レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2011/01/21 10:07
- 更新日時
- 2013/06/23 20:08
- 管理番号
- 牛久-732
- 質問
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未解決
(ご自宅の崩し字で書かれた掛け軸の写真をお持ちになり、)これは与謝野晶子の短歌なのだが、何と書いてあるのか知りたい。初句はおそらく“初夏(はつなつ)の”で、途中に“枝に”という語句が見られると思うのだが。
- 回答
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与謝野晶子の短歌で初句が“初夏の”であるものが7首見つかったが、いずれも途中で“枝に”という語句が入ったものはなかった。
- 回答プロセス
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①『現代短歌大事典』の“与謝野晶子”の項を見るが、手がかりは得られず。
②『岩波現代短歌辞典』のp520“初夏(はつなつ)”の項にいくつか歌が載っていたが、与謝野晶子の歌で
初句が“初夏の”というものはなし。
③Googleで「与謝野晶子 短歌 初夏の」をキーワード検索。→手がかりを得られず。(Yahoo検索も同様)
④自館所蔵の『与謝野晶子歌集』(新潮社・岩波書店)を2冊、しらみつぶしに見ていく。
→“初夏の”が初句となっているものが7首見つかる。
a)初夏の 若葉のかげに よき香する 煙草をのむを よろこぶ君よ (「舞姫」より)
b)初夏の ゆふべの雲を 一つとり 君が館は 塗られたるかな (「佐保姫」より)
c)初夏の 野にひと日居ぬ 君とわれ 緑と黄金に かくまはれつつ (「夏より秋へ」より)
d)初夏の 空より射たる 光にも いまだめでたき 身と見ゆるかな (「太陽と薔薇」より)
e)初夏の あやめと早く 定めてき 人より少し たち勝るとて (「火の鳥」より)
f)初夏の いみじき風に とらへられ しらじら散りぬ 日の前の雨 (「瑠璃光」より)
g)初夏の ひたひ髪なる 蔦の蔓 分けて入りくる 海の風かな (「山のしづく」より)
しかし、いずれの歌も質問者の言う“枝に”という語句を途中に含んでいるものではなかった。
自館所蔵の歌集は自選のもので、すべてを網羅しているわけではないので、見つからなかったのかもしれない。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 8版)
- 参考資料
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- 『与謝野晶子歌集』(与謝野晶子/新潮社/1973)
- 『与謝野晶子歌集』(与謝野晶子/岩波書店/1997)
- キーワード
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- 与謝野晶子
- 短歌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 文学
- 質問者区分
- 一般女性
- 登録番号
- 1000076972