レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年05月05日
- 登録日時
- 2010/10/28 09:16
- 更新日時
- 2012/02/21 09:17
- 管理番号
- 9000006399
- 質問
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解決
『史記』の日本への伝来時期を知りたい。
- 回答
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確な伝来時期は、記録がなく不明である。聖徳太子『十七条憲法』(604年制定)の第10条には『史記』田単伝の「如環之無端」の句が引かれており、『日本における中国伝統文化』(蔡毅編 勉誠出版 2002年)によると、遅くとも6世紀には日本に伝来し読まれていたことが知られる。また、『新釈漢文大系』第38巻「史記」(明治書院 1976年)の解説には、王朝時代には和訓で史記が読まれたことは事実らしいとの記述がある。詳細については、照会資料をご確認下さい。
- 回答プロセス
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1.『中国学芸大事典』(近藤春雄著 大修館書店 1980年)の「史記」の項を見るが、日本への伝来については記述なし。
2.『国史大辞典』第6巻(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1985年)の「史記」の項を見ると、「……紀伝体によって書かれ、わが国の『大日本史』などもこれにならう」とあるが、伝来時期については記述なし。
3.『新釈漢文大系』第38巻「史記」(明治書院 1976年)の解説を見ると、p8に、「わが国における「史記」の伝承は、岡田正之博士の日本漢文学史によると、聖徳太子の十七条憲法作製の場合に、史記も他の経伝子書とともに材料として用いられたとあるが、史記の伝来は不明のままでも、王朝時代には和訓で史記が読まれたことは事実らしい」とある。
4.自館システムで、書名「中国×伝来」で検索。ヒットした『中国文化伝来事典』(寺尾善雄著 河出書房新社 1993年)を見るが「史記」の伝来に関連する記載なし。
5.NDC210.18周辺資料をブラウジング。『日本における中国伝統文化』(蔡毅編 勉誠出版 2002年)の目次を見ると「日本における中国史学」の項があり「史書の伝来についても確かな記録はない。ただ、604年制定の聖徳太子『十七条憲法』第十条には『史記』田単伝の「如環之無端」の句が引かれており、遅くとも六世紀には日本に伝来し読まれていたことがしられる」との記述あり。
- 事前調査事項
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『世界文学大系』第10巻「史記」(筑摩書房 1969年)、『中国古典文学大系』第10巻「史記」(平凡社 1968年)、『『史記』と『漢書』:中国文化のバロメーター(書物誕生)』(大木康著 岩波書店 2008年)
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 参考資料
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- 『新釈漢文大系』第38巻 史記(明治書院 1976年) (p8)
- 『日本における中国伝統文化』(蔡毅編 勉誠出版 2002年) (p12)
- キーワード
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- 「史記」
- 司馬遷
- 漢籍
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 日本の歴史
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000073003