レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2017年6月9日
- 登録日時
- 2019/08/21 14:13
- 更新日時
- 2020/02/20 11:21
- 管理番号
- 埼熊-2019-066
- 質問
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解決
労働基準法第76条に「平均賃金の100分の60の休業補償を行わなければならない」とあるが、この数字は何を持って決められた数字なのか知りたい。
- 回答
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以下の資料と情報を提供した。
『労働行政史 第2巻』(労働省編 労働法令協会 1969)
p708 昭和二二年三月に衆議院労働基準法案委員会で厚生大臣が行った労働基準法案の概要説明に「第八章は災害補償に関する規定であります。その原則は従来我が国の労働法制で確立されてゐるところを踏襲したものでありますが、(中略)又災害補償の義務額は産業の負担力の限度に於て災害犠牲者の最低の必要を充足することを目途として之を決定致しました。」とあり。
『労働基準法 下 労働法コンメンタール 3』(労働省労働基準局編著 労務行政研究所 1991)
p753-754 労働基準法第76条の趣旨を解説した部分として、「災害を受けた労働者が労務の提供を一時的に全部履行できないとき、又は一時的に一部履行できないときについて、工場法施行令第六条は、休業扶助料として一日当たり賃金の一〇〇分の六〇を支給すべしとしており、本法制定に当たりこの規定を踏襲したが、(以下略)」とあり。
『労働行政史 第1巻』(労働省編 労働法令協会 1961)
p216「(ロ)休業扶助料(第六条)従来三月間は賃金の二分の一、その後は三分の一迄に減ずることができたのを一八〇日間は賃金の一〇〇分の六〇、その後は一〇〇分の四〇までに減ずることができることとした。」とあり。
(注)「工場法施行令」の改正(大正15年)に関連資料。
《国会図書館デジタルコレクション》『千九百二十五年第七囘国際労働総会ニ於テ採択セラレタル条約案及勧告』(外務省 1926)p9「労働者補償ノ最小限度ノ規模ニ関スル勧告」(https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1337855 国会図書館)9コマ 国立国会図書館/インターネット公開
「傷害ノ結果労働不能ニ至リタル場合ニ於テハ各国ノ法令又ハ規則ハ以下指示スル率ヨリ低カラザル率を以テ補償ヲ支払フコトヲ定ムベシ(中略)(三)一時ノ全部労働不能ノ場合ニ於テハ補償ノ目的ノ為計算セタレタル労働者ノ基礎労働所得ノ三分ノニト同額ノ毎日又ハ毎週ノ定期金(後略)」とあり。
- 回答プロセス
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1 《総務省_法令データ提供システム》(http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi 総務省)で労働基準法を確認する。
2 NDC分類〈366〉の棚を確認する。
(1)労働基準法について調べる。
(2)工場法施行令第6条について調べる。
『労働行政史 第1巻』(労働省編 労働法令協会 1961)
p626「(二)労働者職業病補償に関する条約」にこの第七回国際労働総会(一九二五年ジュネーヴ)において採択されたものとあり。
3 《国会図書館サーチ》(http://iss.ndl.go.jp/ 国立国会図書館)を〈労働基準法〉〈第七回国際労働総会〉で検索する。
《国会図書館デジタルコレクション》『実際問題を中心とした労働基準法の新しい運用』(堀秀夫著 労働法学研究所 1950)p168(https://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I000643495-00 国会図書館)89コマ 国立国会図書館/図書館送信参加館内公開
「最低生活費を賃金の六割又は三分の二程度とすることは、従来労働契約或は各國の労働立法の慣例であった。」とあり。
4 《国会会議録検索システム》(http://kokkai.ndl.go.jp/ 国立国会図書館)を〈休業 & 百分の六十 & 労働基準法 & 国際労働会議〉で検索する。
「第十回国会衆議院 人事委員会会議録第六号」(https://kokkai.ndl.go.jp/#/detailPDF?minId=101004548X00619510517&page=1&spkNum=0¤t=2)
p7 労働基準法における休業補償の問題についての慶徳庄意(人事院事務官)の答弁あり。
ウェブサイト・データベースの最終アクセス日は2017年06月09日。
- 事前調査事項
- NDC
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- 労働経済.労働問題 (366 9版)
- 参考資料
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- 『労働行政史 第2巻』(労働省編 労働法令協会 1969)
- 『労働基準法 下 労働法コンメンタール 3』(労働省労働基準局編著 労務行政研究所 1991)
- 『労働行政史 第1巻』(労働省編 労働法令協会 1961)
- キーワード
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- 労働基準法-日本
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 法律
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000260347