レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2020年07月16日
- 登録日時
- 2020/11/18 15:19
- 更新日時
- 2021/05/20 18:49
- 管理番号
- 島根県2020-050
- 質問
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解決
島根県には「飯石郡」という郡名があるが、この漢字の由来が知りたい。
- 回答
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当館所蔵資料を紹介し回答とした。
資料1: p.88「飯石郡」の項目には、「風土記」に「飯石郷(中略)云伊鼻志 神亀三年改字飯石」とみえるのが初見、とある。
資料2:p.384-「飯石郡」の項目に記述がある。
「いびしはもと意味の忘れられたこの地の古名であったのを、「飯」の字が宛てられて食料神と考えられるようになった。」(p.385)
「飯石神社には本殿がなく、この石(伊ビ志都幣命が降りて産む所とされた石)を神体として祀っている。「伊鼻志」を好字二字とする際「飯」と改めたのも、この神体石を食料神とする信仰によるものだろう」。(p.387-388)
資料3:p.1004-1005には、資料2とは別の論を挙げている
「『参究』は「いひし」を「飯主」とするが、『風土記』の「飯石」を採用すべきであろう。
飯石社のご神体が伝承の背景にあると考えられるからである。貞享2(1685)年に書かれた『飯石神社石記』においては、「其高可三尺四寸周囲適之形如盛飯」としており、飯石神社社家においては磐石を「盛飯」の形として認識していたことがわかる。まさに「飯石」である。」
資料4:p.68に、飯石神社の神体石の写真がある。(高さ約1.5メートル、底辺約3メートルのおにぎり様の形)
資料5:p.37「飯石津倍命」では、「風土記」と『参究』の内容をまとめている。ただし漢字の由来について他の情報はなかった。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291 8版)
- 神衹・神道史 (172 8版)
- 中国地方 (217 8版)
- 参考資料
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【資料1】「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 , 「角川日本地名大辞典」編纂委員会. 角川*日本地名大辞典 32. 角川書店, 1979.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I004985916-00 , ISBN 4040013204 (当館請求記号:092.9/311 ※貸出禁止資料) -
【資料2】加藤義成 著 , 加藤, 義成, 1905-1983. 修訂出雲国風土記参究 改訂4版. 松江今井書店, 1992.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002747138-00 , ISBN 4895930068 (当館請求記号:郷貸出291.7/カ92) -
【資料3】関和彦 著 , 関, 和彦, 1947-2019. 『出雲国風土記』註論. 明石書店, 2006.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000008311282-00 , ISBN 4750323764 (当館請求記号:郷貸出291.7/セ06) -
【資料4】石神さんを訪ねて : 出雲の巨石信仰. 山陰中央新報社, 2015.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I026961890-00 , ISBN 9784879031914 (当館請求記号:郷貸出387/イ15) -
【資料5】島根県神社庁. 島根の神々. 島根県神社庁, 1987.
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001893632-00 (当館請求記号:郷貸出175/シ87)
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【資料1】「角川日本地名大辞典」編纂委員会/編 , 「角川日本地名大辞典」編纂委員会. 角川*日本地名大辞典 32. 角川書店, 1979.
- キーワード
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- 飯石郡
- 出雲国風土記
- 神社
- 地名
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000289629