レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2021年10月28日
- 登録日時
- 2022/01/20 13:42
- 更新日時
- 2022/01/20 16:07
- 管理番号
- 地-210015
- 質問
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解決
横浜市に港北区、港南区がある。現在の行政区において、北(港北区)と南(港南区)があって、西(港西区)と東(港東区)が使われない理由を知りたい。
- 回答
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以下の資料を紹介した。
・『横浜の町名』 横浜市市民局住居表示課 1982
港南区の区名について、p.137「6 港南区の町名 (1)港南区の区名と町名の特色」に、「港南区は、昭和四十四年の行政区再編成により南区から分区し、港南区として新設されたもの。港南区の区名は一般から募集され、区名審査委員会により選定され決定されたもの。この新区の応募区名案には他に大岡区、日野区などがあったが、応募数も圧倒的に多く、行政機関・民間会社等の出張所・支社もこの名称を使用している所も多くあり、区役所支所名が区名になることにより市民に親しまれるとの理由で「港南区」が選ばれた。」との記述がある。
港北区の区名について、p.207「11 港北区の町名 (1)港北区の区名と町名の特色」に、「港北区は、昭和十四年四月都筑郡の数カ村の横浜市への編入に伴い新設された区である。横浜港の北側にある区という意味で港北区と名付けられたのであろう。」との記述がある。
・『港北区史』横浜市港北区港北郷土誌編さん刊行委員会 1986
p.402-442「第三編 地区のあゆみ 第二章 日吉地区 第二節 分村合併問題」中、p.420-421に「区名誕生のいきさつ」が立項されており、p.421に「(前略)昭和十四年四月一日に戸塚・港北の二区が新設された。名称は港都横浜の北部に位置することをもって港北区と呼ばれることに落ち着いた。」との記述がある。
・『横浜市行政区再編成の記録』横浜市総務局 1970
昭和44(1969)年10月1日の行政区再編成により、横浜市に新たに港南区、旭区、緑区、瀬谷区ができ、一部の区の境界が局部的に変更された際の経緯等が書かれている。
「第二章 再編成原案の作成 3 区名の選定」(p.14-17)中、「(1)区名の公募」に、「新らしい区に区名をつける場合」の条件として、「1.簡潔・単純であること 2.包括的な地名であること 3.親しまれやすいものであること 4.他と紛らわしくないこと 5.その土地の由緒、沿革が滲み出され、美的感覚をも伴うものであること 等の条件を必要とする。」「そこで、43年11月から12月に亘って、「広報よこはま」を利用し区名を公募したのである。」(p.14)、「応募区名については、東・西・南・北の方向を示したもの、区役所支所名をそのまま区名としたものが多く各区の上位にランクされている」(p.15)との記載がある。
選定結果については、p.16-17「(3)公募区名結果」に記されている。p.16「◇南区からの分区の区「港南区」」に、「「港南」という名称は、港北区と頭字が同一で非常に紛らわしく、清新さが見られない等の欠点はあるが、応募数も圧倒的に多く、行政機関・民間会社等の出張所・支社も、この名称を使用している所も多くあり、区役所支所名が区名になることにより、市民に親しまれている。」との記述がある。
また、p.16「◇保土ケ谷区からの分割の区「旭区」」に、この区については候補の上位について、「「鶴ケ峰」の「峰」は字に統一がとれにくく、各種登録等に混乱を期す恐れがある。又、「西保土ケ谷」「港西」については、西区、保土ケ谷区、港北等の紛らわしさがある。これにより、次の順位として「富士見」「旭」「緑」ということであったが、字画が一番少なく、字体も簡単明瞭であるため、「旭区」に決定した。」との記述がある。
横浜市において、昭和61(1986)年と平成6(1994)年に区の再編成により新区ができた際も区名の公募が行われているが、それぞれの区名選定基準については下記に記載がある。
・『横浜市行政区再編成の記録 戸塚区 栄区 泉区』横浜市総務局行政部区連絡調整課 1982
昭和61(1986)年に横浜市戸塚区を3分割して新しい戸塚区、栄区、泉区ができた際の経緯等が書かれている。
p.70-78に「区名選定の経緯」が掲載されている。p.70に「3 区名の募集 (1)区名選定基準」に「新区の区名については、歴史的、風土的なもの又は新区のイメージ等を表現したものが望ましいが、次の事項を勘案して総合的に決定することとする。 ア 簡潔で親しみやすく、語調のよいものとする。 イ 他の区名と紛らわしくないものとする。 ウ 今回の戸塚区編成は複数の旧村に係るため、本郷、豊田、中和田、中川の名称は使用しないようにする。 エ 必ずしも応募数の多少に拘束されないこととする。」との記述がある。
・『横浜市行政区再編成の記録 港北区 緑区 青葉区 都筑区』横浜市市民局 1995
平成6(1994)年に横浜市港北区及び緑区の行政区再編成が行われた際の経緯等が書かれている。
p.34-35に「資料1 区名選定報告書全文」として、平成5年10月に横浜市区名選定委員会より横浜市長あてに出された「港北区及び緑区の再編成に伴う新区の名称の選定について(報告)」が掲載されている。p.35に区名選定の基本方針として、「「港北」・「緑」の名称はA区及びB区がそれぞれ継承」すること、「応募数第1位の自動採択はしない」、「区名の選定基準については、住民アンケートの結果も踏まえて、次の諸点に留意しながら総合的に判断することとした。①新区のイメージを表していること。 ②簡潔で語調が良く、親しみやすいこと。 ③市内の他区の名称と紛らわしくないこと。 ④限られた地域を指す地名や呼称は避けること。」との記述がある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本 (291)
- 地方自治.地方行政 (318)
- 参考資料
- キーワード
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- 港北区
- 港南区
- 横浜市
- 行政区再編
- 区名
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000310951