レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2018年09月27日
- 登録日時
- 2018/12/16 11:17
- 更新日時
- 2018/12/16 15:51
- 管理番号
- 相橋-H30-038
- 質問
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解決
陰陽の読みが「おんよう」から「おんみょう」にいつ頃変わったか。(「おんみょう」の初出が分かればよい。)
- 回答
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辞典類からは、時代に関わらず「おんみょう」と「おんよう」の両方の読み方をする事例が確認できる。
また、「おんみょう」は「おんよう」の連声(れんじょう)という変化した言葉である。
- 回答プロセス
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辞典類からは、時代に関わらず「おんみょう」と「おんよう」の両方の読み方をする事例が確認できる。
また、「おんみょう」は「おんよう」の連声(れんじょう)という変化した言葉である。
回答プロセス
レファレンスの下記の辞典で調べる。
①『日本国語大辞典 第3巻 第2版 おもふ-きかき』 日本国語大辞典第二版編集委員会/編 小学館 2001 (自館請求記号:R813.1)
P121に「おんみょう(陰陽)」の項があり、「(「おんよう」の連声(れんじょう))「おんよう(陰陽)」に同じ。」という説明があり、用例文として「とりかへばや(12C後)上」の文が紹介されている。
P123に「おんよう(陰陽)」の項があり、用例文として「本朝文粋(1016頃)」、「文徳実録-仁寿三年(853)五月壬寅」、「徒然草(1331頃)一六三」、「怪談牡丹燈籠(1884)<三遊亭円朝>一六」などの文が紹介されている。
以上の用例文から見ると、時代を問わず「おんみょう」と「おんよう」のどちらも使われていたのではないか、と推測できる。
資料①に記載の「連声(れんじょう)」という言葉を調べてみる。
オンラインデータベース ジャパンナレッジ Lib(http://japanknowledge.com/library/ 2018/09/27 最終確認)でキーワード“連声”で検索した結果、次の情報がヒットした。
連声
れんじょう
漢語の熟語で、唇内撥音(はつおん)-m、舌内撥音-n、舌内入声(にっしょう)音-tで終わる漢字のあとにくるア・ヤ・ワ行音が、マ・ナ・タ行音に変化する事象。たとえば、オンヤウ(陰陽)>オンミャウ、サンイ(三位)>サンミ、インエン(因縁)>インネン、ケンヨ(顕与)>ケンニョ、サツイ(薩位)>サッチ、ヒツイウ(必由)>ヒッチウ の類。この事象の発生がいつごろであったかを文献によって確認するのはむずかしいが、院政期にはすでに発生し、とくに仏典の読誦(どくじゅ)音では頻発していたと思われる。… [沼本克明]
"連声", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2018-09-27)
自館OPACでキーワード“オンミョウドウ”で検索した結果、次の資料が見つかった。
②『陰陽道とは何か』 戸矢学/著 PHP研究所 2005 (自館請求記号:S148.4)
P4-5に「十世紀ごろには、「陰陽の道」という慣用語が日本で生まれていた。読み方は「おんみょうのみち」とも「おんようのみち」とも確定できないが、おそらく、時に応じてどちらも用いられていたのではないかと思われる。… 幕末以降、発音が明示されるようになって、そのまま現代に続く発音「おんみょうどう」「おんみょうじ」に一本化された。」という記述がある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 相法.易占 (148)
- 辞典 (813)
- 参考資料
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- 『日本国語大辞典 第3巻 第2版 おもふ-きかき』 日本国語大辞典第二版編集委員会/編 小学館 2001
- 『陰陽道とは何か』 戸矢学/著 PHP研究所 2005
- キーワード
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- 陰陽
- 陰陽師
- 陰陽道
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000248532