レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年04月03日
- 登録日時
- 2013/04/03 16:53
- 更新日時
- 2013/09/13 10:15
- 管理番号
- 神戸図-504
- 質問
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解決
『万葉集』にみえる「有馬の菅(すげ)」について書かれている本はあるか。
- 回答
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『兵庫県大百科事典』上1983の139頁にある 蔵中進「有馬菅」が一番詳しい。これによれば、カヤツリグサ科の草本菅で有馬のものは特に良質で、これで作られた笠や蓑は広く知られ、宮廷へ貢納されるものもあったという。「有馬の菅」を詠んだ歌は巻第11-二七五七の「王之 御笠尓縫有 在間菅 有管雖看 事無吾妹(大君の 御笠に縫へる 有間菅 ありつつ見れど 事なき我妹)と巻12-三〇六四の「人皆之 笠尓縫云 有間菅 在而後尓毛 相等曽念(人皆の笠に縫ふと言ふ有間菅ありて後にも逢はむととそ思ふ)の二首。ともに「あり」をひきだす同音繰り返しの序詞として用いられていると述べられる。
中根三枝子『万葉植物歌の鑑賞』2001(342頁)によれば万葉集に「菅」は四十九首詠われており、「難波菅(巻4-六一九)、有馬菅(巻11-二七五七)、三島菅(巻18-二八三六)など生育場所の地名で呼ばれる他、その形態や色、生育環境などによって、白菅(巻3-二八〇他)、磐もと菅(巻3-三九七)、ななふ菅(巻3-四二〇)、しづ菅(巻7-一二八四)、いはほ菅(巻11-二四七二)などとも詠まれている」とみえ、菅の名産地がいくつかあったことを知ることができる。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 8版)
- 参考資料
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- 『兵庫県大百科事典』上 1983 神戸新聞出版センター (pv:0000631029 0002=210=1)
- 『万葉植物歌の鑑賞』 中根三枝子 深声出版 2001 (pv:7000029690 91112=N1)
- キーワード
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- 有馬菅
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000129997