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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] https://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000216536
提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼久-2017-007
事例作成日
(Creation date)
2016年12月20日登録日時
(Registration date)
2017年05月25日 11時42分更新日時
(Last update)
2017年07月13日 11時52分
質問
(Question)
猪肉の鍋をなぜ「ぼたん鍋」と呼ぶのか知りたい。
回答
(Answer)
諸説あったため、それぞれについての資料を紹介した。

1 「獅子に牡丹」から
『日本国語大辞典 第12巻(ほうほ-もんけ)』(日本国語大辞典第二版編集委員会[ほか]編 小学館 2001)
 p123 「ぼたん」の解説に、「(「獅子に牡丹」の「獅子」を猪(いのしし)にとりなしていう)猪肉の異称」とあり。また、同じページの「ぼたんに唐獅子」の解説に、「獅子に牡丹を配した図柄。また、配合・取り合わせのよいもののたとえ。獅子に牡丹。」とある。
『新明解語源辞典』(小松寿雄編 鈴木英夫編 三省堂 2011)
 p837-838 「ぼたんなべ」の項目あり。「馬の桜肉に対して、イノシシを牡丹という。近世に流行した取り合わせの「獅子に牡丹」の「しし」を「猪(しし)」にとりなして、「牡丹」を猪肉の異名とした。」とある。
『日本の味探究事典』(岡田哲編 東京堂出版 1996)
 p31「いのししにく」の項目に、「牡丹と呼ぶのは「牡丹に唐獅子」から洒落たもので、ウマ肉を桜というのと同じである。」とある。

2 肉の形状から
『海の幸・山の幸大百科 3』(望月賢二〔ほか〕監修 ぎょうせい 1990)
 p154-155「いのしし」の項目に、「馬肉の「桜鍋」、シカ肉の「紅葉鍋」同様、植物に例えられた名称だが、肉が紫紅色でボタンの花に似ていることから、この名がついたらしい。」とある。
『精進料理と日本人』(鳥居本幸代著 春秋社 2006)
 p243「猪肉は脂身がちぢれて牡丹の花のように見えるところから「牡丹」とも呼ばれた。」
『日本の食生活全集 28 聞き書兵庫の食事』(農山漁村文化協会 1992)
 p277「「ぼたん」という名の由来は、いのししの肉を煮こむと脂身がちぢれて、牡丹の花のようになるという説、また、いのししの肉を大皿に並べると、鮮やかな肉のいろどりが、牡丹の花のようだからという説がある。」
回答プロセス
(Answering process)
1 参考図書を調べる
『世界大百科事典 2005年改訂版 2(アレネ-イワ)』(平凡社 2005)
 p503 「イノシシ」項目内、料理の箇所に「牡丹と呼ぶのは、鹿を紅葉というのと同様、それが〈獅子〉の縁語であるところからの転用である。」とあり。
『新明解語源辞典』(回答資料)
『日本の味探究事典』(回答資料)
『海の幸・山の幸大百科 3』(回答資料)
『日本国語大辞典 第12巻(ほうほ-もんけ)』(回答資料)

2 自館目録をNDC分類〈383.8〉で検索する。
『精進料理と日本人』(回答資料)
『江戸味覚歳時記』(興津要著 時事通信社 1993)
 p138に「猪の肉は、「牡丹に唐獅子、竹に虎」という文句にちなんで牡丹とし、鹿の肉は、「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき」(『古今和歌集』)という古歌からとって紅葉と呼んだ。」とあり。
『日本の食風土記』(市川健夫著 白水社 1998)
 p168に「鹿の肉は「紅葉」、猪の肉は「牡丹」と、花札のデザインから愛称されていた。」とあり。
『川柳食物事典』(山本成之助著 牧野出版 1983)
 p135に「「牡丹に唐獅子」と云われるので牡丹は猪の異称。」とあり。
『江戸食べもの誌』(興津要著 作品社 1981)
 p14に「肉を〈しし〉と読み、猪肉は、〈牡丹に唐獅子、竹に虎〉の文句にちなんで〈牡丹〉、鹿肉は〈奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞くぞ秋はかなしき〉の古歌から〈紅葉〉と呼んだ。」とあり。

自館目録を〈俗語〉〈食肉〉で検索する。
『江戸風俗語事典』(三好一光編 青蛙房 2002)
 p118「牡丹と紅葉」に「牡丹は猪、紅葉は鹿の肉。二種類の鍋を食べさせていた見世で、牡丹と紅葉の行燈はかなり諸所にあったらしい。」とあり。
『食肉文化 さばく・あきなう・たべる』(大阪人権博物館編 大阪人権博物館 1996)
 p26-27「穢れ意識と肉食」に「このように、人びとは、ときに「薬喰い」と称して牛などの肉を食べたり、猪を「牡丹」、馬を「桜」などと言い換えて食べていた。穢れ意識と現実のつじつまをあわせて、肉を食べていたといえる。」とあり。

3 《コトバンク》( https://kotobank.jp/  朝日新聞社)を〈牡丹〉で検索する。
〈牡丹〉について( https://kotobank.jp/word/%E7%89%A1%E4%B8%B9-628175
 ア 「デジタル大辞泉」(小学館)によると、4番目の解説に「《獅子(しし)に牡丹」の「獅子」を「猪(しし)」にとりなしていう》イノシシの肉。」とあり。
 イ 「和・洋・中・エスニック 世界の料理がわかる辞典」(講談社 2010)によると、「いのししの肉。◇肉食が禁じられていた近世の隠語。「獅子に牡丹」の獅子をいのししに置き換えたもの。「ぼたん肉」ともいう。」とあり。
 ウ 「大辞林 第三版」(三省堂)によると、2番目の解説に「〔「獅子ししに牡丹」の「獅子」を猪いのししにとりなして〕 イノシシの肉をいう。」とあり。

4 《Google ブックス》( http://books.google.co.jp/  Google)を〈イノシシ & ボタン & 肉〉で検索する。
『日本の食生活全集 28 聞き書兵庫の食事』(回答資料)

ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2016年12月17日。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
衣住食の習俗  (383 9版)
食品.料理  (596 9版)
参考資料
(Reference materials)
『日本国語大辞典 第12巻』(日本国語大辞典第二版編集委員会編 小学館国語辞典編集部編 小学館 2001), ISBN 4-09-521012-5
『新明解語源辞典』(小松寿雄編 鈴木英夫編 三省堂 2011), ISBN 978-4-385-13990-6
『日本の味探究事典』(岡田哲編 東京堂出版 1996), ISBN 4-490-10410-3
『海の幸・山の幸大百科 3』(望月賢二〔ほか〕監修 ぎょうせい 1990), ISBN 4-324-01939-8
『精進料理と日本人』(鳥居本幸代著 春秋社 2006), ISBN 4-393-75122-1
『日本の食生活全集 28 聞き書兵庫の食事』(農山漁村文化協会 1992), ISBN 4-540-91006-X
キーワード
(Keywords)
料理 (肉)
鍋料理‐日本
日本語-俗語
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
言葉
質問者区分
(Category of questioner)
団体
登録番号
(Registration number)
1000216536解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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