レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年12月01日
- 登録日時
- 2011/03/10 15:20
- 更新日時
- 2011/03/10 15:20
- 管理番号
- 9000006951
- 質問
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解決
「ジュネーブ条約」の捕虜に関する条約について書かれた資料があるか。
- 回答
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ジュネーブ第3条約(捕虜待遇条約)が該当の条約である。『国際条約集』2010年版(奥脇直也編集代表 有斐閣 2010年)などに条文の抜粋の掲載が、『捕虜体験記』第3巻(ソ連における日本人捕虜の生活体験を記録する会編集・発行 1987年)などに1929年の全文の掲載がある。また、参考文献として『国際人道法戦争にもルールがある(朝日選書)』(小池政行著 朝日新聞社 2002年)、『国際人道法』(藤田久一著 有信堂高文社 2003年)などがある。詳細については照会資料をご覧ください。
- 回答プロセス
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1.ジュネーブ条約について『世界大百科事典』全31巻(平凡社 2007年)の索引から検索。第26巻の「捕虜」の項に1949年のジュネーブ捕虜条約について解説がある。また、15巻の「赤十字条約」の項、及び22巻の「バーク平和会議」の項で確認すると、「ジュネーブ条約」とは「赤十字条約」のことで、戦時の傷病兵、捕虜、抑留者などの保護を目的としてジュネーブで結ばれた諸条約の総称。「戦地にある軍隊の傷者・病者の状態改善に関する条約(」(1864年。※1906年、1929年、1949年改正)と「ジュネーブ条約の原則を会戦に適用する条約」(1899年ハーグ平和会議で採択。※1907年、1949年改正)、「捕虜の待遇に関するジュネーブ条約」(1929年。※1949年改正)、「戦時における文民の保護に関する条約」(1949年)の4つの条約がある(ジュネーブ4条約)。
2.条約集で「捕虜の待遇に関するジュネーブ条約」について確認すると、次のものにジュネーブ第3条約(捕虜待遇条約)の掲載があったが、すべて抜粋だった。
・『国際条約集』2010年版(奥脇直也編集代表 有斐閣 2010年)
・『解説条約集』2009(広部和也編修代表 三省堂 2009年)
・『コンサイス条約集』(杉原高嶺編修代表 三省堂 2009年)
・『国際人権条約・宣言集』(松井芳郎編集 東信堂 2005年)
3.インターネットの国立国会図書館レファレンス協同データベースで、キーワード「ジュネーブ条約」を検索すると、次のものがヒット。
(1)「「捕虜の待遇に関するジュネーブ条約」(1929年)の条文を知りたい。できるだけ原文に忠実な邦訳がよい。(埼玉県立久喜図書館)」
(https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000030655 ※2011.2.15確認)
・『捕虜体験記』第3巻 ウラル以西篇(ソ連における日本人捕虜の生活体験を記録する会編集・発行 1987年)→p370-386に「資料」として、1929年の全文が掲載。
(2)「1929年のジュネーブ条約の全文が載っている本はありますか。ない場合は、どこへ行けば見られますか(東京都立中央図書館)」(https://crd.ndl.go.jp/GENERAL/servlet/detail.reference?id=1000001853 ※2011.2.18確認)
・『大東亜戦争俘虜関係外交文書集成』第1巻(茶園義男編・解説 不二出版 1993年)→未所蔵
・『十五年戦争極秘資料集』第11巻 俘虜ニ関スル諸法規類聚(不二出版 1988年)→p150-161「俘虜ノ待遇ニ関スル条約(仮訳)」(1929年)の掲載。また、p296-292には仏文、p293-322には英文の掲載。
・『戦時外国人強制連行関係史料集』第1巻 俘虜収容所(林えいだい監修・責任編集 明石書店 1990年)→p134-161「俘虜ノ待遇ニ関スル条約(仮訳)」(1929年)の掲載
4.自館システムで件名「捕虜」「赤十字」で検索すると、捕虜と赤十字に関する図書に次のものがあった。
・『知られざる戦争犯罪:日本軍はオーストラリア人に何をしたか』(田中利幸著 大月書店 1993年)→第1章「捕虜虐待とジュネーブ条約:サンダカン捕虜収容所を中心に」
・『欧米人捕虜と赤十字活動:パラヴィチーニ博士の復権』(大川四郎編訳 論創社 2006年)
5.また、件名「国際人道法」で検索すると、ジュネーブ条約に関する記述のある資料として次のものがあった。
・『国際人道法戦争にもルールがある(朝日選書)』(小池政行著 朝日新聞社 2002年)→p46-54第2章「赤十字と国際人道法」第2項「ジュネーブ条約の採択」
・『国際人道法』(藤田久一著 有信堂高文社 2003年)→p141-154第3章「武力紛争犠牲者および財産の保護」第2節「捕虜の資格と待遇」
- 事前調査事項
- NDC
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- 国際法 (329 9版)
- 参考資料
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- 『国際条約集』2010年版(奥脇直也編集代表 有斐閣 2010年) (p710-721)
- 『解説条約集』2009(広部和也編修代表 三省堂 2009年) (p872-879)
- 『コンサイス条約集』(杉原高嶺編修代表 三省堂 2009年) (p428-431)
- 『国際人権条約・宣言集』(松井芳郎編集 東信堂 2005年) (p754-777)
- 『捕虜体験記』第3巻 ウラル以西篇(ソ連における日本人捕虜の生活体験を記録する会編集・発行 1987年) (p370-386)
- 『世界大百科事典』第15巻(平凡社 2007年) (p489)
- 『国際人道法戦争にもルールがある(朝日選書)』(小池政行著 朝日新聞社 2002年) (p46-54)
- 『国際人道法』(藤田久一著 有信堂高文社 2003年) (p141-154)
- キーワード
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- ジュネーブ条約
- 赤十字条約
- 国際条約
- 捕虜
- 戦争
- 赤十字
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 政治・行政・外交
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000081591