レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年11月17日
- 登録日時
- 2014/01/29 09:38
- 更新日時
- 2014/01/29 09:45
- 管理番号
- 9000010252
- 質問
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解決
飯田蛇笏の俳句「はせを忌や月雪二百五十年」の「月雪」の読み方を知りたい。
- 回答
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『日本国語大辞典』第9巻(小学館編集・発行 2001年)、『角川古語大辞典』第4巻(中村幸彦編 角川書店 1994年)には「つきゆき」の項がある。「げっせつ」という読みは確認できなかった。
- 回答プロセス
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1.この句の出典を確認。
・『角川俳句大歳時記 冬』(角川学芸出版編集・発行 2006年)[資料番号0105152813]→p453「芭蕉忌」の項に句の掲載あり。「月雪」に読みはふられていない。出典は『春蘭』とある。
・『早引き季語辞典 冬』(大岡信監修 遊子館 2005年)[資料番号0105599757]→p179「芭蕉忌」の項に区の掲載はあるが、読み、出典の記載はなし。
2.『春蘭』について調査。次のものに昭和18年の句として収載されているが、読みの記載はなし。
・『春蘭:自選句集』(飯田蛇笏著 改造社 1947年)p124
・『飯田蛇笏集成』第2巻 俳句(飯田蛇笏著 角川書店 1994年)p432
3.飯田蛇笏の句集についてブラウジング。
・『飯田蛇笏集(脚註名句シリーズ) 』(飯田蛇笏著 俳人協会 1986年)[資料番号0100851187]には、句の漢字にルビがふってあるが、該当句の掲載はなかった。
4.辞典類を調査。
・『日本国語大辞典』全13巻別巻1(小学館編集・発行)→「げっせつ」の項なし。「つきゆき」の項あり、「月や雪などの自然の美に感じて風流を楽しむこと」とあり芭蕉の『続虚栗』句「月雪とのさばりけらしとしの昏(くれ)」が用例として挙げられている。
・『角川古語大辞典』全5巻(中村幸彦編 角川書店)→「げっせつ」の項なし。「つきゆき」の項あり。
※次のものには「げっせつ」「つきゆき」ともに項目はなかった。
・『広辞苑 第6版』(新村出編 岩波書店 2008年)[資料番号0105263925]
・『大辞林 第3版』(松村明編 三省堂 2006)[資料番号0105158729]
・『大辞泉』」全2巻(小学館 2012年)[0106220635,0106220643]
・『俳句用語辞典』(飯塚書店 2005年)[資料番号0105001218]
・『大漢和辞典』巻5巻(諸橋轍次著 大修館書店 1960年)p1010-1024「月」の項。
5.『続虚栗』掲載の芭蕉の句を確認。
・『全釈続みなしぐり(新典社注釈叢書)』(田中善信注釈 新典社 2012年)[請求記号
0106183718]→p324に芭蕉の句の掲載あり。「月雪」にルビはない。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911)
- 参考資料
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- 『日本国語大辞典』第9巻(小学館編集・発行 2001年) (p291)
- 『角川古語大辞典』第4巻(中村幸彦編 角川書店 1994年) (p418)
- キーワード
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- はせを忌や
- 俳句
- 飯田蛇笏
- 月雪
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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・蛇笏のこの句が作られた昭和18(1943)年は、松尾芭蕉(1944-169)の250回忌にあたる。
・『全釈続みなしぐり(新典社注釈叢書)』(田中善信注釈 新典社 2012年)[請求記号0106183718]p324の芭蕉句「月雪とのさばりけらしとしの昏」の解説には、「「月雪」は俳諧を代表する題材であり、これによって俳諧そのものを表している」とある。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 日本文学(現代)詩歌・シナリオ
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000148560