臨川書店 1972)
※下野史談会昭和9年刊の複製資料です。
p.102-109「日光二荒山神社」に祢々切丸の記述は確認できませんでした。
・『二荒山神社』(日光二荒山神社社務所/編、発行 1917)
p.256「宝物」に太刀が5点挙げられていますが、ご指定の太刀は確認できませんでした。
・『日本歴史地名大系 9 栃木県の地名』(平凡社 1988)
p.548「鳴虫山」の項に祢々切丸の記述は確認できませんでした。
・『下野風土記 全〔乾・坤〕』(佐藤行哉/校訂 栃木県郷土文化研究会 1958)
・『栃木県神社誌 神乃森 人の道』(栃木県神社庁/編、発行 2006)
・『近世日光下野刀剣考』(柴田豊久/著 柴田豊久著作刊行会 1983)
・『しもつけの伝説 第4集』(栃木県連合教育会/編、発行 1980)
・『しもつけの伝説 第5集』(栃木県連合教育会/編、発行 1981)
・『しもつけの伝説 第7集』(栃木県連合教育会/編、発行 1983)
・『聖地 日光の至宝 世界遺産登録記念』(NHK/編,NHKプロモーション/編、発行 2000)
・「日光山縁起」(『新編会津風土記 第1巻』歴史春秋出版 1998 所収)
・「貴人対面の法奇特付日光山由来の事」(『那須拾遺記』針生宗伯/著 1970 所収)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
-
- 金工芸 (756)
- 参考資料
- キーワード
-
- 山金造波文蛭巻
- 大太刀中身無銘
- 祢々切丸
- 伝承
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 郷土 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000183016