レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008年09月10日
- 登録日時
- 2008/09/10 18:34
- 更新日時
- 2008/09/10 18:34
- 管理番号
- 富山市-2008-04
- 質問
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解決
台湾の「阿美族」という民族について知りたい。世界で数少ない女系民族のひとつらしい。
- 回答
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『文化人類学事典』(弘文堂)には、【アミ Ami】の項目があり、「阿美族」は、高砂族中最大の人口を擁する集団でアミが通称となっていると記している。早くから漢民族と接触し、水稲耕作をはじめ、漢民族文化を受容してきた。しかし、最近まで彼らの固有の慣習を多く残していた。一般にアミ族は、母系制を有し、婿入り婚が行われ、ことに中部、南部のアミでは結婚後も姉妹が生家にとどまるので、母系大家族を形成していた。家長は最年長の女性で、穀倉とそれに関わる祭祀を管理し、日常生活の実権を握り、重要な財産は母から娘たちに相続されていた。こうしたアミ族の伝統も日本統治期から徐々に消滅し、婿入り婚に代わって嫁入り婚が一般になり、母系制が崩壊してきたと解説がある。
『世界民族事典』には、【アミ 阿美族 Ami Pangtsah 阿眉族】の項目があり、親族組織は、婿入り婚を取る限り母系的に構成され、中部アミでは本家分家からなる明確な集団を構成していたと解説がある。
『図説台湾の歴史』では、先住民「高山族」9族のひとつとして「アミ」の呼称があり、台湾先住民族分布図には、東海岸部に「アミ族」を記す。また、「頭飾をかぶったアミ族マーラン社の少女」の写真がある。
『現代台湾を知るための60章』では、先住民を「台湾文化の源泉」とし、全人口の約2パーセントといえども、在住する面積は台湾の半分を占めており、とくに東海岸に多い。2003年までに認定されているのは、最新のタロコ族まで含めて、12族、39万人。最大のアミ族(うち37パーセント)に、タイヤル族が続くとある。
- 回答プロセス
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①文化人類学の視点から専門事典の役割をもつ『文化人類学事典』で調査をする。
②民族学の視点から専門事典の役割をもつ『世界民族事典』で調査をする。
③新しい情報を探すために『図説台湾の歴史』と『現代台湾を知るための60章』で調査をする。
- 事前調査事項
- NDC
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- 風俗史.民俗誌.民族誌 (382)
- 民族学.文化人類学 (389)
- 参考資料
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- ①『文化人類学事典』 弘文堂/発行 1987年
- ②『世界民族事典』 弘文堂/発行 2000年
- ③『図説台湾の歴史』 周婉窈/著 平凡社/発行 2007年
- ④『現代台湾を知るための60章』 亜洲奈みづほ/著 明石書店/発行 2003年
- キーワード
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- 台湾
- 女系民族
- 阿美族
- 高山族
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 民族学 文化人類学
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000047257